女性の下っ腹ぽっこりを効率的にひきしめる筋トレ方法を、自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベル筋トレから厳選し、強度別に段階的にエクササイズしていくプログラムをご紹介します。
腹筋群の構造と作用
腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋の四層構造
腹筋は正式には腹筋群と呼ばれ、表層から順に腹直筋→外腹斜筋→内腹斜筋→腹横筋の四層構造をしています。
主に、腹直筋は体幹の屈曲作用、内外腹斜筋は体幹の回旋作用、腹横筋は腹圧の保持作用を持っており、下腹部分にあたるのが腹直筋下部です。
下腹がぽっこりしてくる理由
脂肪増加と腹筋力低下
下腹がぽっこりとしてくる理由には大きく二つがあり、それは「過食による体脂肪の増加」と「運動不足による腹筋力の低下」です。
食べ過ぎにより腹部外側に体脂肪がつくのに加え、運動不足から腹筋力が低下すると腹圧が弱り内側からも腹部が出てきます。
ですので、腹直筋下部を筋トレして腹筋力を鍛え、食事制限も組み合わせて体脂肪を減らすことで下腹のぽっこりが解消されるのです。
下腹筋トレの適切な頻度
一日おきが理想的な頻度
筋肉はトレーニングで刺激すると筋肉痛になりますが、その筋肉痛の回復を待ってから次のトレーニングを行うことが、超回復の観点からも理想的です。
腹筋群の超回復期間は24時間強ですので、具体的には一日おきに下腹筋トレを行っていくのが最効率的と言えます。
下腹筋トレの適切な回数
20回以上で限界がくる負荷強度で行う
腹筋群は、日常生活での使用頻度が高いため、持久的な筋繊維で構成されています。このため、通常の筋トレと違い、20~30回ほどの反復で限界がくるような、多い回数でのトレーニングが必要になります。
ここからは、腹筋下部の筋トレ種目を、自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベル筋トレから強度別にご紹介しますので、ご自身の体力・筋力に合わせて20~30回の反復ができるトレーニング種目を組み合わせていってください。
腹筋系トレーニングでの呼吸のやり方
最も縮めたポジションで息を吐ききる
腹筋系のトレーニングで重要なのは呼吸方法ですが、全てのトレーニング種目において共通するポイントは、息を吐きながら腹筋を縮めていき、もっとも縮めたポジションで完全に息を吐ききり、腹筋群を完全収縮させることです。
低強度の自宅下腹筋トレ種目
リバースクランチ(自重)
もっとも初歩的で負荷の軽い自重での下腹トレーニングが炉バースクランチです。仰向けになり、膝を曲げて腹筋を縮めていきます。この時に、腰がバウンドすり状態だと腰痛の原因になりますので、動画のように腰に手を敷いて行ってください。
チューブレッグレイズA(チューブ)
チューブで下腹をトレーニングする場合、初歩的なやり方がこの動画のようなチューブの反発力を足上げの補助に用いるタイプのチューブレッグレイズです。
レッグレイズ系種目の共通の注意点として、反動を使い腰を浮かせないこと、セット中は足を床につけないことがあげられます。
ダンベルクランチ
ダンベルを使った下腹筋トレでもっとも負荷の低い方法がダンベルクランチです。体幹を曲げる意識よりも、ダンベルを高く持ち上げる意識で動作を行うと、効率的に腹筋群を収縮させることができます。
中強度の自宅下腹筋トレ種目
レッグレイズ(自重)
リバースクランチが楽に20~30回できるようになったら取り組みたい、本格的な下腹自重トレーニングがレッグレイズです。
動作のなかで腰を反らせると腰痛の原因になりますので、動画のようにお尻に手を敷いて行うのがポイントです。
もちろん、反動は使わず、足を上げる時も下ろす時もしっかりとコントロールして行ってください。
チューブレッグレイズB(チューブ)
中程度の負荷で、かなり腹筋下部に効果的なチューブトレーニングがこちらの動画のような、膝をやや曲げて行うタイプのチューブレッグレイズです。上半身も起こすようにするとさらに効果的です。
ダンベルVクランチ(ダンベル)
ダンベルクランチが楽に20~30回できるようになったら取り組みたいダンベルトレーニングが、上半身も起こす動作を組み込んで強度を高めたダンベルVクランチです。
高強度の自宅下腹筋トレ種目
ドラゴンフラッグ(自重)
腹筋運動のなかでも最強強度を誇る自重トレーニングがドラゴンフラッグですが、完璧なフォームのドラゴンフラッグは筋トレ上級者レベルにならないと難しいものです。
こちらの動画は、ドラゴンフラッグの低強度バージョンで、途中まで膝を曲げて動作を行うバリエーションです。
ただし、普通のダイエットエクササイズとしては非常に高強度ですので、十分に筋トレに慣れてから行ってください。
チューブレッグレイズC(チューブ)
チューブ腹筋トレーニングのなかでも最高強度レベルなのが、こちらの動画のような膝を伸ばして行うタイプのチューブレッグレイズです。
トレーニングベンチがなくても、自宅のソファーやベッドを流用して取り組むことが可能です。
ダンベルレッグレイズ(ダンベル)
ダンベル下腹筋トレのなかでも最高強度と言えるのが、こちらの動画のような、足でダンベルを挟んで保持して動作を行うダンベルレッグレイズです。
下腹を段階的にひきしめる筋トレプログラム
ここからは、下腹筋トレを開始した初心者の方が、段階的にトレーニング強度を上げていき、理想のひきしまった腹部を手に入れるための具体的な段階プログラムを例示します。
あくまでもトレーニング例ですので、ご自身の体力に合わせてセット数を増減させてください。なお、1セットの回数は20回以下に減らさないようにし、20回以上こなせない場合は、より低強度の種目に変更してください。
初期段階
初期段階では、下腹をひきしめる以前に、まずはトレーニングの継続習慣と基礎体力・筋力を身につけることを最大の目標にします。
【具体的プログラム】
低強度の種目を一日あたり3~5セット行ってください。
なお、複数の方法を組み合わせる場合は、自重→チューブ→ダンベルの順に種目を行うのが効率的です。体力が十分に回復するまでインターバルをとってください。
追い込み段階
追い込み段階では、いよいよ本格的に腹筋下部を鍛えていきます。
【具体的プログラム】
できる限り中強度の種目を選び一日あたり5~10セット行ってください。
なお、最初の数セットはアップとして低強度種目を行ってください。また、インターバルはあまり長く取らず、二分程度にとどめるのが理想的です。
仕上げ段階
高強度の下腹筋トレを一通りこなせるようになってきたら、仕上げ段階に移行します。
【具体的プログラムA】
一日あたり低強度種目をアップで3セット→中強度種目を3セット→高強度種目を3~5セット行ってください。
また、この頃になると腹筋群が負荷刺激に耐性を持ってくるので、時に種目順を以下のように変えて、筋肉を負荷に慣らさないようにしてください。
【具体的プログラムB】
一日あたり低強度種目をアップで3セット→高強度種目を3セット→スロー動作で中強度種目を3~5セット行ってください。
なお、いずれの場合もインターバルは一分程度とし、有酸素運動の要素も取り入れるようにすると効果は倍増します。
下腹ダイエットの食事制限
タンパク質はしっかりと摂りカロリーだけを抑える
筋トレダイエットの食事において、非常に重要なことはタンパク質をしっかりと摂ることです。筋トレをすると筋肉痛→超回復というプロセスを繰り返しますが、この時に筋細胞が新陳代謝し、それにより基礎代謝カロリーが向上するのが筋トレダイエットの一番重要な部分です。
筋肉の新陳代謝の材料となるタンパク質を摂取しなければ、このプロセスが不完全になってしまい、結果として基礎代謝は上がらず、ダイエットは失敗します。
「肉を食べると太る」というのは根拠のない非科学的迷信です。しっかりと肉類をはじめとしたタンパク質を摂取してください。
もちろん、脂質の多い肉類は避け、このほかにも主食やお菓子などのカロリーを制限していきます。