爆発的な瞬発力を生むゴルジ腱反射の生化学的解説と、同反射反応を具体的に競技に組み入れるためのウォーミングアップ方法をご紹介します。
ゴルジ腱器官とは
ゴルジ腱器官(ゴルジけんきかん)とは骨格筋と腱の移行部にあるコラーゲン線維の皮膜に覆われた構造を持つ長さ500-1200μm、直径100-120μの腱の感覚器である。カミッロ・ゴルジによって発見されたところからこの名称がつけられている。2種類の役目を持っており、一つは関節への負荷や曲がり方などを感知して運動感覚を得ることと、 もう一つは過剰な力によって腱や靱帯が損傷しないための安全装置である。
▼引用記事
ゴルジ腱反射とは
ゴルジ腱反射は1b抑制または逆伸長反射とも呼ばれる
ゴルジ腱反射とは、筋肉を伸張させる力が加わると起こる生化学的反応です。この反応は、1b抑制や逆伸長反射とも呼ばれています。
筋肉が伸長されると筋腱のなかの受容器であるゴルジ腱器官が活動し、感覚ニューロンである「1b感覚ニューロン」を介して脊髄にある「抑制性介在ニューロン」を興奮させます。その次に、「抑制性介在ニューロン」が運動ニューロンである「α運動ニューロン」を抑制し、その筋肉の活動を妨げます。その時に拮抗筋には逆に運動ニューロンを興奮させる反射が起こり、爆発的な筋活動が促進されます。
なお、この反射は、筋腱の過剰伸長による断裂を防ぐための身体に備わった防御作用の一つとされています。
ゴルジ腱反射の具体的導入法
強い伸張性収縮を与えた後に短縮運動をする
では、このゴルジ腱反射を実際に競技に取り入れる手法をご紹介します。今回はベンチプレスを例に解説していきます。
ゴルジ腱反射はターゲットとする筋肉群に対して、強度の伸張性収縮(筋肉が伸ばされながら重量に耐える動き)の直後の短縮性収縮(筋肉が収縮しながら力を発揮する動き)を爆発的に強化します。
より具体的に述べれば、ベンチプレス100kgがギリギリ挙がらない人がいるとします。100kg挙上に挑戦する前のアップとして、120kg程度の絶対に挙げられない重量をラックアウトだけして数秒間重量に耐えます。
もちろん、万が一に備えて両側に補助者をつける事を推奨します。この過剰な伸張性収縮の直後にベンチプレスの試技を行えば、爆発的な短縮性収縮が発揮され、これまで挙げられなかった100kgが挙上できるケースも少なからず見受けられます。
この、ゴルジ腱反射はさまざまなスポーツに応用できると考えられ、具体的なメソッド考案など、最新のスポーツ科学分野の研究課題の一つと言われています。
さまざまな筋トレメソッド
筋トレ効果を高める各種のメソッド・トレーニング方法を詳細解説したものが下記の記事です。刺激を変えたい、さらに追い込みたいときなどに是非ご活用ください。
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停滞期を突破するには食事の見直しも大切
筋肥大の停滞期に重要なのは、筋肉を騙すトレーニング法だけではありません。
筋トレの効果を出すための基本である食事メニューを見直すのも非常に重要です。
まず、筋トレをして筋肥大するためには体重あたり2gの純タンパク質が必要とされています。つまり、70kgの人の場合、一日に140gの純タンパク質(肉類に換算して700g)とかなり多く、この量を摂りきれていないために筋肥大が停滞しているケースも少なくありません。
なお、筋トレと食事に関する情報は多岐にわたりますので、下記の記事をご参照ください。
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筋肉部位別ストレッチ法
筋トレと合わせて行うことで、トレーニング効果を高めてくれるのがストレッチです。ストレッチを行うタイミングはトレーニング前・トレーニング中・トレーニング後ですが、それぞれに異なる意味があります。
下記の記事では、全身の筋肉部位別のストレッチ方法を、大胸筋・背筋群(僧帽筋・広背筋)・三角筋・上腕二頭筋・上腕三頭筋・大腿筋群それぞれに動画をまじえて詳しく解説しています。
また、筋トレにおけるストレッチの効果と行うのに最適なタイミングもご紹介していますので、ご参照ください。
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