MS-05Kは、旧式化したザクⅠを地球連邦軍の陸戦型量産機に偽装する目的で改修された特殊運用機である。外装はジム系を想起させるライトグレーと赤系アクセントで塗装され、遠距離や混戦状態では連邦軍機と誤認させることを狙っていた。頭部・胸部・肩部の一部には連邦風の識別マーキングやダミーの部隊番号が施され、機体本来のジオン系シルエットを少しでも隠すため、装甲の一部には追加カバーも取り付けられた。
本機は正面から堂々と戦うための機体ではなく、敵味方が入り乱れる市街地戦、補給基地襲撃、撤退戦における攪乱を主任務としていた。連邦軍の陸戦ジム部隊に紛れ込む、破棄された機体を装う、あるいは鹵獲機を装って接近するなど、通常のMS戦とは異なる心理戦的な運用が特徴である。
武装はザク・マシンガン、ヒートホーク、短銃身バズーカなど既存装備を流用しており、機体性能そのものはザクⅠの域を出ない。しかし、軽量な旧式機体であることを逆手に取り、短時間の待ち伏せや奇襲離脱では一定の成果を上げたとされる。

ジムカラーをまとったザクⅠという異様な外観は、戦場における識別の混乱を象徴している。連邦風の白い装甲の下に残るジオンの旧式フレームは、一年戦争末期の苦しい戦況と、現地部隊の執念深い生存戦術を物語っていた。


