宇宙世紀0079年3月11日未明、ジオン公国軍は第二次降下作戦の一環として、極東沿岸部に位置する海洋都市への電撃侵攻を開始した。
同都市は大規模港湾、燃料備蓄施設、海洋研究施設を備え、さらに内海航路を押さえる交通上の要衝でもあった。連邦軍にとっては後方補給拠点の一つに過ぎなかったが、ジオン軍にとっては東アジア沿岸制圧の足掛かりとなる重要目標だった。

作戦は夜明け前、海中から接近した水陸両用部隊の先行浸透によって始まった。湾内に侵入したズゴック部隊が港湾監視施設と通信塔を無力化。これと同時に、山間部へ降下したMS-06J陸戦型ザク部隊が主要道路と鉄道施設を封鎖した。
連邦軍守備隊は、市街地外縁の施設防衛用に先行配備されていた陸戦型GMを投入し、幹線道路沿いで迎撃を試みた。しかし、ジオン軍はすでに高所と交通路を押さえており、ザク部隊は道路脇の斜面と架線設備を遮蔽物として利用しながら、複数方向から射撃を集中。連邦側は市街地へ後退する間もなく分断された。

特に第3防衛線では、GM小隊が海洋施設外壁を背に抵抗したが、ザクの制圧射撃とマゼラ・アタック部隊の直射支援により崩壊。1機は建物外壁に叩きつけられる形で大破し、残存機も火器管制を失って戦闘不能となった。

午前7時40分、ジオン軍は都市中心部への進入を完了。港湾区、燃料施設、通信施設はほぼ無傷で接収され、同日正午には市内主要施設にジオン公国旗が掲げられた。
この戦闘は、ジオン軍がモビルスーツの機動力を用いて沿岸都市を短時間で制圧した典型例とされる。海からの奇襲、山側からの遮断、道路・鉄道の同時掌握。極東海洋都市占領戦は、連邦軍に「海岸線そのものが前線となる」現実を突きつけた戦いだった。


