腕相撲(アームレスリング)に必要な3種類の握力=クラッシュ力・ピンチ力・ホールド力それぞれの特徴、技ごとに必要となる鍛え方について解説します。
※本記事は提供元サイト(GLINT&bukiya.net)より転載・出力しています。著作権・コンテンツ権・引用および免責事項についてはこちらをご参照ください。また、執筆者情報についてはこちらをご参照ください。
※当サイトでは厚生労働省・Wikipediaなどの公共性・信頼性の高いサイトの情報を元に科学的な根拠(エビデンス)を担保しています。それらについてはこちらの一覧をご参照ください。
握力の3種類
クラッシュ力
クラッシュ力は一般的に広く認識されている握力で、指をぎゅっと握りこんで何かを握りつぶすような時に働く握力のことです。
クラッシュ力は、多くのスポーツ競技で重要とされる握力ですが、手を小さく握りこむことがない腕相撲(アームレスリング)においては重要度が低い握力の種類です。
ただし、手の力の基礎筋力として鍛えていくことは大切で、上図のようにハンドグリッパーを通常の向きで使用して鍛えていきます。
ピンチ力
ピンチ力は、指の関節を伸ばした状態でいわゆる「はさむ」「つまむ」といった動作で作用する握力です。
ピンチ力の鍛え方としてブロックやウエイトプレートをつまんで保持する鍛え方が一般的ですが、上図のようにハンドグリッパーを通常と逆向きに使用することで鍛えることもできます。
ホールド力
ホールド力は握った状態で指が開かないように保持する筋力です。
バスケットボールやメディシンボールを保持する、バーベルやダンベルシャフトのグリップを太くしてトレーニングを行うといった方法で鍛えることが可能です。
腕相撲(アームレスリング)の技と握力
腕相撲(アームレスリング)の2種類の技
腕相撲(アームレスリング)には大きく2つのテクニックがあり、それぞれ、吊り手(トップロール)と噛み手(フック)と呼ばれています。
簡単に説明すると、トップロールはテコの力で相手の指先を吊り上げて倒す技、フックは相手の拳を自分の手首の下敷きにして倒す技です。
それぞれの技の特徴とやり方は、下記の2つの記事をご参照ください。
トップロールのやり方
フックのやり方
吊り手(トップロール)に重要なピンチ力
吊り手(トップロール)の動作において重要なのが、相手の親指をしっかりとコントロールすることですが、これは主に親指と人差し指のピンチ力で相手の親指を「つまんで離さない」ことで行います。
このため、吊り手(トップロール)でもっとも重要な握力はピンチ力となります。
噛み手(フック)に重要なホールド力
噛み手(フック)の動作において重要なのが、相手に吊られないようにしっかりと相手の拳を掴まえておくことですが、これは主に中指~小指にかけての三本の指のホールド力によって行います。
このため、噛み手(フック)でもっとも重要な握力はホールド力となります。
スポンサーリンク
握力だけでなく手首の力も重要
握力を生み出す筋肉は前腕筋群です。前腕筋群に起因する力として、握力以外に「手首の力」があり、これも腕相撲(アームレスリング)にきわめて重要な要素です。前腕筋群を構成する筋肉と手首関節に対する作用は以下のとおりです。
前腕筋群は19の筋肉から構成され、主に手首関節の屈曲(掌屈)・伸展(背屈)・外転(橈屈)・内転(尺屈)・回内・回外の作用を持ちます。
筋力トレーニングとしては手首の曲げる・伸ばす・捻る働きがあります。また、前腕伸筋群と前腕屈筋群に部位わけされます。
腕相撲(アームレスリング)においては特に回内(トップロール)と屈曲(フック)が重要となります。
前腕屈筋群
円回内筋(musculus pronator teres)
橈側手根屈筋(musculus flexor carpi radialis)
長掌筋(musculus palmaris longus)
尺側手根屈筋(musculus flexor carpi ulnaris)
浅指屈筋(musculus flexor digitorum superficialis)
深指屈筋(musculus flexor digitorum profundus)
長母指屈筋(musculus flexor pollicis longus)
方形回内筋(musculus pronator quadratus)
前腕伸筋群
腕橈骨筋(musculus brachioradialis)
長橈側手根伸筋(musculus extensor carpi radialis longus)
短橈側手根伸筋(musculus extensor carpi radialis brevis)
回外筋(musculus supinator)
尺側手根伸筋(musculus extensor carpi ulnaris)
総指伸筋(musculus extensor digitorum)
小指伸筋(musculus extensor digiti minimi)
示指伸筋(musculus extensor indicis)
長母指伸筋(musculus extensor pollicis longus)
短母指伸筋(musculus extensor pollicis brevis)
長母指外転筋(musculus abductor pollicis longus)
引用:Wikipedia「前腕筋」
▼関連記事
吊り手・トップロールのトレーニング器具
トップロールに最適なトレーニング器具がこちらのアームシャーク(プロネーションハンドル)です。
回内回旋力を鍛えるプロネーション動作だけでなく、ヘッドを立てる力を鍛える動作でも使えます。
具体的な使い方は、こちらのEAC公式動画をご覧ください。
回内・回外・橈屈といったアームレスリングに重要な手首の回旋力・屈曲力を集中的に鍛えるためのハンドルです。本製品は国際的に非常に人気の高い「アームシャーク」と呼ばれる製品で、あまりの人気ゆえにコピー商品が出回っていますが、本製品は正規メーカーから正規輸入した正真正銘のアームシャークの本物です。※生産ロットによってはグリッ
mazurenkojp.base.shop
スポンサーリンク
噛み手・フックのトレーニング器具
噛み手・フックのトレーニングに非常に有効なのが、こちらのデボンカッピングツールです。
本トレーニング器具は、フックの名手として名高いアームレスリング世界チャンピオン「デボン・ララット」が考案したもので、世界的にも評価の高いトレーニング器具です。
具体的にはストラップが小指側にくるようにカップを握り、実際の握りに近くなるよう親指をカップの中に入れます。
そして、小指側のストロークでストラップを巻き取るように手首を曲げて鍛えていきます。
北米で最大のシェアを持つアームレスリング器具メーカーのEZREAL製品です。滑り止めは厚いラバー製でカナダメーカーらしく高品質な製品です。北米を中心に流行しているデボン・カッピングツールで、さまざまな使い方がyoutubeで紹介されています。ページ下方にデボン・ララットのYouTube動画を設置していますので、ご参照く
mazurenkojp.base.shop
Mazurenkoフックハンドル
フックハンドルはアームレスリング元世界チャンピオンのデボン・ララット選手が考案開発したリスト力を鍛えるための前腕トレーニング器具(ケーブルアタッチメント)で、小指側のリスト力を集中的に鍛えられます。 このため、海外ではデボンララットハンドルとも呼ばれています。腕相撲・アームレスリングのみならず、リストのストローク力を要
mazurenkojp.base.shop
横倒し・サイドプレスのトレーニング器具
Mazurenkoストラップローラー
横倒し・サイドプレスに最適なトレーニング器具がこちらのストラップローラーです。
通常のローラーと違い、手の甲がストラップで固定されるため「手でローラーを握りしめる」必要がなく、高重量でサイドプレスの動作に専念できることが特徴です。
ストラップローラーはアームレスリング元世界チャンピオンのイゴール・マズレンコ氏(現世界連盟会長)が考案開発した、内回転・外回転を加えながらリストのストローク力を鍛えるための前腕トレーニング器具(ケーブルアタッチメント)です。 ストラップが手の甲を固定する構造のため、ローラーを強く握る必要がなく、手の平の面でストローク
mazurenkojp.base.shop
EACハンドカッピングツール
ハンドカッピングツールは通常のローラーと違い、グリップ部分が四角形になっており、より実戦に近い握りでトレーニングすることができます。
北米で最大のシェアを持つアームレスリング器具メーカーのEZREAL製品です。ハンドカッピングツールは四角い形状が特徴のストラップつきローラーで、指先に負荷がかかりやすい構造になっています。アームレスリングの世界チャンピオンであるミンダウガス・タラサイティスが本タイプのハンドルを愛用していることで知られています。Mazu
mazurenkojp.base.shop
腕相撲のコツと鍛え方
アームレスリング・アジアメダリストが解説
腕相撲に勝つためのコツや握り方を、アームレスリング競技の技=吊り手(トップロール)と噛み手(フック)ごとに具体的な握り方(指の使い方)や構え方も含めて解説します。また、後半では腕相撲が強くなるために必要な筋肉部位とその筋トレ方法や器具についてもご紹介します。