U.C.0079初頭、地球降下作戦の一環として、ジオン公国軍は太平洋方面における地球連邦軍の海上戦力中枢を無力化するため、ハワイ・オアフ島真珠湾軍港への強襲降下作戦を実施した。作戦目的は、連邦太平洋艦隊の行動制限、航空基地の一時無力化、補給・修理ドックの破壊、そして太平洋上のジオン降下部隊に対する反撃能力の低下であった。

作戦は夜明け前、ミノフスキー粒子散布下で開始された。大気圏突入カプセルから降下したMS-06FおよびMS-06J部隊は、海上と山岳部の二方向からオアフ島へ接近。先行する水陸両用MS部隊が港湾防衛レーダーと対艦ミサイル陣地を沈黙させ、その直後、ザクⅡ降下部隊がヒッカム、フォード島、真珠湾ドック周辺へ展開した。

連邦軍は航空機と艦艇による迎撃を試みたが、ミノフスキー粒子により管制網は混乱し、通常兵器による対MS戦闘は困難を極めた。ザクⅡは艦艇を完全撃沈するよりも、艦橋、レーダー、VLS、推進区画、燃料施設、ドッククレーンを重点的に破壊。港を「沈める」のではなく、「使えなくする」ことを狙った精密破壊戦を展開した。

一方で、連邦軍も即応部隊を投入。試験配備中の陸戦型ジム、61式戦車、対MSヘリ部隊が軍港内で防衛線を形成し、格納庫や補給施設を盾に市街地への被害拡大を阻止した。特にフォード島北側では、降下直後のザク小隊と連邦陸戦部隊が至近距離で交戦し、真珠湾は巨大兵器同士が港湾施設の中で撃ち合う異様な戦場となった。

降下してきたザク・グフ部隊が港湾施設を制圧するのと同時に、湾内ではズゴック部隊が海中から浮上。対潜網と桟橋下を突破し、艦艇の喫水線、燃料施設、ドックゲートを次々に破壊した。空と海からの同時強襲により、連邦軍は迎撃方向を絞れず、真珠湾防衛線は短時間で分断された。

作戦はジオン側の戦術的成功に終わった。太平洋艦隊は多数の艦艇と整備施設に損害を受け、数週間にわたり大規模出撃能力を喪失。しかし連邦軍は主要司令部と一部ドック機能を守り切り、完全占領は阻止した。ジオン軍にとっても、補給線の長さと降下部隊の消耗は大きく、真珠湾は「勝ったが保持できない戦場」となった。

この戦い以降、太平洋方面ではジオンの降下部隊、連邦軍港防衛部隊、海上輸送部隊が複雑に入り乱れる消耗戦へ移行する。真珠湾強襲降下作戦は、モビルスーツが近代軍港を一夜で機能停止に追い込んだ最初期の事例として、後に連邦軍の港湾防衛MS配備計画を大きく加速させる契機となった。


