大胸筋を自宅でも高負荷でトレーニングできる方法と種目について解説します。あわせて、高負荷トレーニングの基準(負荷回数設定)や複数のトレーニング方法を組み合わせるやり方についても解説します。
大胸筋の構造と作用
大胸筋は一般的には上部・内側・下部に分けられ、肩関節の水平内転・屈曲・内転・内旋の作用を持ちます。
具体的なその動作は以下の通りです。
大胸筋上部:腕を斜め上方に押し出す
大胸筋内側:腕を前で閉じる
大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す
大胸筋(だいきょうきん)は、胸部の筋肉のうち、胸郭外側面にある胸腕筋のうち、鎖骨、胸骨と肋軟骨(第2~第7前面)、腹直筋鞘の3部を起始とし、上外方に集まりながら、上腕骨の大結節稜に停止する。
大胸筋を鍛える筋力トレーニング法には多くの種目が存在する。最も手軽で一般的なのはプッシュアップ(腕立て伏せ)であり、バーベルを使ったベンチプレス、ダンベルを使ったダンベル・フライなどもよく知られている。身体前面に位置し、もっとも目立つ筋肉の一つであることからボディビルなどでは重要視される筋肉の一つ。
高負荷トレーニングとは?
筋肉を構成する筋繊維には、主に速筋繊維(type2)と遅筋繊維(type1)があります。速筋繊維は10回前後の高負荷低回数で鍛え、鍛えることで筋肥大します。一方、遅筋繊維は20回前後の低負荷高回数で鍛え、鍛えることで筋密度が向上します。
つまり、バルクアップ目的でのトレーニングでは10回前後で限界がくる負荷回数設定で、ダイエット目的でのトレーニングでは20回前後で限界がくる負荷回数設定でトレーニングを実施することが有効です。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
高負荷トレーニングは速筋(速筋繊維Ⅱb)を対象にする
以上のことから、高負荷トレーニングとは速筋(速筋繊維Ⅱb)をターゲットにした、6~8回の反復回数で限界がくるような負荷設定で行うトレーニングになります。
自宅で実施できるトレーニング方法
自宅で実施できるトレーニング方法には、主に自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベルトレーニングがありますが、チューブトレーニングは高負荷がかけにくい方法ですので、「大胸筋の自宅高負荷トレーニング」においては、実際には自重トレーニングとダンベルトレーニングになります。
大胸筋の自重高負荷トレーニング
足上げ腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せは、足を台などの上に置いて構えることで上半身にかかる体重の割合を増加させた、腕立て伏せ系トレーニングとしては高負荷のバリエーションです。
背すじを真っ直ぐに保つことがポイントで、腹部を突き出すようなフォームになると体重が下半身に分散されるので注意が必要です。
ディップス
ディプスは全体重が大胸筋に加えられるため、大胸筋の自重トレーニングとしてはもっとも高負荷となる種目です。
肩甲骨をしっかりと寄せ、やや前傾して身体を下ろすのがポイントです。
大胸筋のダンベル高負荷トレーニング
ダンベルプレス
ダンベルプレスは、自宅で行うフリーウエイトトレーニングとしてはもっとも大胸筋に高い負荷を加えられる種目です。
肩甲骨をしっかりと寄せ、両肩を結ぶラインよりもヘソ側でダンベルを挙上することが大切なポイントです。
トレーニングチューブを併用して高負荷をかける方法
腕立て伏せ+トレーニングチューブ
通常の腕立て伏せだけでは十分な負荷が得られない場合、図のように腕→肩→背中にトレーニングチューブをかけ、負荷を高めることが可能です。
ダンベルプレス+トレーニングチューブ
自宅にあるダンベルの重量では十分な負荷回数設定ができない場合、図のように背面側にトレーニングチューブをかけることで、ダンベルプレスの負荷を高めることが可能です。
トレーニングチューブの漸増負荷特性
トレーニングチューブの材質であるゴムは、伸びれば伸びるだけ負荷が強くなる「漸増負荷特性」があります。
このため、前述のように腕立て伏せやダンベルプレスと組み合わせると、ゴムが伸びる=大胸筋が収縮するため大胸筋に漸増負荷を加えられ、負荷を高める手段として有効です。
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