ベンチプレスをしたことのない初心者に「バーを胸につけるまで下ろす」と指導するのは無茶です。そもそも、肩を怪我します。まずは、基本的な正しいフォームを覚え、その後、段階を追ってバーを胸につけるようにしていけば問題ありません。
初心者がベンチプレスを胸まで下ろすと肩に負担がかかる理由
なぜ初心者はベンチプレスのバーを胸につけようとすると肩関節に負担となるのでしょう?
答えは主に二つです。
①肩甲骨を寄せずベタ寝
②ブリッジが組めず高さ不足
これは、肩が痛くなりますね。
ベンチプレスのブリッジとは
逆に、ベンチプレスの競技者レベルになるとこんな感じです。
ほとんど、同じ種目とは思えないような違いですが、これもベンチプレスです。
上の写真のような初心者の方が、下の写真のようなフォームになっていくのにはずいぶんと練習が必要ですが、その過程は以下のようになります。
①の肩甲骨の寄せは、意識をしてフォーム練習をすれば数回のトレーニングでできるようになります。ただし、高重量では肩甲骨のロックが外れてしまいますが、これは上背筋群を強化していけば解消されていきます。じっくりと期間をかけて大胸筋群と並行して上背筋を鍛えていきましょう。
あわせて、回旋腱板=ローテーターカフの強化もおすすめします。
②はもともと股関節の柔らかい人ならば、コツさえ掴めばすぐにできるようになります。ベンチプレスのブリッジは背中の柔らかさのように誤解されていますが、実際に高いブリッジを組むときにネックになるのは股関節です。股関節が硬いと、ブリッジに必要な骨盤の傾斜角度に大腿と下腿の角度がついていけず、全く踏ん張ることができません。
毎日の柔軟で少しずつ解消していきましょう。また、高重量プレスでブリッジを維持するためには長背筋群の強さが必要です。デッドリフトやスクワットなど筋トレBIG3で鍛えていきましょう。
では、実際に全くの初心者で、しかも股関節の硬い人はどのようにベンチプレストレーニングを始めればよいのでしょう?
もちろん、①と②を改善する努力をしていくことが前提ですが、肩甲骨を寄せ高いブリッジが組めるようになるまでは、シャフトパッドを利用します。
ただし、ここでも注意が必要で、いくらシャフトパッドを使っても、肩を引かずに肩から初動するとやはり肩関節を痛めてしまいます。初心者の方は、重量にこだわる考えは完全に捨て、急がば回れで、まずは正しいフォームを習得するようにするとよいでしょう。
こちらは、知る人ぞ知る超一流ベンチプレスジムが公開しているブリッジの組み方です。ぜひ、ご参照ください。
世界ランカーによる解説
下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング世界ランカーの奥谷元哉選手による専門記事です。
【ベンチプレス100kgを挙げるやり方】フォームとメニューの組み方を元全日本王者が解説
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