バーベルやダンベルとも違うウエイトとして知られるケトルベルの特徴や初心者むけの使い方を解説するとともに、スイングやクリーンなどの代表的なトレーニングメニューの種目紹介をします。
なお、筆者の運営するジムでも、より競技に実践的な筋肉を鍛えたいメンバーはケトルベルトレーニングを導入しています。
ケトルベルの歴史と特徴
ケトルベルの起源については諸説がありますが、古代スコットランドで用いられていた計り用の石が、いつしか投げたり運んだりする競技に用いられるようになり、それがケトルベルの由来とする説がもっとも有力視されています。
19世紀になると、重りを持ち上げて筋肉を鍛える「ウエイトトレーニング」が確立されるようになり、初期のバーベルやダンベルとともにケトルベルも記録写真に残されています。
ケトルベルの特徴
ケトルベルはダンベルと同様に鉄製の片手で保持して使用するウエイト器具ですが、その決定的な違いは重心の位置です。ダンベルは保持する部分と重心位置が同じなのでバランスがとりやすいのに比べ、ケトルベルは保持する部分と重心が異なるためバランスがとりにくくなっています。
バランスがとりづらく扱いにくいことがデメリットである反面、そのアンバランスな動作のなかで、挙上時のブレを制御することにより、ダンベルでは鍛えづらい体幹インナーマッスルが鍛えられる、というメリットもあります。
初心者むけの基本種目
スイング
こちらが、ヘソよりも上にケトルベルを持ち上げることなく安全に背筋群を鍛えることのできる、初心者むけの種目である「スイング」です。通常のウエイトトレーニングと異なり、初動で爆発的な勢いをつけて行うことがポイントです。また、戻す時にブレーキをかける意識で行うと腹筋群にも効果があります。
クリーン
また、こちらが肩までケトルベルを持ち上げるクリーンと呼ばれる種目です。スイングの動作からさらにケトルベルを爆発的に肩まで挙上するイメージで行ってください。
なお、片手で行うシングルクリーンもありますが、バランスをとるのが難しいので、まずはこの動画のようなダブルクリーンから行っていくとよいでしょう。
中~上級者のケトルベルトレーニング
ジャーク
クリーンをして肩にケトルベルを乗せた状態から頭上に差し上げるトレーニング方法が、こちらの動画に収録されているジャークと呼ばれる種目です。
スナッチ
ケトルベルを一気に頭上まで差し上げるのがスナッチです。この種目から、シングルハンドで行うのが普通になってきます。頭上での保持に失敗するとかなり危険ですので、確実に扱える重量から行ってください。
ベントプレス
瞬発的な動きを廃し、全身の筋力を確実に使って行う種目がこちらのベントプレスです。こちらも安全に扱える重量から始めてください。
クリーンスクワットプレス
数あるケトルベルトレーニングのなかでも、全身の筋肉をフル動員するのが、こちらのクリーンスクワットプレスです。ケトルベルに慣れてきたら、軽めの重量から挑戦してください。