ジオン公国軍は地球連邦軍の欧州防衛網を一挙に攪乱するため、突撃宇宙軍による大規模な軌道降下作戦を発動した。

作戦目標は、ロンドン、パリ、ローマをはじめとするEU主要都市への同時降下である。

地球軌道上に展開したザンジバル級巡洋艦群から、リック・ドムIIを主体とする降下部隊が次々と射出され、大気圏突入用の簡易耐熱装備と制動バーニアを用いて各都市上空へ侵入した。

この作戦で投入されたリック・ドムIIは、宇宙戦用の高機動性能を大気圏内で一時的に発揮できるよう改修された強襲降下仕様であり、降下直後の短時間戦闘に特化していた。重装甲と大推力を活かし、都市上空から連邦軍拠点、通信施設、防空陣地を一気に制圧することが狙いであった。

ロンドン上空では、テムズ川沿いの防衛線に対して複数のリック・ドムIIが降下。

ビッグ・ベン周辺の連邦軍防空陣地とEU軍機甲部隊が迎撃にあたり、市街地上空で激しい空中戦・対空戦闘が展開された。

パリではエッフェル塔周辺に降下部隊が出現し、セーヌ川沿いの都市防衛線が一時的に寸断された。

応戦する連邦軍のモビルスーツ。

ローマ方面でも、旧市街を避けながら連邦軍司令施設への強襲が試みられた。

さらにこの降下作戦に呼応する形で、ロシア陸軍のモビルスーツ部隊がポーランド方面へ侵攻を開始した。ジオン軍の欧州主要都市降下と、ロシア陸軍MS隊による東欧方面からの圧力により、連邦軍およびEU軍は一時、欧州戦線全体の分断危機に直面する。

しかし、連邦軍とEU軍は各都市の防空網、地上MS部隊、残存航空戦力を総動員して防衛戦を展開した。都市部での重MS運用に不慣れなジオン降下部隊は、初動こそ成功したものの、補給線を持たない孤立戦闘を強いられた。リック・ドムIIの高出力推進装置も大気圏内では稼働時間に限界があり、降下後の継戦能力は次第に低下していった。

ポーランド方面でも、ロシア陸軍MS部隊は初期侵攻に成功したものの、EU軍機甲部隊と連邦軍MS部隊の反撃により進撃を阻止された。結果として、ジオン公国軍とロシア陸軍の連動作戦は欧州全域を揺るがす大攻勢となったが、決定的な突破には至らなかった。

EU主要都市降下作戦は、ジオン公国突撃宇宙軍による大胆な奇襲作戦であったが、連邦軍+EU軍は甚大な被害を受けながらも、ロンドン、パリ、ローマ、そして東欧防衛線をなんとか守り切った。

この戦闘以降、欧州戦線では防空用デストロイド部隊の導入が急速に進められ、リック・ドムIIをはじめとするジオン重MSの大気圏内強襲運用は、連邦軍にとって最大級の脅威として記録されることになった。


