MS-06HザクⅡ陸戦ホバー試験運用機

ジオン系

MS-06Hは、MS-06J陸戦型ザクⅡをベースに、地上での高速機動性向上を目的として開発された試験運用機である。

通常の歩行移動ではなく、脚部に大型ホバーユニットを組み込むことで、砂地・乾燥草原・硬質地盤上を滑走するように移動することを想定していた。下半身はドム系機体の運用思想を先取りした構造となっており、脚部装甲は大型化。接地圧を分散しつつ、姿勢制御用の補助スラスターも追加されている。

一方で、機体上半身はザクⅡの基本構造を維持しており、生産済み部品の流用と整備性を重視した暫定的な仕様であった。武装は長銃身ライフルを中心に、偵察・先行制圧・敵陣地への高速接近を想定。ホバー走行によって通常の陸戦ザクでは困難だった側面回り込みや短距離離脱を可能とした。

しかし、重心制御の難しさ、燃料消費の大きさ、脚部ユニットの整備負荷が問題となり、正式量産には至らなかった。それでも本機で得られたデータは、後のホバー機動型MS開発に大きく影響を与えたとされる。試験機ながら、ザクⅡが歩行兵器から高速陸戦兵器へ進化する過渡期を示す、重要な実証機である。

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