女性の二の腕痩せに最適で、自宅でも簡単に行えるダンベルトレーニング種目を厳選してご紹介します。
また、ムキムキにならずに美しくしなやかに腕を引き締めるための、ダンベルの重さの決め方などについても解説します。
二の腕を構成する筋肉と作用
上腕二頭筋と上腕三頭筋から構成され拮抗した作用がある
二の腕(上腕)は主に上腕前側の上腕二頭筋と後ろ側の上腕三頭筋から構成され、上腕二頭筋は肘を曲げる作用、上腕三頭筋は肘を伸ばす作用と、互いに反対の作用(拮抗作用)を持っています。
また、どちらの筋肉も長頭と短頭の部位に分けられますが、それらの作用は以下の通りです。
上腕二頭筋長頭:肘を曲げる
上腕二頭筋短頭:肘を曲げ前腕を外に捻る
上腕三頭筋長頭:肘を伸ばし脇をしめる
上腕三頭筋短頭:肘を伸ばす
二の腕引き締めなら上腕三頭筋長頭中心
これらのなかで、もっとも体積が大きく、二の腕引き締めに大きな影響のなるのが、二の腕の裏側内側に位置する上腕三頭筋長頭です。
続いて、体積が大きく二の腕前側外側に位置する上腕二頭筋長頭も、腕全体の引き締めには重要となります。
結論として、女性の二の腕引き締め筋トレは、上腕三頭筋長頭を中心にし、補助的に上腕二頭筋長頭を鍛えていくのがもっとも効率的になります。
ムキムキにならないダンベルの重さと回数の設定
20回以上の反復で持久筋を鍛えていく
一般的な女性が筋トレと聞くと連想するのが、ボディービルディングの女性選手の身体だと思いますが、ダイエット筋トレをしてもこのようなムキムキの身体にはなりません。
それは、鍛える筋肉の対象が違うからで、ボディービルでは筋肥大する短瞬発筋を鍛えるのに対し、ダイエット筋トレでは、バストアップやヒップアップの部分はほどよく筋肥大する長瞬発筋を、引き締める場所は筋肥大しない持久筋を鍛えていきます。
なお、それぞれの筋肉の種類と鍛え方は以下の通りです。
短瞬発筋:高重量高負荷で10回前後の反復回数で鍛える
長瞬発筋:中重量中負荷で15回前後の反復回数で鍛える
持久筋:低重量低負荷で20回以上の反復回数で鍛える
結論として、女性の二の腕引き締めダンベル筋トレでは、20回以上の反復動作で限界がくるような負荷設定で鍛えていきます。
自宅での上腕三頭筋の痩せダンベル筋トレ
ダンベルフレンチプレス
ダンベルフレンチプレスは上腕三頭筋全体に効果の高いダンベルトレーニングで、二の腕裏側の引き締めの基本種目です。
動画のような仰向けで行うライイングスタイルが、ダンベルの保持がしやすいので女性にはおすすめの方法ですが、筋力的に可能なら次の方法をお試しください。
上腕三頭筋(長頭)は、肩甲骨に接合しているという特性上、肘が肩より上の状態で完全に伸展するため、動画のようなシーテッドスタイルのほうが効果が高くなります。
なお、いずれのスタイルの場合も肩関節が動くと負荷が体幹に逃げてしまいますので、しっかりと肘を固定して肘から先だけで動作をしてください。
また、肘を開き気味に行うと上腕三頭筋短頭に、肘を閉じ気味に行うと上腕三頭筋長頭に効果的です。
◆ダンベルフレンチプレスのやり方と動作ポイント
①ダンベルを頭の上で保持して構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと大胸筋に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
ダンベルキックバック
ダンベルキックバックは、上腕三頭筋のなかでも長頭に集中的な負荷がかかるため、二の腕裏側の引き締め筋トレの追い込み・仕上げに最適な種目です。
腰に不安のある場合は、椅子に座るか何かに手をついて行うと、負担がかなり軽減されます。
また、肘を伸ばしたポジションで、手の平が上を向くように回旋させると、上腕三頭筋長頭が完全収縮して効果が倍増します。
なお、肩関節が動くと背筋に負荷が逃げてしまいますので、しっかりと肘を固定して行ってください。
◆ダンベルキックバックのやり方と動作ポイント
①片手をベンチにつき、もう片手でダンベルを保持し、肘を曲げた位置で構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと背筋群に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
自宅での上腕二頭筋の痩せダンベル筋トレ
ダンベルローイング
ダンベルローイングは背筋トレーニングの基本ダンベル種目ですが、上腕二頭筋にも高い効果があります。
背中の引き締め筋トレと一石二鳥を狙って行うことをおすすめします。
なお、動画のようにダンベルを身体と平行になるよう、縦向きでグリップして行うと上腕二頭筋長頭に効果的です。
◆ダンベルローイングのやり方と動作ポイント
①ベンチに片手をつき、前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルを持って構える
②肩甲骨を寄せながらダンベルを引き上げる
③ダンベルを引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
背中が丸まっていると背筋群が完全収縮しないので、視線を前に向け背すじを伸ばして行ってください。
ダンベルカール
ダンベルカールは二の腕前側の追い込み・仕上げに最適なダンベル種目です。
動画ではダンベルを横向きにグリップしていますが、手の平が向き合うように縦向きでグリップ(ハンマーグリップ)すると、上腕二頭筋長頭に負荷が集中するので、二の腕痩せにおすすめします。
◆ダンベルカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
具体的な二の腕痩せダンベル筋トレのプログラム
筋肉は一度筋トレで鍛えると、筋肉が回復するまでの48~72二時間は休息させる必要があり、一つの目安が筋肉痛の回復です。
回復の様子を見ながら、以下のプログラムを週に2~3回実施してください。なお、順番は筋トレの基本通り、「大きな筋肉の複合関節種目」→「小さな筋肉の単関節種目」になっていますので、そのまま実施してください。
①ダンベルローイング:20回×2セット
②ダンベルフレンチプレス:20回×2セット
③ダンベルキックバック:20回×2セット
④ダンベルカール:20回×2セット