筋トレに揚げ物はNG食品用に考えられていますが、筋肥大目的の筋トレにおいては筋肉合成にかなりのカロリーが必要になるので、揚げ物が必ずしもNGとは言い切れません。特に筋肉のつきにくい体質の方にとって、脂質の多い揚げ物はサプリメント以上に有効な場合もあります。
筆者の家では、あまり揚げ物はしませんが、どうしても食べたいときは麩を衣にした揚げ物を作っています。今回はいつも作っている衣を「砕いた麩100%」にして植物タンパク質を強化するとともに、炭水化物を減らした「筋トレ筋肥大むきの揚げ物」=トンカツ・唐揚げ・エビフライを制作撮影し、その具体的な作り方をご紹介します。
麩VSパン粉のカロリー・栄養素の比較
まずは、今回使用する「麩」と一般的な衣の材料である「パン粉」のカロリー・栄養素を比較します。
麩100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:385kcal
タンパク質:28.5g (114kcal)
脂質:2.7g (24.3kcal)
炭水化物:56.9g (227.6kcal)
パン粉100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:373kcal
タンパク質:14.6g (58.4kcal)
脂質:6.8g (61.2kcal)
炭水化物:63.4g (253.6kcal)
カロリーは同等だがタンパク質比率が違う
比較結果はいかがでしょう?カロリーはほぼ同等ですが、麩とパン粉ではその内容・タンパク質比率があきらかに違うことがおわかりいただけるでしょうか。
麩はパン粉に比べ、タンパク質が二倍、脂質が1/5、炭水化物も少なめで、はるかに筋トレに向いていると断言できるでしょう。
それでは、次の項目からは実際に「砕いた麩を衣にした筋トレ揚げ物」の作り方をご紹介していきます。
麩を衣にした筋トレ揚げ物の作り方
材料は豚肉・もも肉・エビ・麩・卵のみ
今回の材料がこちら、豚肉・もも肉・エビ・麩・卵になります。揚げ油はできるだけ低カロリー低コレステロールのものをチョイスしました。
まずは無駄な脂身・鶏皮・殻を除いて下ごしらえ
まずは、豚肉・鶏もも肉・エビの下ごしらえをします。豚肉は余分な脂肪部分を切りとり、鶏もも肉は皮を除去します。また、エビは殻をむき、背わたを抜いた後に開きにしました。
麩を砕いて衣を作る
具材の下ごしらえが終わったら、今回のキーポイントでもある「麩」を砕いて衣の素を作ります。フードプロセッサーで砕くと手軽ですが、手やすり鉢で砕いても簡単にできます。なお、食感を考慮して「細かくしすぎない」ことが大切です。
鶏もも肉の下ごしらえ
トンカツとエビフライは衣をつけてあげるだけですが、唐揚げには下ごしらえが必要です。今回は人気の「ニンニク焦がし醤油味」にチャレンジしました。醤油とみりんを1:1にしたタレにおろしニンニクを加えてもも肉になじませます。
トンカツとエビフライの衣つけ
唐揚げ用の鶏もも肉に下味を染み込ませている間に、トンカツとエビフライの衣つけを行いました。具を溶き卵にたっぷりと浸し、その後で衣をまぶしていきます。ポイントは身を引き伸ばすようにしながら衣をたっぷりとつけることで、これにより上げている最中に衣がはがれてしまうのを防ぐことができます。
衣をつけ終えた状態の豚肉とエビです。たっぷりと衣をかけて、10分ほど放置しておくとさらにしっかりと衣が身になじみます。
唐揚げの衣作り
トンカツとエビフライに衣をなじませている間に、下味の染み込んだ鶏もも肉に衣をつけていきます。先ほどの衣つけであまった「砕いた麩」を鶏もも肉に投入します。
しっかりと混ぜ込んだら唐揚げの準備は完成です。トンカツとエビフライの衣もなじんだことですし、いよいよ揚げていきます。
弱火で熱を通し仕上げに強火でカラッと揚げる
熱いので、揚げている最中の写真を撮る余裕はありませんでしたが、揚げ終わりました。麩はパン粉に比べると焦げやすいので、揚げ方にも慎重さが必要です。
前半は弱火でしっかりと身のなかまで熱を通し、最後に強火でカラッと揚げます。トンカツは綺麗なキツネ色に、唐揚げはみりんがちょうど焦げて香ばしい感じに仕上がりました。
エビフライは、包丁で身に切れ目を入れるのを忘れてしまったため、丸まってしまいまいた。外見的には、ちょっと失敗ですが、味は全くかわりません。
その味のほうは、「衣が麩だと言わなければ、絶対に気づかない」レベルで普通の揚げ物とかわりません。どちらかと言えば、麩はグルテンが多いのでモチモチ感が強くなり、「外はサクサク、内はモッチリ」といった感じで、パン粉の揚げ物より美味しいくらいです。
ちなみに、何も知らずに食べた筆者の家族は「すごく美味しいけどどうやって揚げたの?」と言っていましたので、お味のほうは保証つきです。
少々、手間は多くなりますが、せっかく頑張った筋トレの効果をできる限り引き出す意味でも、是非ご家庭でチャレンジしてみてください。