上腕二頭筋の部位別(短頭と長頭)に集中的な負荷をかけられる捻りを加えたダンベルカールについて、それぞれに適切な回旋方向と具体的なやり方を解説します。
上腕二頭筋の構造と作用
上腕二頭筋は長頭と短頭に2つの部位に分けられ、それぞれの作用は以下の通りです。
上腕二頭筋長頭:肘関節の屈曲
上腕二頭筋短頭:肘関節の屈曲と前腕の回外
二頭の名の通り起始部が長頭と短頭に分かれている。作用としては前腕の屈曲と回外(肘を90°で固定し手のひらを上に向ける動作)を行う。屈曲時には上腕筋、烏口腕筋などと共に協調して働くが、純粋に前腕の屈曲をする主動作筋は上腕筋である。
上腕二頭筋全体を効率よく鍛える種目はダンベルカールやバーベルカール、短頭を鍛えるにはコンセントレーションカールやプリーチャーベンチカール、長頭ならインクラインカールやインクラインハンマーカールなどが効果的である。他にも、ナローチンニング(懸垂)なども効果的である。
前腕の回外とはどんな動き?
回外(スピネーション)とは手の平を手前に向ける回旋方向に前腕を捻ることで、上腕二頭筋短頭が直接的に関与します。
回内(プロネーション)とは手の甲を手前に向ける回旋方向に前腕を捻ることで、間接的に上腕二頭筋長頭が関与します。
これらの回旋動作を加えたカールを、それぞれスピネーションカール・プロネーションカールと呼びます。
たとめると以下のようになります。
・上腕二頭筋短頭に効果的な前腕回外動作をともなった種目=ダンベルスピネーションカール
・上腕二頭筋長頭に効果的な前腕回内動作をともなった種目=ダンベルプロネーションカール
上腕二頭筋短頭のひねり種目
ダンベルコンセントレーションカール(ダンベルスピネーションカール)
回外方向に捻りを加えるダンベルカールのなかでも、もっとも一般的なものがダンベルコンセントレーションカールです。
◆ダンベルコンセントレーションカールのやり方と動作ポイント
①ベンチに座り、太ももの内側に肘を当て、ダンベルを片手でグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてダンベルを胸の前に持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら前腕を回外回旋させて上腕二頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
ダンベルを持ち上げた後に、前腕を回外回旋させることが、上腕二頭筋短頭を強く収縮させるためには重要です。
上腕二頭筋長頭のひねり種目
回内式ダンベルカール(ダンベルプロネーションカール)
回内方向に捻りを加えるダンベルカールはやや特殊で、腕を伸ばしたスタート位置では通常のダンベルカールのグリップ向きから始まり、回内回旋を加えながら肘を曲げていき、フィニッシュ位置ではハンマーカールのグリップ向きになるように動作します。
ダンベルカールのバリエーション
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