前腕筋群を鍛えるための基本的な筋トレがリストカール系種目ですが、リストカール系種目にはカールする方向や使用する器具によって様々なバリエーションがあります。それらを動画をまじえて解説します。
リストカールが効果のある筋肉部位
リストカール系種目が効果のある筋肉部位は一般的に前腕筋群と呼ばれている部位ですが、これには円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、方形回内筋、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、回外筋、尺側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、示指伸筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長母指外転筋と20近くの筋肉があります。
そして、「手首を伸展させる」「手首を屈曲させる」「手首を回内させる」「手首を回外させる」「手首を内転させる」「手首を外転させる」「手を開閉する」といった様々な動作をつかさどっています。
リストカール系種目では、手首を屈曲させる「前腕屈筋群」、手首を伸展させる「前腕伸筋群」、手首を親指側に曲げる「腕橈骨筋」の3つに分類し、それぞれを鍛えるのが「リストカール」「リバースリストカール」「リストハンマー」となります。
そして、この3種目はダンベル・バーベル・トレーニングチューブ・ケーブルマシンを使って行うことができます。
また、このほかに手首を回旋させる力を鍛えるためのリストローテーション系種目があります。
リストカール系種目の適切な負荷・回数設定
前腕筋群は一般的な骨格筋とは若干筋繊維の構成が異なります。これは、前腕筋群が日常生活での使用頻度が極めて高いことに起因しており、超回復期間が24時間程度の持久筋で構成されています。
このため、一般的な骨格筋の筋トレとは異なり、低負荷高反復回数でのトレーニングは必要で、具体的には30回以上の反復で限界がくる重量設定が必要です。
それでは、以下にリストカール系種目の各バリエーションを分類してご紹介しますので、ご参照ください。
ダンベルを使ったリストカール系種目
ダンベルでのリストカール系種目は、可動範囲が広くとれ、曲線的な軌道で動作ができることがメリットです。
ダンベルリストカール
ダンベルリストカールは前腕屈筋群に有効な種目です。
ダンベルリバースリストカール
ダンベルリバースリストカールは前腕伸筋群に有効な種目です。
ダンベルリストハンマー
いわゆるヘッドの力と呼ばれる橈屈力(腕橈骨筋)は、リストハンマーで鍛えられます。
こちらのようなバーチカルバーは、リストハンマー専用のシャフトで、効果的に負荷を加えられるようにシャフトが曲げられた構造をしています
バーベルを使ったリストカール系種目
バーベルでのリストカール系種目は、片手に比べ高重量で負荷を与えられるのがメリットです。
バーベルリストカール
バーベルリバースリストカール
バーベルを使ったリストカールとリバースカールのやり方が、こちらの画像のような方法です。
トレーニングチューブを使ったリストカール系種目
トレーニングチューブでのリストカール系種目は、動作のどのポジションでも負荷がかかり続けるとともに、曲げれば曲げるほど負荷が強くなる暫増負荷で鍛えられるのがメリットです。
チューブリストカール
チューブリストハンマー
トレーニングチューブを使ったリストカールとリバースカールのやり方が、こちらの動画のような方法です。
ケーブルマシンを使ったリストカール系種目
ケーブルマシンでのリストカール系種目は、他の器具では再現できない方向(上から下へリストカールするなど)で鍛えられることと、動作のどのポジションでも均一な負荷がかかり続けることがメリットです。
ケーブルリストカール
ケーブルリバースリストカール
ケーブルマシンを使ったリストカールとリバースカールのやり方が、こちらの動画のような方法です。
リストカールの正しい動作とフォーム
①各種の負荷をグリップして構える
②肘関節を動かさないように気をつけ、手首関節を屈曲させていく
③手首関節を曲げきったら、意識的に前腕筋群を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
⑤できるだけ手首関節を伸展させ、前腕筋群を最大限ストレッチさせ、再び動作を繰り返す
※リバースリストカールの場合は、屈曲動作と伸展動作の関係が逆になります。
リストローテーション
手首の回旋力を鍛えるための種目がリストスピローテーションです。回内回旋をプロネーション、回外回旋をスピネーションと言います。
リストスピネーションやリストプロネーションを効果的にするための専用器具には以下のようなものがあります。