腕相撲の噛み手、つまりアームレスリングのフックと呼ばれる技(テクニック)のやり方と軌道について解説します。
なお、アームレスリングの技は個人特性が大きく、やり方や軌道も選手によって異なりますが、本記事で解説するのはあくまでも一般的な方法論です。
フックの模範動画
フック(噛み手)は、回外回旋(手の平が上を向く方向に捻る)を加えながら小指の付け根で相手の手首を押さえ込み、斜め下後方に引き倒す技です。ちょうど、雑巾を絞るイメージです。
なお、フックには大きく二種類があり、相手の手首を下敷きにするように下方に噛むローフック(下噛み)と、後方に捻り上げながら上をとるハイフック(上噛み)とがあります。
フックの初動と軌道
フックの初動は真横、またはやや斜め前方にになります。
こちらが、フックの軌道を上から見た図になります。
フックの初動は、①回外回旋(手の平が手前を向く方向に捻る)しながらの横方向への動きになります。ローフック(下噛み)の場合はほんの少し前方へ、ハイフック(上噛み)の場合はほんの少し後方へ動くのが一般的です。
そして、しっかりと相手の手を捕らえたら、②斜め後方・下方に引き下げます。これで、相手の手は完全に自分よりも下になります。
最後に、③親指方向に手首を捻りつつ横方向・やや斜め後方に向けて倒します。この動作を、いわゆる「絞る」と呼びます。
横からフックの軌道を見たのが、こちらの図です。
①横方向に回旋し
②斜め後ろに引き下げ
③斜め横に捻り倒す
という手順で、三次元軌道で相手を倒します。
フックの三次元軌道を再現する鍛え方
フックの三次元軌道を再現しながら腕を鍛えるのに最適なのが、こちらのようなケーブルマシン+専用アタッチメントを使用したトレーニングです。
①一般的なトレーニングマシンは軌道が固定されているのに対し、ケーブルマシンは軌道がフレキシブルであること。
②フリーウエイトでは再現できない「上や前から引く動作」が可能であること。
この二点がケーブルマシンがアームレスリングのトレーニングに必須である理由です。
なお、使用されているアタッチメントは、海外では「デボンララット・ハンドル」と呼ばれ、フックの名人として名高い世界チャンピオン、デボン・ララット選手の監修で製作されています。
フックハンドル
また、自宅でアームレスリングトレーニングを行う場合、ケーブルマシンのかわりにトレーニングチューブを使用することで実戦的な軌道が再現可能です。
アームレスリングの技の軌道
アームレスリングの二大テクニックであるトップロールとフックは、それぞれ直線軌道で動作するのではなく、複雑な三次元軌道を描くように動作します。
トップロールに関しては、下記の記事をご参照ください。