最強の自重トレーニングの一つとして知られるマッスルアップは、懸垂動作に腕立て伏せ(ディップ)を追加したような筋トレ方法で、上半身ほぼ全ての筋肉に爆発的な効果があります。そのやり方・コツを動画をまじえて解説します。
マッスルアップが効果のある筋肉部位
懸垂動作:僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋
マッスルアップの前半部分、つまり懸垂動作のなかで鍛えられる筋肉は、僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋の「上半身の引く筋肉グループ」で二次的に前腕屈筋群にも効果があります。
ディップ動作:大胸筋・三角筋・上腕三頭筋
マッスルアップの後半部分、つまりディップ動作に移行した後は大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の「上半身の押す筋肉グループ」に効果があり、二次的に前腕伸筋群も鍛えられます。
それでは、次の項目ではマッスルアップの具体的な動画を見ながら、そのやり方のコツについて解説していきます。
マッスルアップの動画
こちらが、マッスルアップのやり方を詳細に解説した動画です。トレーナーがかなり細かく解説していますが、さらにわかりやすくその要点をまとめました。
マッスルアップのやり方・コツ・手順
マッスルアップで最も難しいのが、懸垂動作で身体を引き上げて、バーが胸のラインを超えるまでです。このラインを超えると後はディップを行う筋力さえあれば問題ありません。
マッスルアップの懸垂動作は、通常の懸垂とは大きく異なり、懸垂動作でNGとされる動作(全身の反動を使う動作)で身体を引き上げ、膝を曲げ背中を丸めて行います。その手順は以下の通りです。
①身体をスイングさせて、後方にスイングした瞬間に引き上げ動作を開始する。
②同時に膝を待ち上げ、重心をできる限り上へと移動させる。
③背中を丸め、一気に胸のラインを超える。
この手順のなかでも、②と③の行程は、運動方向が逆ではありますが、バーバル種目のクリーンに似た感覚で行います。
いかに、反動と重心移動でスティッキングポイントを超えるかが共通のポイントです。
マッスルアップのグリップ
AlternateGrip(オルタネイトグリップ)
FalseGrip(フォールスグリップ)
マッスルアップのグリップは大きく二種類が好まれています(通常のグリップだと相当な筋力が必要)。
一つは左右の手を互い違いにグリップするオルタネイトグリップでデッドリフトなどでも使われるグリッピング方法です。筋力にやや自信がない場合はこちらのほうがおすすめです。
もう一つはフォールスグリップと呼ばれる体操競技で使われるグリップ方法で、親指を握りこまず手首の一部もグリップに使用します。体操競技のほか、綱引競技でも使われるグリッピング方法です。スティッキングポイントを越えた後のディップ動作に移行しやすいのがメリットです。
なお、こちらの動画は女性がマッスルアップを行っているものですが(かなり苦戦していますが)、コツさえ覚えれば逆上がりと同様にほとんどの人が行うことができます。