本記事は、生物学の学芸員として身体構造に携わってきた経験と、競技者として実際に身体を使ってきた視点から、筋肉の名称と働きを分かりやすく解説するものです。医療目的ではなく、身体の理解と安全なトレーニングのための教育的な情報をまとめています。

広背筋(musculus latissimus dorsi)の構造や作用を解説するとともに、その起始停止および支配神経もご紹介します。また、日常や筋トレにおいての具体的な働きについても解説します。なお、筋肉の構造と作用に関しては下記の学術サイトを参照しています。
・https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/
広背筋の作用
上腕の内転・上腕の内旋・体幹の伸展・体幹の回旋・肩関節の伸展・肩関節の内転・肩関節の内旋・肩甲骨を引き下げる・骨盤の挙上
広背筋の起始停止
起始
第6胸椎以下の脊椎・腸骨上部・肩甲骨下部
停止
上腕骨上部小結節稜
広背筋の支配神経
胸背神経
広背筋の具体的な働き
腕を閉じる・腕を上から引き寄せる・腕を下ろす・背すじを伸ばす・体幹を捻るなどの動作において働きます。
筋トレにおける具体的な働き
ローイング系種目やラットプル系種目において、上方や前方から腕を引き寄せるで働きます。
関与する主な筋トレ種目
チューブデッドリフト
チューブラットプル
チューブローイング
チューブベントオーバーロー
ダンベルデッドリフト
ダンベルローイング
ワンハンドダンベルローイング
ダンベルベントオーバーロー
ダンベルベンチローイング
ダンベルストレートアームプルオーバー
Tバーローイング
スミスマシンデッドリフト
ラットマシンプルダウン
ケーブルローイング
ケーブルプルオーバー
バーベルデッドリフト
バーベルベントオーバーロー
バーベルプルオーバー
全身の主な筋肉の名称・作用

身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑

【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
全身の筋肉のなかでも筋トレで鍛える対象となる骨格筋(表層筋・深層筋)を部位別にその名称と作用を解説します。また、あわせて各筋肉部位別の代表的な筋トレ種目を図説するとともに、部位別筋トレ記事(動画付き)のリンクもご紹介します。
なお、体...
主な体幹インナーマッスル

体幹インナーマッスルの作用・名前と鍛え方|深層筋の筋トレ方法
女性のための筋肉図鑑

【筋肉の名前の読み方と役割】女性が筋トレで鍛えるべき部位と効果を図解
