関西の「粉もん」食文化として発祥し、その手軽さと美味しさから、またたく間に全国に広まった「たこ焼き」ですが、筋トレの食事として考えた場合は、それほど栄養バランスの良いものとは言えません。そこで今回は、タコをたくさん入れることで栄養バランスをバルクアップ筋トレの食事として最適化した「スペシャルたこ焼き」にチャレンジしましたので、その過程をご報告します。
たこ焼きのルーツとは
大阪市西成区の会津屋が発祥とされる
たこ焼きの創始者は、大阪市西成区「会津屋」の初代社長である遠藤留吉氏とされています。その誕生は1935年にまで遡り、当時流行していた明石焼き・ちょぼ焼き・ラジオ焼きといった粉物食品にインスパイアされたと言われています。
1948年に「とんかつソース」が開発されると、たこ焼きの味つけも醤油ベースからソースベースが主流となり、1955年には大阪市内に5000軒以上のたこ焼き店(屋台を含む)があるというほどになりました。
1960年代中頃には、関東地方でも屋台での販売が盛んになり、関西のものとは異なり、表面をカリカリに焼き上げる「築地銀だこ」などに発展していきました。
たこ焼きとお好み焼きの決定的な違い
よく混同されるたこ焼きとお好み焼きの違いですが、それは小麦粉に卵を加える(たこ焼き)か加えない(お好み焼き)かの違いです。ちなみに、卵を加えたお好み焼きは存在しますが、卵を加えないものはたこ焼きではありません。
たこ焼きのカロリー・栄養素
もう少しタコのタンパク質を追加したい
標準的なたこ焼き100g(小6個相当)あたりのカロリー・栄養素は以下の通りです。
エネルギー:257kcal
タンパク質:10.18g (40.72kcal)
脂質:6.63g (59.67kcal)
炭水化物:36.42g (145.68kcal)
低たんぱく質食品ではありませんが、「タンパク質:カロリー」=「1:5」とタンパク質不足気味です。これは、タコの量を2~3倍に増やすことで、理想値の「1:2」にすることが可能です。
たこ焼き筋トレ最適化チャレンジ
タコが入りきらないので通常形態は断念
こちらが、今回の材料です。少しでも高タンパク質化を図るため、キャベツをモヤシに、天かすを麩に変更しています。そのほかは、タコ・お好み焼き粉・カツオ節などとなっています。
さて、今回のチャレンジの主眼は「タコを三倍にする」ことですが、この量だと通常のたこ焼きの大きさには入りきらないことが想定されましたので、あえて通常形態(直径3cmほどの球形)で作成することを断念し、オリジナル(直径20cmの半球形)にすることにしました。
まずは、粉もんベースを作っていきます。卵を入れることがたこ焼きかお好み焼きの差異になるので、しっかりと卵を入れます。
ここに、大量のタコを投入していきます。
さらに、モヤシとザクッと砕いた麩を入れてかき混ぜていきます。これで、たこ焼きのベースは完成です。
ベースができあがったら、フライパンで焼いていきますが、粉もんの焼き方の基本である「弱火でじっくり焼く」に忠実に、表面を焦がさないように加熱していきます。
だいぶ、焼き上がってきました。これで完成でもいいですし、「たこ焼きは丸くないといけない」という定義はありませんが、あまりにもお好み焼き的なので、ここからたこ焼きらしく半球形に仕上げていきます。
八割がた火の通った「たこ焼き」をラーメン鉢に移します。
ラーメン鉢ごと深い中華なべに入れ、蓋をして蒸し焼きにします。これにより、最終のタンパク質熱変成が完了し、たこ焼きはラーメン鉢の半球形に固まります。
たこ焼きが半球形に固まったら、お皿に移します。
あとは、お好みソースをかけ、カツオ節・刻みネギをトッピングして完成です。
生地はトロトロ、タコはゴロゴロの優秀な「筋トレたこ焼き」になりました。是非、チャレンジしてみてください。