自宅で自重トレーニングとフリーウエイトトレーニング(ダンベル筋トレ)を組み合わせる場合の順番・負荷回数設定・有効な鍛え方を解説します。
まずは、自重トレーニングとダンベルトレーニングの特徴(長所・短所)について解説していきます。
ウエイトトレーニングに関する厚生労働省の記載
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。
レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えばスクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。無理のない範囲で「継続的」に行うようにしてください。
筋力トレーニング(ウエイトトレーニング)とは?
筋力トレーニング(きんりょくトレーニング)とは、骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称。目的の骨格筋へ抵抗(resistance)をかけることによって行うものは、レジスタンストレーニングとも呼ばれる。抵抗のかけ方にはさまざまなものがあるが、重力や慣性を利用するものや、ゴムなどによる弾性を利用するもの、油圧や空気圧による抵抗を用いるものが一般的である。重力による抵抗を利用する場合は特に、ウエイトトレーニングとも呼ばれる。
自重トレーニングの特徴
自重トレーニングに多い誤解に、「自重トレーニングは重りを使わないからウエイトトレーニングではない」というものがありますが、英語で表記するとBodyWeightTrainning=ボディーウエイトトレーニングとなり、立派なウエイトトレーニングの一種に分類されるレジスタンストレーニングです。
自重トレーニングは、文字通り自分の体重を負荷に使用し器具なしで行うトレーニング方法です。
いつでもどこでもできる反面、負荷調整ができず、また、個別に筋肉部位を鍛えられないデメリットがあります。
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ダンベルトレーニングの特徴
ダンベルトレーニングは自宅筋トレとしては、もっとも優れた方法で、複数の筋肉を同時に鍛える複合関節運動(コンパウンド種目)から単一の筋肉を集中的に鍛える単関節運動(アイソレーション種目)まで非常に種目が豊富なのが特徴です。
ダンベルトレーニングは短いシャフトに任意のプレートを取りつけることで、自由に負荷を調整できる上、自宅でも簡単に取り組むことができます。
ただし、片手ずつでウエイトを保持するため、高重量・高負荷でのトレーニングができないというデメリットがあります。
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理想的な自重とダンベルの組み合わせ方
自重筋トレで追い込みダンベル筋トレで仕上げる
自重トレーニングとダンベルトレーニングの理想的な組み合わせ方としては、複合関節運動である自重筋トレでターゲットの筋肉群を追い込んでおき、ダンベル筋トレの単関節種目で一つの一つの筋肉を集中的に仕上げていくという方法です。
全身の主な筋肉を知る
トレーニングの基本として重要
筋肉を鍛えていく上で、重要なのが全身の主な筋肉のグループ分けとそれぞれの作用を知ることです。
全身の筋肉は、主に4つのグループに分けられ、それぞれの主な作用は以下の通りです。
上半身の押す筋肉グループ
◯大胸筋
胸の筋肉で腕を前に押し出す・前で閉じる作用がある
◯三角筋
肩の筋肉で腕を上・横・前・後ろに上げる作用がある
◯上腕三頭筋
腕の後ろの筋肉で肘を伸ばす作用がある
上半身の引く筋肉グループ
◯広背筋
背中の筋肉で腕を上や前から引き寄せる作用がある
◯僧帽筋
背中の筋肉で腕を下から引き寄せる作用がある
◯上腕二頭筋
腕の前の筋肉で肘を曲げる作用がある
体幹の筋肉グループ
◯腹筋群
体幹前側の筋肉で胴体を曲げる・捻る作用がある
◯脊柱起立筋群
体幹後ろ側の筋肉で胴体を伸ばす作用がある
下半身の筋肉グループ
◯大腿四頭筋
太腿前側の筋肉で膝を伸ばす作用がある
◯ハムストリングス
太腿後ろ側の筋肉で膝を伸ばす作用がある
◯臀筋群
お尻の筋肉で股関節を伸ばす作用がある
以上は、あくまでも筋トレをしていく上で、最低限知っておくべき筋肉で、このほかの数多くの筋肉があります。
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筋トレ目的に合わせた重量設定
筋トレを始めるにあたって、まず知っておきたいのがトレーニング目的別の重量設定の方法で、そのためには筋肉を構成する3種類の筋繊維の特徴を理解しなくてはいけません。それは、以下の通りです。
ターゲットにする筋繊維に最適な反復回数
筋トレをするには大きく二つの目的があり、一つは逞しい身体を作る筋肥大で、もう一つはダイエットなどの引き締めです。
筋肉を構成する筋繊維には「FG筋(速筋繊維TYPE2b)」「FO筋(速筋繊維TYPE2a)」「SO筋(遅筋繊維TYPE1)」があり、鍛えると前者ほど筋肥大し、後者ほど引き締まります。
そして、それぞれを効率的に鍛える反復回数(その回数で限界がくる)と適合する筋トレ目的は以下の通りです。
○FG筋(速筋繊維TYPE2b):10回前後:バルクアップ筋トレ
○FO筋(速筋繊維TYPE2a:15回前後:細マッチョ筋トレ
○SO筋(遅筋繊維TYPE1:20回以上:ダイエット筋トレ
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。老化が早く、20歳前後から急速に衰えるといわれています。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。年齢を重ねても衰えにくいといわれています。骨格筋の収縮は、筋繊維の中にあるアデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれる化合物が分解してリン酸基がひとつはずれ、アデノシン二リン(ADP)になるときに発生するエネルギーを利用しています。
それでは、次の項目では具体的な自重トレーニングとダンベルトレーニングの組み合わせ方をご紹介していきます。いずれも、自重での複合関節運動(コンパウンド種目)を先に行い、ダンベルでの単関節運動(アイソレーション種目)で仕上げる順番になっています。
大胸筋の自重+ダンベル組み合わせ例
腕立て伏せ
自宅での自重トレーニングで大胸筋を鍛える最もスタンダードな種目が腕立て伏せです。
背筋を伸ばし、肘の真下に手がくるように構えて行ってください。
また、プッシュアップバーを併用すると可動範囲が広がり、腕立て伏せの効果が大幅に高まります。
◆腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり腰を曲げたりせずに身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
大胸筋を完全収縮させるためには、顎をやや引くようにしてください。
ディップス
特別な道具がなくても、椅子を二つ使うことで代用できます。
◆ディップスのやり方と動作ポイント
①デップスバーをグリップし、胸を張り肩甲骨を寄せ、足を浮かせて構える
②肩甲骨を寄せたまま、脇をしめ、身体をやや前傾させて身体を下ろす
③上腕が床と平行になるまで身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま身体を押し上げる
④身体を押し上げたら、しっかりと肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
ディップスで肩を痛めないためには、身体を前傾させることと、肩甲骨をしっかりと寄せて動作することが重要です。
ダンベルフライ
自重トレーニングの仕上げとして効果的なのがダンベルフライです。
腕を閉じたフィニッシュのポジションでやや腕を上に持ち上げる動きを加えるとさらに効果が高まります。
◆ダンベルフライのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、肘を曲げずに腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③ダンベルを下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道で腕を閉じる
④腕を閉じたら、ダンベルを少し押し上げながら顎をやや引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肩を痛めないためには、肩のラインよりもヘソ側にダンベルを下ろすようにすることが大切です。
インクラインダンベルフライ
インクラインベンチを使って行うインクラインダンベルフライは大胸筋上部の仕上げトレーニングに最適なダンベル筋トレ種目です。
◆インクラインダンベルフライのやり方と動作ポイント
①インクラインベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、肘を曲げずに腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③ダンベルを下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道で腕を閉じる
④腕を閉じたら、ダンベルを少し押し上げながら顎をやや引いて大胸筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
腰を浮かせて動作を行うと、せっかくの大胸筋上に負荷のかかる軌道が損なわれますので、しっかりとインクラインベンチに背中と腰をつけて行ってください。
三角筋の自重+ダンベル組み合わせ例
パイクプッシュアップ
大きく腰を曲げた状態で行うパイクプッシュアップは三角筋に効果の高い自重トレーニングです。
さらに負荷を高めたい場合は、足を椅子の上などに乗せて行ってください。
◆パイクプッシュアップのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、腰を大きく曲げ、甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、斜め前方に身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を斜め後方に押し上げる
◆ワンポイントアドバイス
三角筋に負荷のかかる、腕を上方に押し出す軌道になるように、身体を斜め前に下ろすことが大切です。
ダンベルフロントレイズ
三角筋前部を集中的に鍛えることのできるのがダンベルフロントレイズです。
反動を使うと僧帽筋に刺激が逃げてしまうので注意してください。
慣れるまでは左右交互に挙上するオルタネイト動作で行うことをおすすめします。
◆ダンベルフロントレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを前に上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
ダンベルサイドレイズ
三角筋中部を集中的に鍛えることのできるダンベル種目がダンベルサイドレイズです。
反動を使わないことがポイントで、もし、膝の屈伸を使わないと挙上できないのであれば、その重量設定は重すぎます。
◆ダンベルサイドレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを横に上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
ダンベルリアラテラルレイズ
三角筋後部を集中的に鍛えることのできるのがダンベルリアラテラルレイズです。
姿勢の制御がやや難しい種目なので、慣れるまでは上図のように頭を何かにつけて行うとよいでしょう。
◆ダンベルリアラテラルレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを後ろに上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
上腕三頭筋の自重+ダンベル組み合わせ例
ベンチディップス
ベンチディップスは、上腕三頭筋のなかでも長頭を集中的に鍛えられる自重トレーニングです。
肘をできるだけ閉じて動作を行うことがポイントです。
◆ベンチディップスのやり方と動作ポイント
①足を前に伸ばし、肩甲骨を寄せ、手を身体の後ろ側について構える
②身体を真下に下ろしていく
③上腕が床と平行になるまで身体を下ろしたら、肘を伸ばして身体を押し上げていく
④身体を押し上げたら、肘をしっかりと伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せずに動作を行うと肩関節に強い負担がかかりますので注意してください。
ダンベルキックバック
上腕三頭筋のなかでも長頭に効果的なのがダンベルキックバックです。
腕を完全に伸ばせる重量設定で行うのが最大のポイントです。
◆ダンベルキックバックのやり方と動作ポイント
①片手をベンチにつき、もう片手でダンベルを保持し、肘を曲げた位置で構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと背筋群に負荷が逃げてしまうので、肘の位置をしっかりと固定して行うことが大切です。
背筋群の自重+ダンベル組み合わせ例
懸垂
自重トレーニングで広背筋・僧帽筋を鍛えるスタンダードな種目が懸垂です。
順手のノーマルグリップで行えば広背筋に、縦持ちのパラレルグリップで行えば僧帽筋に負荷がかかります。
◆懸垂のやり方と動作ポイント
①肩幅よりも広い手幅でバーをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、腕を曲げて身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
ダンベルシュラッグ
ダンベルショルダーシュラッグは僧帽筋を集中的に鍛えられるダンベル筋トレです。
僧帽筋を意識して、他の背筋群を使わないように動作をしてください。
◆ダンベルショルダーシュラッグのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、肘を伸ばし腕を下ろした位置でダンベルを持って構える
②肘を伸ばしたまま肩甲骨を引き寄せてダンベルを引き上げていく
③肩甲骨を引き寄せたら、顎をやや上げて僧帽筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩関節や肘関節を動かしてしまうと、僧帽筋から負荷が逃げてしまいますので肩甲骨を寄せる動作だけに集中して行ってください。
ダンベルリバースフライ
①前傾姿勢をとり、ダンベルを保持し、肘を伸ばして拳を胸の前で構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せながら腕を開いていく
③腕を開いたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨をしっかりと寄せないと、背筋群ではなく三角筋後部に負荷がかかってしまうので注してください。
上腕二頭筋の自重+ダンベル組み合わせ例
逆手懸垂
手を逆手にするリバースグリップで行う懸垂は、自宅で上腕二頭筋を鍛えるのに最適な自重トレーニングです。
手幅を拳一つ分ほどに狭めるとより効果的です。
◆逆手懸垂のやり方と動作ポイント
①肩幅よりも狭い手幅でバーを逆手にグリップして構える
②肩甲骨をあまり寄せずに腕の力で身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、ウエイトに耐えながらゆっくりと筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せると背筋群に負荷が逃げてしまいますので注意してください。
ダンベルカール
自宅でのダンベルトレーニングで上腕二頭筋に効果的なのがダンベルカールです。
挙上するときに小指が上になるように旋回させると長頭(力こぶの高さ)に、逆方向に旋回させると短頭(力こぶの太さ)に効果があります。
なお、アームブラスターと呼ばれるギアを併用すると、完全に反動をなくした状態で上腕二頭筋に負荷を爆発的に集中することができます。
◆ダンベルカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
ダンベルハンマーカール
ダンベルを縦にグリップして行うダンベルハンマーカールは、上腕二頭筋のなかでも長頭(外側)に効果的なやり方です。
◆ダンベルハンマーカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置で手の平が向き合うようにダンベルをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
ダンベルコンセントレーションカール
フィニッシュで回外運動(内側にひねる)を加えることで、上腕二頭筋短頭が最大収縮し効果がさらに高まります。
◆ダンベルコンセントレーションカールのやり方と動作ポイント
①ベンチに座り、太ももの内側に肘を当て、ダンベルを片手でグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げてダンベルを胸の前に持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら前腕を回外回旋させて上腕二頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
ダンベルを持ち上げた後に、前腕を回外回旋させることが、上腕二頭筋短頭を強く収縮させるためには重要です。
腹筋群の自重+ダンベル組み合わせ例
クランチツイスト
腹直筋だけでなく同時に腹斜筋を鍛えることのできる強度の高い種目が、クランチにひねり動作を加えたクランチツイストです。
◆クランチツイストのやり方と動作ポイント
①仰向けになり、足を四の字に組み、手を頭の後ろで組んで構える
②息を吐きながら上半身を起こし、上げたほうの膝と対角線の肘を合わせにいく
③膝と肘を合わせたら、息を全て吐いて顎を引き、腹直筋および腹斜筋を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
⑤所定の回数を行ったら、足を組み替えて反対側も同じように動作する
◆ワンポイントアドバイス
比較的小さな動きで腹筋群を全体を鍛えられる種目ですが、ゆっくりとした動作で確実に効かせるのがコツです。
ダンベルクランチ
ダンベルを使って腹直筋上部を効率的に鍛えることのできるのがダンベルクランチです。
息を吐きながらダンベルを押し上げ、できるだけ高く持ち上げて息を吐ききりましょう。
◆ダンベルクランチのやり方と動作ポイント
①仰向けになり、ダンベルを胸の上で構える
②息を吐きながら上半身を起こし、ダンベルを高く上げる
③ダンベルを上げたら、息を全て吐いて顎を引き、腹直筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を起こすよりも、ダンベルを高く上げる意識で行ってください。
ダンベルレッグレイズ
ダンベルレッグレイズは、足先にダンベルを挟むことで負荷強度を大幅に上げた腹直筋下部のトレーニング方法です。
腰を反らせたり、反動を使ったりしないように注意して行ってください。
◆ダンベルレッグレイズのやり方と動作ポイント
①仰向けになり、足を伸ばしてつま先でダンベルを保持して構える
②息を吐きながら足を上げていく
③足を45度ほど上げたら、息を全て吐いて顎を引き、腹直筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ足を下ろす
⑤反動を使わず再び足を上げていく
◆ワンポイントアドバイス
呼吸と顎の動作を意識して腹直筋を最大収縮させることが大切です。
また、反動を使うと腰を痛めるリスクがありますので注意してください。
下半身の自重+ダンベル組み合わせ例
自重スクワット
自宅で行う自重トレーニングとして最適な種目が自重スクワットです。
胸を張り、背中を反らせたニーベントスタイルが動作の基本です。
また、膝関節を痛めないために、膝がつま先より前にでないように気をつけてください。
◆自重スクワットのやり方と動作ポイント
①足を肩幅程度に開き、背すじを伸ばして構える
②膝がつま先よりも前に出ないように気をつけ、お尻を突き出しながらしゃがんでいく
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
◆ワンポイントアドバイス
椅子に座る要領で動作をすると正しいフォームになります。また、背中が丸くならないように、視線をやや上に向けるのがコツです。
フロントランジ
フロントランジはブルガリアンスクワットの強度を落としたようなスクワット系種目です。
後ろにした足を中心に動作を行うことでハムストリングスに効果があります。
◆フロントランジのやり方と動作ポイント
①片側の足を前に出し、片側の足を後ろに引いて構える
②前にした足の膝がつま先よりも前に出ないように、斜め後ろにしゃがんでいく
③前にした足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに同じ軌道で立ち上がる
④所定回数を行った後、足の前後をかえて再び同様の動作を行う
◆ワンポイントアドバイス
前にした足を主働で行うと大腿四頭筋に、後ろにした足を主働で行うとハムストリングスに効果があります。
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグエクステンションは大腿四頭筋の仕上げ種目として最適な単関節種目です。
◆ダンベルレッグエクステンションのやり方と動作ポイント
①椅子に座り、つま先にダンベルを挟んで構える
②膝を伸ばしてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、つま先を手前に曲げて大腿四頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を後ろに倒すと、負荷が腹筋群に逃げてしまうので注意が必要です。
ダンベルレッグカール
ダンベルレッグカールは、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋から構成されるハムストリングスの仕上げ種目として最適な単関節種目です。
◆ダンベルレッグカールのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、つま先でダンベルを挟んで構える
②膝を曲げてダンベルを持ち上げていく
③ダンベルを持ち上げたら、つま先を伸ばしてハムストリングスを完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせると、負荷が脊柱起立筋に逃げてしまいますので気をつけてください。
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事
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