ジムに通いダイエットトレーニングを行う女性が急増中ですが、その多くは取り組みやすいマシントレーニングを行っています。しかし、あらゆる筋トレのベースとなるのは、バーベルに代表されるフリーウエイトトレーニングで、それに勝るものはないというのが実際のところです。
本記事では、一歩踏み込んだジムトレーニングにチャレンジする「筋トレ女子」の方のために、バーベル筋トレを中心に補助的なダンベル筋トレを組み合わせるフリーウエイトでの本格的なダイエット筋トレメニュープログラムを例示します。
また、当サイトではミスボディフィットネス国内トップ選手のMIKIKO様・ボディービルトップ選手のYoko Joe M様にも客員執筆をしていただいておりますので、本記事にもマシンの使い方など要所の解説には、両執筆者の記事より引用を行っています。
【客員執筆者:MIKIKO様】
戦績:H26オールジャパンミスボディフィットネス 163cm以下級 第3位など
【客員執筆者:Yoko Joe M様】
戦績:2014年日本クラス別女子46kg以下級三位など
※筋トレと食事に関するネット情報はさまざまですが、当サイトでは下記の公的機関の情報に基づいて記載しています。
▼筋トレと食事についての情報
バーベル筋トレのメリット
軌道が自在で体幹も強くなる
バーベル筋トレやダンベル筋トレなどのフリーウェイトトレーニングは、軌道がレールなどで固定されたマシン筋トレと違い、挙上動作の軌道が自在で、一人一人の個人差に適したフォームでトレーニングできることが大きなメリットです。
また、それにともない、ウェイトのブレや軌道のズレを自分自身で止める必要があるため、体幹インナーマッスルも同時に鍛えられます。
体幹もふくめた実戦的な筋力が要求されるアスリートのほとんどが、マシントレーニングではなくフリーウェイトトレーニングを行うのも、このことが主な理由です。
バーベル筋トレダイエットの有効性
運動していない時でもカロリー消費が発生し続ける
ダイエットにおいて筋トレと比較されるのが有酸素運動ですが、結論から言えば筋トレのほうがダイエットにはより有効です。
筋トレをすると筋肉痛になり、数日間は回復にかかりますが、この筋肉を回復させる過程で多くの新陳代謝エネルギーを使います。このため、運動中しかカロリー消費が発生しない有酸素運動よりも優れています。
また、筋トレをすると筋密度が向上し、基礎代謝の高い「太りにくく痩せやすい体質」になります。リバウンドの観点からもダイエット筋トレの優秀さがわかりますね。
しかしながら、筋トレを中心にしながらそこに有酸素運動を加えていくことで、さらにダイエット効果が加速するのは確かなことで、体脂肪を極限まで落とす専門家である女性ボディービルダー(全日本クラス別三位)の方もその有効性には言及しています。
バーベルダイエット筋トレの反復回数
20回を1セットの目安に遅筋をターゲットにする
筋トレと聞くと女性がまず心配するのが「ムキムキにならないか」ということですが、心配はいりません。
ダイエット筋トレでは1セット20回以上の反復回数で、筋肥大を起こさず筋密度が向上するだけの遅筋(持久筋)をターゲットにトレーニングを行います。
10回前後の反復で限界がくる速筋(瞬発筋)を刺激しなければ、ムキムキに筋肥大することはあり得ません。
なお、バストアップやヒップアップなど部分的にボリュームアップしたい場合は、10~15回の反復回数で筋肥大される方法もあります。
バーベルダイエット筋トレの呼吸法
力を入れる時に口から吐き、戻す時に鼻から吸う
筋肉は息を吐く時に収縮し(力が入り)、息を吸う時に弛緩する(力が抜ける)特性があります。ですので、ダイエット筋トレでは力を入れながら息を吐き、元に戻りながら息を吸うのが正しい呼吸方法になります。
また、ダイエット筋トレ自体に有酸素運動の効果を加えるためには、腹式呼吸を行うと有効ですが、このためには「鼻から息を吸い口から息を吐く」ように意識するとよいでしょう。
バーベルダイエット筋トレの頻度
週三回全身を部位分けしてローテーションするのがベスト
筋肉には筋肉痛の回復期間が数日間必要ですが、全身の筋肉をグループ分けしてローテーションしていくことで、効率よく常に代謝が高い状態を維持できます。
全身の筋肉は一般的に三つのグループと体幹に分けられますので、それぞれを週に一回ずつ+腹筋トレーニング、週に三回のダイエット筋トレが効率的な頻度になります。
全身の部位のグループわけ
全身の筋肉は一般的に四つのグループに分けられ、それは以下の通りです。
上半身の押す筋肉のグループ
胸の筋肉:大胸筋|腕を前方に押し出し閉じる作用があり、上部、下部、内側に分けられます。
肩の筋肉:三角筋|腕を上、前、横、後ろに上げる作用があり、前部、側部、後部に分けられます。
腕(後ろ)の筋肉:上腕三頭筋|肘関節を伸ばす作用があり、長頭、内側頭、外側頭に分けられます。
上半身の引く筋肉のグループ
肩~首の筋肉:僧帽筋|腕を下から引き肩甲骨を寄せる作用があります。
背中の筋肉:広背筋|腕を上や前から引く作用があり、側部と中央部に分けられます。
腕(前)の筋肉:上腕二頭筋|肘を曲げる作用があり、長頭と短頭に分けられます。
体幹の筋肉のグループ
お腹の筋肉:腹筋群|体幹を曲げる作用があり、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の四層構造をしています。
腰の筋肉:長背筋群|体幹を伸ばし姿勢維持の作用があり、脊柱起立筋、多裂筋、回旋筋などで構成されます。
股関節の筋肉:腸腰筋群|脚を前上げ骨盤を維持する作用があり、大腰筋、小腰筋、腸骨筋から構成されます。
下半身の筋肉のグループ
お尻の筋肉:臀筋群|脚を後ろに上げる作用があり、大臀筋、中臀筋、小臀筋の三層構造をしています。
太もも(前)の筋肉:大腿四頭筋|膝を伸ばす作用があり、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋に分けられます。
太もも(後ろ)の筋肉:ハムストリングス|膝を曲げる作用があり、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋から構成されます。
太もも(内)の筋肉:内転筋群|脚を閉じる作用があり、長内転筋、短内転筋、大内転筋、小内転筋から構成されます。
ふくらはぎの筋肉:下腿三頭筋|爪先を伸ばす作用があります。
一週間のダイエットバーベル筋トレの組み方
この項目では、効率的な一週間の三分割プログラムに組んで例示・ご紹介します。なお、セット数は目安ですので、体力に合わせて増減させてください。また、メニューの順番は正しい筋トレの順番を考慮して、大きな筋肉から小さな筋肉の順にしていますので、番号順にこなしていくのが最適です。
週1回目のトレーニング
?バーベルショルダープレスを2~3セット
③バーベルアップライトローを2~3セット
④バーベルナロープレスを2~3セット
⑤バーベルフレンチプレスを2~3セット
⑥マシンクランチまたはケーブルクランチまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
週2回目のトレーニング
?バーベルスクワットを3~5セット
③バーベルサイドランジを3~4セット
週3回目のトレーニング
?バーベルデッドリフトを2~3セット
?バーベルベントオーバーローを2~3セット
?バーベルショルダーシュラッグを2~3セット
④バーベルグッドモーニングを2~3セット
⑤バーベルカールを2~3セット
⑥マシンクランチまたはケーブルクランチまたはトルソーマシンツイストを2~3セット
上半身の押す筋肉のバーベル筋トレ
ベンチプレス
上半身の押す筋肉グループ全体に対して効果の高い、基本バーベル種目がベンチプレスです。
肩甲骨を寄せて軽くブリッジを組み、腰を浮かせないように動作を行ってください。
なお、バーベルの真下に手首が位置し、さらにその真下に肘がくる位置関係を保ったまま挙上することで、大胸筋に効果的にウェイト負荷がかかります。
◆バーベルベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
ストリクトに効かせるためには、勢いをつけてシャフトをバウンドさせないようにすることと、腰を浮かせないようにすることが大切です。
なお、当サイトに客員執筆していただいている、ミスボディーフィットネストップ選手にMIKIKO様のベンチプレストレーニングのコツは以下の通りです。
「まずアーチを作ってみましょう。体全体で重りを受け止め、挙げるためです。アーチを作る手順は人それぞれですが、私の場合はベンチに横たわる→手を頭の方にまわしベンチ台の角を掴む→足裏はベンチ台の上に置く→お尻とお腹を天井に向け思いっきり突き上げる→背中のアーチが潰れないようにそーっとお尻だけベンチにつける→足裏を床につける→バーベルを握り肩甲骨を寄せて横のアーチをつくる→完了です。
縦と横、背中に十字架のアーチをイメージしています。
次に大きく息を吸って胸を膨らませ、胸を張ったまま、ラックから外してバストトップの真上辺りで一時停止、そこから真っ直ぐ下にシャフトを下ろしてきましょう。慣れないうちは下ろす軌道が安定せず頭側や、お腹側にフラつくことがありますが、繰り返すうちに安定してきます。
挙げる時に、アーチが潰れて腕だけ伸ばさないようにしましょう。肩甲骨を寄せて押し下げ、胸を張ったままプレス動作をすることが大切です。プレス時に肩の後ろがベンチから離れると、肩の痛みの原因になってしまいます。(画像参照)」
インクラインベンチプレス
インクラインベンチを使って行う、バストアップにも重用な大胸筋上部を集中的にトレーニングできる種目がインクラインベンチプレスです。
腰を浮かせると、大胸筋上部へ負荷がかかる軌道からそれますので、最後までしっかりとベンチに腰をつけて動作を行ってください。
◆インクラインベンチプレスのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、80cm前後の手幅でシャフトをグリップし、足を踏ん張りブリッジを作って構える
②バーベルをラックアウトし、胸の真上まで水平移動させる
③肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
④肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
⑤しっかりと肘を伸ばし、顎を少し引いて大胸筋上部と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせると、せっかくの大胸筋上部に効果のある軌道が失われますので、最後までしっかりとベンチに腰をつけて行なってください。
バーベルプルオーバー
大胸筋に縦方向の刺激をあたえるだけでなく、バストアップの土台となる胸郭を広げる効果もあるのがバーベルプルオーバーです。
肘を伸ばして動作を行うと、負荷が背筋群に逃げてしまうので、肘は曲げて閉じ気味に行うのが大胸筋に効かせるコツです。
◆バーベルベントアームプルオーバーのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を曲げてバーベルを胸の上で構える
②肩甲骨を寄せながら、肘を曲げたままダンベルを頭の後ろに下ろす
③肘を曲げたまま、肩甲骨を開きながらバーベルを上げていく
④ダンベルを元の位置まで上げたら、肘を絞り、やや顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
大胸筋に効かせるためには、動作中常に胸の筋肉の動きを意識するようにしてください。
ダンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋内側に効果が高くバストを「寄せる」種目です。腕を閉じ後にダンベル同士を押し当て、やや上方に押し上げる動作をすることで大胸筋が完全収縮して効果が倍増します。
バーベルでは大胸筋内側に効かせることが難しいため、バーベル大胸筋トレーニングの仕上げに最適です。
◆ダンベルフライのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、肘を曲げずに腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③ダンベルを下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道で腕を閉じる
④腕を閉じたら、ダンベルを少し押し上げながら顎をやや引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肩を痛めないためには、肩のラインよりもヘソ側にダンベルを下ろすようにすることが大切です。
バーベルショルダープレス
三角筋を中心に、肩から二の腕裏側にかけての引き締め効果の高い種目がバーベルショルダープレスです。
肩を痛めないためにも、肘が体幹より前にくる位置関係で動作を行うように注意してください。
◆バーベルショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、肩の高さでシャフトをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
ダンベルサイドレイズ
三角筋中部(肩の側部)を集中的に引き締められる、バーベルではできないフリーウェイトトレーニングがダンベルサイドレイズです。
反動を使ったり、肩甲骨を寄せて背筋を使うと、負荷が三角筋から逃げてしまうので注意が必要です。
◆ダンベルサイドレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを横に上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
バーベルフレンチプレス
二の腕裏側(上腕三頭筋)を集中的に引き締められるのがバーベルフレンチプレスです。
肩関節を動かすと、負荷が大胸筋に逃げてしまうので、しっかりと肘を固定して肘から先だけで動作をするのがポイントです。
また、引き締めトレーニングの場合は、上腕三頭筋の内側(長頭)をターゲットにするため、肘は閉じて行うのが一般的です。
◆バーベルフレンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肘を曲げ、バーベルを顔の上で保持して構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと大胸筋に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
ダンベルキックバック
ダンベルキックバックは腕の後側の上腕三頭筋に集中的な効果のあるトレーニング方法で、女性の二の腕引き締め筋トレの仕上げとして最適な種目です。腕を伸ばしたポジションで、手の平を上に向けるように回旋することで、上腕三頭筋が完全収縮し効果が倍増します。
◆ダンベルキックバックのやり方と動作ポイント
①片手をベンチにつき、もう片手でダンベルを保持し、肘を曲げた位置で構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと背筋群に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
下半身の筋肉のバーベル筋トレ
バーベルスクワット
キングオブトレーニングの別名を持つ、下半身全体に非常に高い効果のあるバーベル筋トレがバーベルスクワットです。
バーベルスクワットの正しい動作フォームはやや難しいので、事前にウェイトなしでフォーム練習を行うことをおすすめします。その動作ポイントは以下の通りです。
・胸を張る
・背中を反らせる
・お尻をつき出す
・膝をつま先より前に出さない
・椅子に座る軌道で腰を下ろす
◆バーベルスクワットのやり方と動作ポイント
①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばし、バーベルをかついで構える
②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
◆ワンポイントアドバイス
椅子に座る要領で動作をすると正しいフォームになります。また、背中が丸くならないように、視線をやや上に向けるのがコツです。
なお、当サイトに客員執筆していただいているミズボディーフィットネストップ選手のMIKIKO様による解説は以下の通りです。
「バーベルを担ぎ、しゃがみ、立ち上がるというシンプルな動きの中に、トレーニングから得られるたくさんの恩恵が詰まっています。
今回はお尻により効かせたいので、バーベルを担いだら股関節→膝の順番でゆっくりとしゃがんでいきます。(視線は正面を見たまま、床を見つめないように。)太腿が床と平行になるぐらいの深さまでしゃがんだら、足裏で床を押すイメージで立ち上がって見ましょう。
基本的に深くしゃがむと脚の根元、内転筋に効きます。バーベルを担ぐ位置、足幅、つま先の向き、しゃがむ深さ、スピード、回数など自分の目的に合わせてカスタマイズを楽しめる種目です。」
バーベルランジ
ヒップラインに高い効果のあるのが、前後動作のあるスクワット系種目のバーベルランジです。
後ろにした足を主体に動作するイメージで行うと、太もも裏側(ハムストリングス)にさらに効果的です。
◆バーベルランジのやり方と動作ポイント
①片側の足を前に出し、片側の足を後ろに引き、バーベルかついで構える
②前にした足の膝がつま先よりも前に出ないように、斜め後ろにしゃがんでいく
③前にした足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
④所定回数を行った後、足の前後をかえて再び同様の動作を行う
◆ワンポイントアドバイス
前にした足を主働で行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主働で行うとハムストリングスに効果があります。
スティッフレッグドデッドリフト
スティッフレッグド・デッドリフトもハムストリングスに対して高い効果のあるバーベルトレーニング種目で、特に重点的にヒップアップを狙う場合におすすめです。
◆バーベルスティッフレッグドデッドリフトのやり方と動作ポイント
①足を閉じ、背すじを伸ばし、バーベルを保持して構える
②膝を伸ばしたまま、上半身を前に倒していく
③ハムストリングスに十分にストレッチをかけたら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
本種目は重量を狙うのではなく、いかにハムストリングスを丁寧にストレッチングさせるかが重要です。
バーベルサイドランジ
内ももの筋肉である内転筋群に高い効果があり、内もも引き締めエクササイズとしてもおすすめなのがバーベルサイドランジです。
伸ばしたほうの足を主体に動作することで、さらに内転筋群に負荷が集中します。
◆バーベルサイドランジのやり方と動作ポイント
①足を大きく開き、バーベルをかついで構える
②片側の膝を曲げてしゃがんでいく
③曲げたほうの足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、伸ばしたほうの足で身体を引き寄せるようにして立ち上がる
④反対側にしゃがんでいく
◆ワンポイントアドバイス
曲げたほうの足を主働で行うと大腿四頭筋に、伸ばしたほうの足を主働で行うと内転筋群に効果があります。
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグエクステンションは大腿四頭筋を集中的に鍛えることのできるダンベル筋トレで、女性の太もも引き締め運動としても非常に有効です。ダンベルを振り回さずに、ゆっくりとコントロールした動作で行ってください。
◆ダンベルレッグエクステンションのやり方と動作ポイント
①椅子に座り、つま先にダンベルを挟んで構える
②膝を伸ばしてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、つま先を手前に曲げて大腿四頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を後ろに倒すと、負荷が腹筋群に逃げてしまうので注意が必要です。
ダンベルレッグカール
ダンベルレッグカールは太もも裏側から臀筋群に効果が高く、女性のヒップアップ筋トレの基本とも言える種目です。足を曲げきったポジションで、つま先を伸ばす動作を加えることでハムストリングス~大臀筋が完全収縮し効果が倍増します。
◆ダンベルレッグカールのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、つま先でダンベルを挟んで構える
②膝を曲げてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、つま先を伸ばしてハムストリングスを完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせると、負荷が脊柱起立筋に逃げてしまいますので気をつけてください。
バーベルカーフレイズ
ふくらはぎ(下腿三頭筋)の引き締めに最適なフリーウェイトトレーニングがバーベルカーフレイズです。
ふくらはぎは日常で使われる頻度が高いため、負荷に対する耐性も高いぶいですので、30回以上の反復回数でトレーニングをするのが一般的です。
上半身の引く筋肉のバーベル筋トレ
バーベルデッドリフト
筋トレBIG3の一つにも数えられ、背筋と下半身の総合フリーウェイトトレーニングでもあるのがデッドリフトです。
背筋群の引き締めだけでなく、全身の基礎代謝を上げる意味でも非常にダイエット効果の高い筋トレです。
足は肩幅程度にとり、足の外側でバーベルをグリップするスタイルが背筋群には効果的なフォームになります。
デッドリフトは動作がやや難しく、腰を痛めるリスクもあるので、事前にシャフトだけで挙上動作を練習することをおすすめします。その動作ポイントは以下の通りです。
・胸を張る
・背中を反らせる
・お尻をつき出す
・膝をつま先より前に出さない
・絶対に腰を丸めない
◆バーベルデッドリフトのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、足を肩幅程度に開き、膝がつま先よりも前に出ないようにお尻を突き出し、足の外側でシャフトをグリップして構える
②まずは膝を伸ばす動作で初動を行い、バーベルが床から浮いたら、肩甲骨を寄せながら立ち上がりバーベルを引き上げていく
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④ある程度コントロールした速度で元に戻り、反動を使わずに再びバーベルルを引き上げていく
◆ワンポイントアドバイス
腰を曲げ、背中が丸まった状態で動作を行うと腰に対して大きな負担がかかりますので、視線を上に向け、背すじを伸ばすことを意識してください。
バーベルベントオーバーロー
背筋群全体に効果の高いバーベル筋トレ種目がバーベルベントオーバーローです。
構え方はスクワットやデッドリフト同様のニーベントスタイルで行います。
太ももにバーベルシャフトを沿わせるように挙上することで、負荷が分散せず背筋群に集中します。
◆バーベルベントオーバーローのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、太ももにシャフトを沿わせるようにしてバーベルを引き上げる
③バーベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
腰に不安のある場合は、インクラインベンチを使ってうつ伏せに構えると腰への負担が大幅に軽減されます。
バーベルショルダーシュラッグ
背筋群のなかでも、上部に位置する僧帽筋を集中的に鍛えられるのがバーベルショルダーシュラッグです。
肩甲骨を寄せる動作のみに集中し、フィニッシュでやや顎を上げることで僧帽筋が完全収縮します。
◆バーベルショルダーシュラッグのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でシャフトをグリップして構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せてバーベルを引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
ダンベルローイング
上半身の引く筋肉全てに効果が高い、最適な仕上げトレーニングがワンハンドダンベルローイングです。しっかりと背筋を伸ばすところまでダンベル下ろし、ダンベルを引き上げながら肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させてください。
◆ダンベルローイングのやり方と動作ポイント
①ベンチに片手をつき、前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルを持って構える
②肩甲骨を寄せながらダンベルを引き上げる
③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると背筋群が完全収縮しないので、視線を前に向け背すじを伸ばして行ってください。
ダンベルリアラテラルレイズ
背筋群の小さな筋肉をさらに追い込むのにおすすめのフリーウェイト種目がダンベルリアラテラルレイズです。
反動をつかわず、ゆっくりとした動作で確実に効かせてください。
◆ダンベルリアラテラルレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを後ろに上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
バーベルカール
二の腕前側(上腕二頭筋)を集中的に引き締める効果があるのがバーベルカールです。
肩関節を動かすと背筋群に刺激が逃げてしまうので、しっかりと肘を固定して肘から先だけで動作を行ってください。
◆バーベルカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置で肩幅よりやや狭い手幅でシャフトをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてバーベルを持ち上げていく
③ベーベルを持ち上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
体幹のジムトレーニング
腹筋群は他の筋肉部位に比べて、超回復の速度が速いため、週三回のトレーニングのあとに毎回行っていくのが効率的です。
ケーブルクランチ
ケーブルクランチは腹筋群のなかでも腹直筋を集中的に鍛えられる種目です。
息を吐きながら身体を曲げていき、最後に息を吐ききって腹直筋を完全収縮させるようにしてください。
◆ケーブルクランチのやり方と動作ポイント
①ケーブルマシンに座り、アタッチメントを頭の後ろでグリップして構える
②息を吐きながら上半身を倒していく
③上半身を倒したら、息を全て吐いて顎引いて腹直筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
呼吸と顎の動作を意識して腹直筋を最大収縮させることが大切です。また、反動を使うと腰を痛めるリスクがありますので注意してください。
ケーブルサイドベント
横腹の筋肉に対して効果の高い、おすすめのマシントレーニングがケーブルサイドベントです。
大きな動作で筋肉を最大伸展・最大収縮させるのがポイントです。
◆ケーブルサイドベントのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、片手でケーブルアタッチメントを保持して構える
②片側に大きく上半身を倒していく
③片側の腹斜筋を最大伸展、もう片側の腹斜筋を最大収縮させる
④元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
できるだけ大きな動きで上半身を倒し、腹斜筋を最大伸展・最大収縮させるのがポイントです。
トルソーマシンツイスト
トルソーマシンを使ったツイスト系のトレーニングは、腹筋群のなかでも腹斜筋を集中的に引き締める効果があり、女性のくびれ作りには欠かせない種目です。
大きな動作で、腹斜筋を最大伸展→最大収縮させるようにしてください。
◆トルソーマシンツイスト(のやり方と動作ポイント
①マシンに座り構える
②片側に大きく身体を捻る
③元に戻る
④反対側に大きく身体を捻る
◆ワンポイントアドバイス
できるだけ大きな動きで上半身を捻り、腹斜筋を最大伸展・最大収縮させるのがポイントです。
筋トレ効果を高める食事メニュー
ダイエット筋トレの効果を高める、栄養の基礎知識と具体的な料理レシピ例は下記の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑