かつては体力測定の項目だった背筋力ですが、1999年(平成11年)から導入された新体力テストからは廃止されています(怪我のリスク防止のため)。このため、自分の背筋力を知るためには背筋力のある施設で個別に測定する必要があります。
このような事情から、現在国内全体の背筋力平均値というものは存在しませんが、平成10年以前の数値(年齢別・男女別)をご紹介しますので、一つの指標にしてください。また、あわせて気になる背筋力の世界記録や背筋の鍛え方についても解説します。
背筋力の男女別平均値
平成10年以前における背筋力の男女別・年齢別の平均値は以下のようになっています。
男性の背筋力・年齢別平均値
10~13歳:80kg
14~18歳:140kg
19~26歳:160kg
27~37歳:155kg
38~45歳:145kg
46~50歳:140kg
※中学生・高校生あわせての平均値は130kg
女性の背筋力・年齢別平均値
10~13歳:60kg
14~18歳:85kg
19~26歳:95kg
27~37歳:85kg
38~45歳:80kg
46~50歳:70kg
※中学生・高校生あわせての平均値は75kg
成人の背筋力・年齢別上位5%
また、男女成人の年齢別の上位5%群の背筋力はおおよそ以下の通りです。
30歳未満:男性200kg以上・女性120kg以上
30~49歳:男性180kg以上・女性105kg以上
50歳以上:男性160kg以上・女性95kg以上
公的機関に記載された背筋力平均値
引用資料
JAPAN SPORT COUNCIL(日本スポーツ振興センター)|背筋力(体幹筋力)
背筋力の世界記録は?
残念ながら、背筋力の世界記録というものは公式のものがありませんが、世界トップレベルの瞬発系アスリートである室伏広治選手の全盛期の背筋力が焼く390kg、レスリングオリンピック選手のアレクサンドル・カレリン選手の背筋力は400kg超であったと記録されています。
ちなみに、オランウータンの背筋力が300kg、ゴリラの背筋力が400kgだそうです。
とにかく、背筋力を鍛えて、ぜひ上位5%になりたいものですね。また、背筋力が平均より少ないという方は、この機会に背筋を鍛えることをおすすめします。
背筋力は言い換えれば「姿勢を維持する力」でもあるので、強いにこしたことはありません。
次の項目では、背筋力に関わる筋肉のご紹介をするとともに、各トレーニング方法別に、自宅で簡単にできる軽い筋トレからジムでしっかり鍛える方法まで、背筋力の鍛え方をご紹介します。
関連記事
背筋力に関わる筋肉
背筋力に関わる筋肉は主に以下の三つの筋肉・筋肉群です。
僧帽筋
首の後ろに位置する筋肉で、肩甲骨を引き寄せる作用があります。
広背筋
背中前面に広がる筋肉で、腕を引き寄せる作用があります。
長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)
脊柱沿いの深層筋の総称で、体幹を伸展させる作用があります。
広背筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle
部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜
僧帽筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle
部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰
長背筋群・脊柱起立筋の英語名称・構造・部位詳細
読みかた:せきちゅうきりつきん
英語名称:erector spinae muscle
部位詳細:腸肋筋|最長筋|棘筋
長背筋群=脊柱起立筋+多裂筋+回旋筋など
背筋群全体の鍛え方
まずは、背筋群(僧帽筋・広背筋・長背筋)全てに効果的な総合種目を各トレーニング方法からご紹介します。そして、背筋トレーニングのマストアイテムであるパワーベルトとパワーグリップについてもご紹介しておきます。
背筋力トレーニングに必要なギア類
高重量背筋トレニングにはパワーベルトが必須
握力を維持したまま完全に背中を追い込むにはパワーグリップ
自重トレーニング
斜め懸垂(背筋全体)
◆斜め懸垂のやり方と動作ポイント
①肩幅よりも広い手幅でバーをグリップし、背すじを伸ばして構える
②肩甲骨を寄せながら、腰を曲げたりお腹を突き出したりせずに体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
チューブトレーニング
チューブローイング(背筋全体)
チューブローイングは広背筋中央部および僧帽筋に効果のあるチューブトレーニングです。フィニッシュで、しっかりと肩甲骨を寄せるのがポイントです。
また、つい顎を引きがちですが、背筋群を最大収縮させるためには、やや顎を上げる必要があります。
◆チューブローイングのやり方と動作ポイント
①前から張力がかかるようにチューブをセットし、手を肩幅より狭くして構える
②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると、背筋群が完全収縮しにくいので、視線を上に向けて背すじを伸ばすようにするのがポイントです。
ダンベル筋トレ
ダンベルデッドリフト(背筋全体)
◆ダンベルデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を閉じて膝を曲げて立ち、足の外側でダンベルを持って構える
②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、ダンベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりダンベルを引き上げていく
③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びダンベルを引き上げていく
◆ワンポイントアドバイス
腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。
ダンベルベントオーバーロー
また、初心者の方は姿勢を作り維持するのが難しいので、図のように何かで頭を支えて行うのをおすすめします。
◆ダンベルベントオーバーローのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルを持って構える
②肩甲骨を寄せながらダンベルを引き上げる
③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると背筋群が完全収縮しないので、視線を前に向け背すじを伸ばして行ってください。
バーベル筋トレ
バーベルデッドリフト
デッドリフトには、手を開いた足の内側でグリップするスモウデッドリフトと、手を閉じた足の外側でグリップするヨーロピアンデッドリフトがありますが、背筋群のトレーニングとしては、より背筋群の動員率が高いヨーロピアンスタイルをおすすめします。
◆バーベルデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える
②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、バーベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりバーベルを引き上げていく
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく
◆ワンポイントアドバイス
腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。
マシントレーニング
スミスマシンデッドリフト
スミスマシンデッドリフトも背筋群全体に効果の高いトレーニングです。基本的な動作ポイントは他のデッドリフト系種目と同様です。
ただし、完全に軌道が固定されており、ズレやブレがある場合、歪みは全て身体に帰ってきますので、腰を痛めないためにも事前にシャフトだけで軌道を確認することをおすすめします。
◆スミスマシンデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える
②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、ウエイトが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりシャフトを引き上げていく
③シャフトを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく
◆ワンポイントアドバイス
スミスマシンは軌道が垂直に固定されているので腰がシャフト重心から離れやすく、腰を痛める原因になりますので、バーベルデッドリフトよりもさらに足を前に置き、シャフトから身体が離れないようにすることが重要です。
ケーブルローイング
ケーブルローイングは背筋群全体に効果的なケーブル種目です。胸を張りしっかりと肩甲骨を寄せて背筋群を完全収縮させてください。
また、つい顎を引きがちですが、やや上を見て顎を上げることで背筋群を完全収縮させるのがポイントです。
◆ケーブルローイングのやり方と動作ポイント
①シートに座り、胸を張り背すじを伸ばし、ケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると、背筋群が完全収縮しにくいので、視線を上に向けて背すじを伸ばすようにするのがポイントです。
僧帽筋の鍛え方
ここからは、具体的な僧帽筋のトレーニング方法をご紹介していきます。
自重トレーニング
パラレルグリップ懸垂
①手の平が向き合うようにバーをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、腕を曲げて身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
チューブトレーニング
チューブショルダーシュラッグ
トレーニングチューブを使って行うショルダーシュラッグは僧帽筋に集中的な効果があります。
肩甲骨をしっかりと寄せきり、僧帽筋を完全収縮させてください。
◆チューブショルダーシュラッグのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし、肘を伸ばし腕を下ろした位置で構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せる
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
リバースチューブフライ
①前から張力がかかるようにチューブをセットし、肘を伸ばして拳を胸の前で構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せながら腕を開いていく
③腕を開いたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨をしっかりと寄せないと、背筋群ではなく三角筋後部に負荷がかかってしまうので注してください。
ダンベル筋トレ
ダンベルショルダーシュラッグ
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でダンベルを持って構える②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せてダンベルを引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
バーベル筋トレ
バーベルショルダーシュラッグ
◆バーベルショルダーシュラッグのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せてバーベルを引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
マシントレーニング
ナローグリップラットプルダウン
ナローグリップで縦持ち(パラレルグリップ)をして行うラットプルダウンは僧帽筋に高い効果があります。やや上を見ながら引くのがポイントです。
◆ラットマシンプルダウンのやり方と動作ポイント
①シートに座り、腕を伸ばしてケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると、背筋群が完全収縮しにくいので、視線を上に向けて背すじを伸ばすようにするのがポイントです。
ケーブルショルダーシュラッグ
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せて拳を引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
広背筋の鍛え方
ここからは、広背筋のトレーニング方法を解説していきます。
自重トレーニング
懸垂
①肩幅よりも広い手幅でバーをグリップして構える②肩甲骨を寄せながら、腕を曲げて身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
チューブトレーニング
チューブラットプルダウン
①上から張力がかかるようにチューブをセットし、手を肩幅より少し広くして構える②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると、背筋群が完全収縮しにくいので、視線を上に向けて背すじを伸ばすようにするのがポイントです。
ダンベル筋トレ
ダンベルローイング
◆ダンベルローイングのやり方と動作ポイント
①ベンチに片手をつき、前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルを持って構える
②肩甲骨を寄せながらダンベルを引き上げる
③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると背筋群が完全収縮しないので、視線を前に向け背すじを伸ばして行ってください。
ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは意識の仕方で大胸筋にも広背筋にも効果のあるダンベル筋トレです。肘を伸ばすとともに肘を内側に閉じ気味で動作を行うと広背筋に負荷が集まります。
◆ストレートアームダンベルプルオーバーのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を開きながらダンベルを頭の後ろに下ろす
③肩甲骨を寄せながら、肘を伸ばしたままでダンベルを元の位置まで上げていく
④ダンベルを上げたら、肘を外に張り出し肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
動作の最後に肩甲骨を寄せて背筋群を収縮させることが大切で、そのためには肘を外に張り出すようなテンションをかけます。
バーベル筋トレ
ベントオーバーロー
バーベルを使って広背筋を鍛えるのなら、バーベルベントオーバーロー(ニーベントロー)が最適です。膝がつま先より前に出ないことを意識し、お尻を突き出し胸を張ったフォームで行ってください。
また、バーは太ももの上をこするような軌道で引き上げるのがポイントです。
◆バーベルベントオーバーローのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、太ももにシャフトを沿わせるようにしてバーベルを引き上げる
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
腰に不安のある場合は、インクラインベンチを使ってうつ伏せに構えると腰への負担が大幅に軽減されます。
ストレートアームバーベルプルオーバー
バーベルプルオーバーはフォームによって背筋群と大胸筋の拮抗する筋肉どちらにも効果のある種目です。背筋群に効かせる場合は画像のように肘を伸ばしたフォームで行い、大胸筋に効かせる場合は肘を曲げて行います。
◆バーベルプルオーバーのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を伸ばして胸の上でバーベルを構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を開きながらバーベルを頭の後ろに下ろす
③肩甲骨を寄せながら、肘を伸ばしたままでバーベルを元の位置まで上げていく
④バーベルを上げたら、肘を外に張り出し肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
動作の最後に肩甲骨を寄せて背筋群を収縮させることが大切で、そのためには肘を外に張り出すようなテンションをかけます
マシントレーニング
ラットプルダウン
広背筋を鍛える王道とも言えるケーブルマシントレーニングがラットプルダウンです。動作のポイントは懸垂と同じで、肩甲骨を寄せ、バーを胸に引くようにしてください。
苦しくなると、顎を引きがちですが、顎を上げなければ背筋群は完全収縮しませんので、やや上を見て動作することが大切です。
◆ラットマシンプルダウンのやり方と動作ポイント
①シートに座り、腕を伸ばしてケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら腕を引き寄せていく
③腕を引き寄せたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると、背筋群が完全収縮しにくいので、視線を上に向けて背すじを伸ばすようにするのがポイントです。
長背筋群の鍛え方
最後に長背筋群のトレーニング方法をご紹介します。
自重トレーニング
バックエクステンション
長背筋を鍛えるのに最適な自重トレーニングがバックエクステンションです。反動を使うと腰を痛める危険性がありますので、注意してください。
◆バックエクステンションのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、頭の後ろで手を組んで構える
②上半身を起こしていく
③上半身を起こしたら、顎を上げて脊柱起立筋をしっかりと収縮させる
④効かせながら元に戻る
⑤反動を使わずに、再び上半身を上げていく
◆ワンポイントアドバイス
反動を使わずに、いかに丁寧にゆっくりと効かせるかが重要で、速い動作で繰り返すと腰を痛めるリスクがありますので注意してください。
ブリッジプッシュアップ
バックブリッジプッシュアップは、通常の腕立て伏せとは正反対でブリッジを作って行う自重トレーニング方法です。脊柱起立筋を中心とした長背筋群全体に高い効果があります。
バランスボール筋トレ
バランスボールバックエクステンション
バランスボールを使って行うバックエクステンションがこちらの動画のようなものです。背筋力に自身のない女性や高齢者でも、ボールの反発力を利用して簡単に行うことができます。
チューブトレーニング
チューブグッドモーニング
チューブグッドモーニングは脊柱沿いのインナーマッスル・脊柱起立筋を鍛えられる種目です。おじぎをするような動作であることから「グッドモーニング」の名前がありますが、実際は頭は下げず前を向いたまま行ってください。
また、腰を痛めるリスクを避けるため、腰を曲げるのは90度以内にとどめます。
◆チューブグッドモーニングのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし構える
②上半身を倒していく
③上半身を床と平行になるまで倒したら、ゆっくりと効かせながら上半身を起こす
④再び上半身を倒していく
◆ワンポイントアドバイス
上半身を倒しすぎると腰を痛めるリスクがありますので、床と並行にとどめるようにしてください。
ダンベル筋トレ
ダンベルグッドモーニング
長背筋の強化におすすめのダンベルトレーニングがダンベルグッドモーニングです。
反動を使うと腰を痛めるリスクがありますので、ゆっくりとコントロールした動作で行ってください。
◆ダンベルグッドモーニングのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、ダンベルを保持して構える
②背中を丸めないように気をつけ、ダンベルを置くような動作で、上半身を倒していく
③上半身を倒したら、ゆっくりと効かせながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸くなると腰を痛めるリスクがありますので、前を見て背すじを伸ばした状態を保ってください。
バーベル筋トレ
バーベルグッドモーニング
①バーベルを肩に担ぎ、背すじを伸ばして構える
②背中を丸めないように気をつけ、上半身を倒していく
③上半身を倒したら、ゆっくりと効かせながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸くなると腰を痛めるリスクがありますので、前を見て背すじを伸ばした状態を保ってください。また、転倒のおそれがありますので、上半身は90度以上倒さないようにします。
マシントレーニング
スミスマシングッドモーニング
◆スミスマシングッドモーニングのやり方と動作ポイント
①シャフトを肩に担ぎ、背すじを伸ばして構える
②背中を丸めないように気をつけ、上半身を倒していく
③上半身を倒したら、ゆっくりと効かせながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸くなると腰を痛めるリスクがありますので、前を見て背すじを伸ばした状態を保ってください。また、転倒のおそれがありますので、上半身は90度以上倒さないようにします。
ハイパーバックエクステンション
バックエクステンション用のマシンもあるので、ジムトレーニングでは活用するとよいでしょう。この種目も、反動を使うと腰を痛めるリスクがありますので、ゆっくりとコントロールした動作で行ってください。
背筋のストレッチ方法
トレーニング前・中・後で行うと効果的
こちらが、僧帽筋の理想的なストレッチ方法の動画です。僧帽筋をしっかりと伸展させる方向にストレッチを行っていきます。
また、こちらが典型的な広背筋のストレッチ方法です。広背筋の作用である、腕を上から引き寄せる方法と逆の方向にストレッチを行います。
ストレッチはゆっくりと静かに筋肉を伸ばすのが大切で、また、トレーニング前(アップ)・トレーニング中(血行促進)・トレーニング後(クールダウン)の三回行うことをおすすめします。
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事