「ダンベルフライで肩が痛くなる」または「ダンベルフライをすると肩に効いてしまう」というのは、ジムトレーナーをしていると、比較的よく耳にする声ですが、この理由は主に二つです。
肩の痛みの原因
肩の痛みの原因として主なものには、肩関節自体の炎症・腱板炎・腱板損傷・上腕二頭筋長頭腱炎などがあります。
日本整形外科学会による肩痛に関する記載
関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などがあります。
引用:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
ダンベルフライの理想的フォーム
こちらが理想的なダンベルフライのフォームの動画です。やや肘を曲げ、可能な限りダンベルを下ろします。
次に大胸筋を意識しながら肘はやや曲げたまま腕を閉じていきます。この時に、やや顎を引くことも意識してください。
腕を閉じきったフィニッシュポジションになったら、ここではじめて肘を伸ばし、大胸筋を絞るようなイメージでダンベルを押し上げ、大胸筋を完全収縮させます。
ダンベルフライで肩を痛める理由
ダンベルを肩より頭側に下ろしている
ダンベルフライでダンベルを下ろす位置は、ダンベルが肩より頭側に来ないように注意してください。肩より頭側で動作を行うと、肩関節に対して「開き負荷」がかかり、肩関節を痛める原因になります。
また、重量を重く設定しすぎて、ダンベルを下ろしたポジションで反動を使って折り返す動作を行うのも、肩関節および周辺靭帯に悪影響がありますので十分に注意してください。
肩甲骨の寄せ方が弱い
ダンベルフライで肩を痛めるもう一つの理由が、肩甲骨の寄せ方が弱いということです。
肩甲骨の寄せ方が弱いと、下ろしたダンベルを上げ始める初動で、大胸筋の収縮よりも肩(三角筋)が先に動いて収縮してしまいます。
三角筋はかなり小さな筋肉ですので、大胸筋に負荷をかけるために設定した重量には耐えきれません。結果として肩(三角筋)の付け根を痛めてしまうことになります。
肩甲骨を寄せた姿勢を維持する
プレス系種目で大切なフォームの一つに「肩甲骨を寄せた姿勢を保つ」ことがありますが、これは肩関節が前方へ突出することを防ぎ、①大胸筋へ負荷を集中させる、②肩への余計な負担を防ぐ、という2つの意味があります。
肩甲骨を寄せた姿勢をとることが苦手な方は、スパインサポーターなど専用のトレーニンググッズを使用するのも一つの方法です。
LARA★STARスパインサポーター|肩甲骨を寄せた姿勢をつくるグッズ
肩に負担をかけにくいダンベルフライ
それでも、ダンベルフライで肩が痛くなる、ダンベルフライが肩に効いてしまう、という方は、手の平が向き合う方向にダンベルを握って行う、ハンマーグリップのダンベルフライをお試しください。
経験上、かなり、肩への負担が軽減されます。
発想の筋トレ
目からうろこのコラム記事集
大好評の発想と工夫の筋トレシリーズを一覧にまとめました。
うまく効かせられない筋トレ種目がある時は、ぜひ、参考にしてください。
【効率的な筋トレ】まだそのやり方で消耗してるの?目からウロコのコラム記事集
筋トレを快適にする3大マストアイテム
①手首を保護するリストラップ
ジムトレーナーが本音で解説
プレス系トレーニングの効率を高め、手首を保護するために必須ともいえるマストアイテムがリストラップですが、本当にたくさんのメーカー・種類がありすね。そして、検索ででてくる「おすすめリストラップ」は正直、全くおすすめではありません。なぜなら、多くの記事は素人またはそれに近いライターさんが書いているもので、リストラップの本質について書かれてはいません。もちろん、そのチョイスについてもしかりです。
下記の記事は、国内主要メーカーのリストラップ(IPF公認含む)を「ウエイト下垂実験」もふくめて本気で試用・考察したものです。筆者のトレーナーとしての意見、パワーリフティング元日本王者の理論など、「本物のリストラップについて本音で解説」しています。
②グリップを助けるパワーグリップ
握力を補助してオールアウトする
プル系トレーニングによくあるのが「握力が先になくなってターゲットの筋肉を十分に追い込めない」というケースです。このような場合、パワーグリップやエイトストラップと呼ばれる握力補助グッズを使うことで、限界まで追い込めオールアウトが可能になります。
その特徴や具体的な使い方は下記の記事で、実際に使用しているものを解説しています。
リストストラップ&パワーグリップの種類と筋トレ目的別の使い方
③腰を守るトレーニングベルト
腹圧を上げて筋力を向上させる効果もある
筋トレのマストアイテムとも言えるのがトレーニングベルトですが、ナイロンベルト・革ベルト・ピン式パワーベルト・フック式パワーベルト・レバーアクション式パワーベルトと、さまざまな種類があります。
下記の記事は各種のトレーニングベルト(パワーベルト)の種類と特徴についてわかりやすく解説しています。