MS-06Vザクタンクを前線部隊が独自改修した現地武装追加仕様。損傷したザクⅡの上半身と戦闘車両用の履帯ユニットを組み合わせた通常型ザクタンクをベースに、補給線が不安定な地上戦線での火力支援・拠点制圧・簡易対MS戦闘を想定して追加武装が施されている。

本機は本来、作業・牽引・補給任務を主目的とした機体であったが、前線では慢性的なモビルスーツ不足により、戦闘任務へ投入される例が増加した。そのため現地整備班は、肩部・腕部・車体側面に機関砲、ロケットポッド、対地ミサイルラックなどを増設。さらに車体前面には増加装甲を追加し、陣地突破時の生存性を高めている。

機動力は通常のザクⅡに大きく劣るものの、履帯による安定性と低重心構造により、砲撃時の反動制御は良好だった。特に市街地や基地周辺、砂漠・荒野のような開けた戦場では、固定砲台に近い運用で高い制圧力を発揮した。
一方で、追加武装による重量増加と整備性の悪化は深刻であり、各機体ごとに仕様差も大きかった。そのため正式な量産仕様ではなく、各地の整備隊が残存パーツをかき集めて作り上げた“前線の急造火力支援機”として扱われている。

現地兵からは鈍重ながら頼れる火力として評価され、「動く弾薬庫」「地べたのザク」と呼ばれた。華やかな戦果を残した機体ではないが、ジオン地上軍の消耗戦を支えた実戦的な改修機である。


