長年トレーナーをしていると、よくある質問が「ダンベルプレスで手首が痛くなる」というものです。
その解消方法をフォーム・グリップ改善と補助ギア使用の両面から解説します。
①フォーム・グリップの改善
(写真上サムアラウンドグリップ・下サムレスグリップ
ダンベルプレスで手首が痛くなる最大の原因は、「ダンベルの重心が前腕骨ラインからズレている」ことです。
つまり、ダンベル重心=シャフトは床と垂直にした前腕の真上で保持する必要があり、このためには、シャフト・手首・前腕骨・肘が床と垂直に一直線である必要があります。
この直線ラインが傾いていると、ダンベルの重さに耐えかねて手首が反ってしまい、結果として手首の痛みにつながります。
この対処方法としておすすめなのが、握り方をサムアラウンドグリップからサムレスグリップに変更することです。
これにより、手首からシャフトまでの距離が縮まりブレが少なくなるとともに、事実上、前腕骨の真上でしかダンベルを保持できなくなるので、無意識に前述の垂直・直線ラインがキープできます。
※ダンベル落下を防ぐため、構えるまでとセット後はサムアラウンドグリップでダンベルを扱います。
②リストラップの使用
フォーム改善と並行したいのがリストラップの使用です。リストラップは物理的に手首をサポートしますので、手首の痛みを効果的に防ぐことができます。
なお、リストラップは写真のように手首関節をまたぐように巻き付けて使います。
また、普及品のリストラップは特に高重量トレーニングでは強度不足になりますので、IPF(世界パーリフティング協会)公認品もしくは、それに準ずる強度のものを使用するとよいでしょう。
リストラップの各製品の強度比較結果は、下記のリンク先の記事をご参照ください。
筋トレを快適にする3大マストアイテム
①手首を保護するリストラップ
ジムトレーナーが本音で解説
プレス系トレーニングの効率を高め、手首を保護するために必須ともいえるマストアイテムがリストラップですが、本当にたくさんのメーカー・種類がありすね。そして、検索ででてくる「おすすめリストラップ」は正直、全くおすすめではありません。なぜなら、多くの記事は素人またはそれに近いライターさんが書いているもので、リストラップの本質について書かれてはいません。もちろん、そのチョイスについてもしかりです。
下記の記事は、国内主要メーカーのリストラップ(IPF公認含む)を「ウエイト下垂実験」もふくめて本気で試用・考察したものです。筆者のトレーナーとしての意見、パワーリフティング元日本王者の理論など、「本物のリストラップについて本音で解説」しています。
②グリップを助けるパワーグリップ
握力を補助してオールアウトする
プル系トレーニングによくあるのが「握力が先になくなってターゲットの筋肉を十分に追い込めない」というケースです。このような場合、パワーグリップやエイトストラップと呼ばれる握力補助グッズを使うことで、限界まで追い込めオールアウトが可能になります。
その特徴や具体的な使い方は下記の記事で、実際に使用しているものを解説しています。
リストストラップ&パワーグリップの種類と筋トレ目的別の使い方
③腰を守るトレーニングベルト
腹圧を上げて筋力を向上させる効果もある
筋トレのマストアイテムとも言えるのがトレーニングベルトですが、ナイロンベルト・革ベルト・ピン式パワーベルト・フック式パワーベルト・レバーアクション式パワーベルトと、さまざまな種類があります。
下記の記事は各種のトレーニングベルト(パワーベルト)の種類と特徴についてわかりやすく解説しています。