筋トレ後に最適なタンパク質食品の一つに「豚肉」がありますが、そのカロリー・栄養素、食品としての特徴を解説するとともに、これまで競技者として実際に作ってきた豚肉料理のレシピをご紹介します。
豚とはどんな動物か
野生のイノシンを家畜化した動物
ブタ(Sus scrofa domesticus)偶蹄目イノシシ科に属する哺乳動物で、その起源は今からおよそ8000年も以上昔にユーラシア大陸の各地で、イノシシが家畜化されブタが誕生したとされています。
ユーラシア大陸の各地でそれぞれ別個にイノシシが家畜化されたため、それぞれに異なる品種も誕生し、ヨークシャー種・ランドレース種・デュロック種・バークシャー種に分類されています(いずれも交雑可能)。
豚肉のカロリーと栄養素
筋肉合成に必須のビタミンB群の宝庫
もっとも一般的な豚肉である、豚もも肉100gあたりのカロリーと栄養素は以下の通りです。
エネルギー:183kcal
タンパク質:20.5g (82.0kcal)
脂質:10.2g(91.8kcal)
炭水化物:0.2g(0.8kcal)
鶏のむね肉などに比べると脂質が多い傾向にありますが、筋肥大期には筋肉を合成するためのエネルギー源として、タンパク質の二倍のカロリーが必要になり、豚もも肉はタンパク質とほぼ同等のカロリーがあるので、ここに白米などの主食を追加することにより、ちょうど筋肥大に最適なバランスになります。
さらに、特筆すべきは、豚肉には大量のビタミンB群が含まれることです。ビタミンB群は、タンパク質代謝と糖質代謝に必要不可欠な物質で、豚肉には、筋肉の材料となるタンパク質、筋肉を合成するためのカロリー、筋合成の触媒となるビタミンB群が十分に含まれており、まさに、天然の筋肥大サプリメントとも言える優秀さです。
豚肉の部位名称と特徴
肩・肩ロース・ロース・ヒレ・バラ・モモ
豚肉は、その部位により大きくカロリー(脂肪分の量)が異なります。また、その肉質も部位により大きく変化します。豚肉の部位ごとの特徴は以下の通りです。
また、部位別の標準的な肉質の100gあたりのカロリー・栄養素も併記しますので、是非ご参照ください。
肩
肩は、よく運動に使われる部位のため、少し固めで赤身が多いのが特徴です。その分、脂肪分が少ないので筋トレに適した部位と言えるでしょう。固さを和らげるために、煮料理に適しています。また、コラーゲンが豊富なのも特徴になります。
○肩肉100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:216kcal
タンパク質:18.5g (74kcal)
脂質:14.6g (131.4kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)
肩ロース
肩肉よりも脂身が多く、ひき肉・角切り・薄切りなどさまざまなカットをされ幅広い料理に利用されます。カロリーは高めですが、筋肥大期には問題ないでしょう。
○100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:263kcal
タンパク質:19.3g (77.2kcal)
脂質:19.2g (172.8kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)
ロース
肉質が柔らかく、脂肪も乗っているのが特徴です。ややカロリーオーバー気味なので、筋トレにはそれほど適した部位ではありません。
○100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:263kcal
タンパク質:19.3g (77.2kcal)
脂質:19.2g (172.8kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)
ヒレ
脊柱沿いの脂肪が極めて少ない場所で、筋肥大期だけでなく減量・ダイエット時でもタンパク質源として利用可能な部位です。
○100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:115kcal
タンパク質:22.8g (91.2kcal)
脂質:1.9g (17.1kcal)
炭水化物:0.2g (0.8kcal)
バラ
肋骨周辺の部位で、その肉質は柔らかく、赤身部分と脂肪が層になっています。豚肉の全部位中でもっともハイカロリーな部分ですので、基本的には避けたほうが無難です。
○100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:386kcal
タンパク質:14.2g (56.8kcal)
脂質:34.6g (311.4kcal)
炭水化物:0.1g (0.4kcal)
モモ
赤身の割合が多く、もっとも代表的な部位です。脂肪が少ない割りにく、肉質が柔らかく、タンパク質量とカロリーのバランスがもっとも筋肥大筋トレ向きの部位と言えるでしょう。
○100gあたりのカロリー・栄養素
エネルギー:183kcal
タンパク質:20.5g (82.0kcal)
脂質:10.2g(91.8kcal)
炭水化物:0.2g
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