当ジムの備品候補として、アクティブウィナー(ActiveWinner)社のプッシュアップバーを入手・試用し、滑り止めや角度などがとても良い器具だったのでジムの備品として採用しました。そのおすすめの理由と使い方をご紹介します。
アクティブウィナー(ActiveWinner)プッシュアップバーの梱包
外装のままでなくダンボール入りで丁寧に送られてくる
アクティブウィナー(ActiveWinner)プッシュアップバーが当ジムに宅急便で到着した第一印象は、外装に宛名が貼られているのではなく、しっかりとダンボールに梱包されて送られてきたので、とても丁寧な印象を受けました(早く使いたかったのでダンボール入りの写真は取り忘れました)。
これだと、一般家庭などでは使わないときに、箱にしまっておいても外見が美しいので嬉しいですね、さすが、女性に人気の高いスポーツブランドならではの細やかな心遣いといったところでしょうか。
蓋を開けると、このような状態でパーツごとに分解されて収納されていました。こちらにも、しっかりと組み立て方の説明書がついているので、機械や器具が苦手な方でも簡単に組み立てて、すぐに使うことができます。
アクティブウィナー(ActiveWinner)プッシュアップバーの外観
角度がついておりグリップと設置部に滑り止めパッド装着
さっそく組み立ててみましたが、最大の特徴はグリップ部分が床と平行ではなく軽く傾斜していることです。実は、これこそが今回アクティブウィナー(ActiveWinner)プッシュアップバーを入手してみようと考えた動機になります。つまり、この角度を利用して、大胸筋上部・下部・内側を部位別に鍛えられるのではないだろうかと推測したのです。
また、グリップ部分と設置部分には分厚いスポンジが装着されており、非常に滑りにくい構造になっています。これは、腕立て伏せ動作に対してだけでなく、一般家庭のフローリングの床を傷つけない意味でも非常に大切です。
これまで、たくさんのプッシュアップバーを見てきましたが、これだけ頑丈にスポンジが巻かれているものは初めてでした。かなり強く、ユーザーの使い勝手や使用環境に配慮し、ユーザーエクスペリエンスにたった製品開発を行っているのでしょう。
こちらが、アクティブウィナー(ActiveWinner)社のプッシュアップバー公式動画です。ジムトレーナーとしてさまざまなトレーニング器具を見てきた筆者が、直感的に感じたことが、まさにデザインコンセプトのようですね(使用後にはじめて動画を見て驚きました)。
このプッシュアップバーは、角度がついていることもあり非常に多様な使い方・鍛え方ができますので、次の項目からは具体的な効果と使用方法をご紹介していきます。
腕立て伏せ(プッシュアップ)が効果のある筋肉部位
大胸筋はもちろん腹筋や背筋も鍛えられる
腕立て伏せは、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋と言った「上半身の押す筋肉グループ」を主体に効果の高いトレーニング方法ですが、それ以外にも背筋群や腹筋群にも効果があります。それらの筋肉の構造と作用を簡単に解説します。鍛える前に、まず鍛える対象を理解することがトレーニング効果を出すためには何よりも大切です。
なお、鍛えるときの負荷・回数設定によりターゲットとなる筋繊維が異なりますが、それは以下のようになります。
①10~15回の反復で限界がくる負荷で鍛えると、速筋繊維が鍛えられ筋肥大を起します(男性および女性バストアップ向き)。
②20回以上の反復で限界がくる負荷で鍛えると、遅筋繊維が鍛えられ引き締め効果があります(肩こり解消・二の腕引き締め向き)。
※本記事では便宜上、前者の鍛え方を①、後者の鍛え方を②と表記します。
大胸筋
大胸筋は、体幹上部前面に位置する筋肉で、主に「上部」「下部」「内側」「外側」に分けられます。その作用と特徴は、それぞれ以下の通りです。
大胸筋上部
腕を斜め上方に押し出す作用があり、三角筋前部と強い共働関係を持ち、鍛えることで胸全体を上方に引き上げ、①男性ならば見栄えのよい胸周りになり、②女性ならばバストアップに効果があります。
大胸筋下部
腕を斜め下方に押し出す作用があり、上腕三頭筋長頭と強い共働関係を持ち、鍛えることで胸全体のボリュームがアップします。このため、①男性の身体作りだけでなく女性のバストアップにも重要な部位です。
大胸筋内側
腕を前方で閉じる作用があり、前鋸筋と強い共働関係を持ち、鍛えることで大胸筋全体が内側に寄り、①男性では谷間のくっきりとしたメリハリのある胸まわりになり、②女性にはバストを寄せる効果があります。
大胸筋外側
腕を開いた上体で閉じる作用があり、小胸筋と強い共働関係を持ち、鍛えることで小胸筋との連動性が高まります。①男性の場合は大胸筋の筋力増大に、②女性にはバストアップに効果があります。
三角筋
三角筋は前部・側部・後部の三部位に分けられ、それぞれ主に「腕を前に上げる」「腕を横に上げる」「腕を後ろに上げる」作用があります。鍛えることで、①男性では男らしい広い肩幅が得られ、②女性では肩こりの解消につながります。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は短頭と長頭(内側頭・外側頭)に分けられ、それぞれ「肘関節伸展」「肘関節伸展および上腕内転」作用があります。鍛えることで、①男性は太い腕になり、②女性は二の腕引き締め効果が得られます。
腹筋群
腕立て伏せはその動作の間、体幹を真っ直ぐに維持する必要があることから、体幹維持作用がある腹筋群にも効果があります。なお、腹筋群は表面から順に腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の四層構造をしており、それぞれ主に「体幹屈曲」「体幹回旋」「体幹回旋補助」「姿勢維持」の作用があります。
腹筋群を鍛えるためにも、腕立て伏せはお腹に力を入れ、体幹を真っ直ぐ維持したまま動作するようにするのが正しいやり方です。
背筋群
背筋群は、腕立て伏せの主働筋群である大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の拮抗筋(反対の作用を持つ筋肉)であることから、腕立て伏せ動作においてエキセントリック収縮を起こし、同時に鍛えられる部位です。
なお、背筋群は、広背筋・僧帽筋・長背筋群(脊柱起立筋・多裂筋・回旋筋など)から構成され、腕と肩甲骨を引き寄せるとともに、腹筋群と拮抗して体幹を伸展・維持する作用があります。
プッシュアップバーの使い方
大胸筋・腹筋群・背筋群全体に効果の高いノーマルプッシュアップ
大胸筋・腹筋群・背筋群全体に効果の高い腕立て伏せのやり方が、こちらの画像のようなノーマルプッシュアップです。手は肩幅よりやや広く置き、背すじを真っ直ぐに伸ばしたまま動作を行ってください。また、腕を押し出すときに息を吐き、身体を下ろしてから息を吸うのが腕立て伏せの正しい呼吸方法です。
なお、回数がこなせない女性の方などは、この動画のような「膝つき腕立て伏せ」を行うことで、簡単にプッシュアップ動作ができます。
大胸筋上部に効果の高いプッシュアップバーの使い方
大胸筋上部を鍛えるためには、このようにプッシュアップバーをやや狭めに置き「逆八の字」に配置します(手前が低く奥が高くなるように置いてください)。通常の腕立て伏せよりもややヘソよりに手を置き、肘を外側に開くようにして腕立て伏せ動作をすることで、大胸筋上部を集中的に鍛えることが可能です。
大胸筋下部に効果の高いプッシュアップバーの使い方
大胸筋下部を鍛えるためには、先ほどとは逆に、プッシュアップバーを置く幅を広くとり「八の字」に配置します。グリップの傾きも、先ほどとは逆に、手前が高く奥が低くなるようにすると効果的です。
大胸筋内側に効果の高いプッシュアップバーの使い方
大胸筋内側を集中的に鍛えるためには、プッシュアップバーを写真のように肩幅程度の広さに配置します。ポイントは、肘を体幹に沿わせるように開かずに動作することで、これにより大胸筋内側に負荷が集中します。
大胸筋外側に効果の高いプッシュアップバーの使い方
大胸筋外側に効果の高い腕立て伏せのバリエーションが、この動画のようなワイドグリッププッシュアップです。なお、動画はプッシュアップバーを使用しないものですが、もちろんプッシュアップバーを使用したほうが高い効果が得られます。
三角筋に効果の高いプッシュアップバーの使い方
三角筋に効果の高い腕立て伏せが、この写真のような腰を大きく曲げたままで動作を行うパイクプッシュアップです。矢印の方向に身体を押し上げるイメージで行ってください。
上腕三頭筋に効果の高いプッシュアップバーの使い方
上腕三頭筋を鍛えるプッシュアップバーの使い方としておすすめなのが、こちらの図のようなベンチディップスタイルでの腕立て伏せです。肘をしっかりと引き寄せて動作を行うのがポイントです。
腕立て伏せ+バランスボール
体幹も同時に鍛えられるトレーニング方法
腕立て伏せにバランスボールを組み合わせると、その不安定な動作を抑えながら動作を行うことで体幹インナーマッスルを同時に鍛えることが可能です。体幹インナーマッスルの筋密度が向上し強くなると、運動能力が向上したり、基礎代謝の高いダイエット体質になるなど数多くのメリットがあります。
こちらの動画のようなトレーニングが、代表的なバランスボール腕立て伏せのやり方になります。腕を押し出す軌道が身体に対し斜め上方になるので、大胸筋上部に効果が高く、女性のバストアップにも最適です。ちなみに、動画ではプッシュアップバーを使っていませんが、もちろん使用したほうが効果は高まります。
また、筋力に自信のない方は、この動画のようにバランスボールの上にお腹を乗せることで、バランスボールの反発力が筋力の補助に働きますので動作が簡単になります。