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【ベンチプレス100kgはすごい?】それは体重による|見た目の体型や人口割合

トレーニングジムを運営していると、全くの初心者の方が最初の目標にする第一位が「ベンチプレス100kg挙上」です。

「ベンチプレス100kgはすごい」というネット記事なども散見されますが、実際にそうなのでしょうか?

ジムトレーナーとしての経験をまじえた率直な意見を述べるとともに、ベンチプレス100kgを挙げる身体の外見的な大きさ、人口における割合などについても解説します。


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ベンチプレス100kgはすごい?

全国大会には出場できない

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まずは、下記の表をご覧ください。日本パワーリフティング協会によるベンチプレスの全国大会(ノーギア)の男子出場標準記録は体重階級別に以下の通りです(2018年度現在)。

一般(16歳~39歳)
59kg級(107.5kg)
66kg級(117.5kg)
74kg級(127.5kg)
83kg級(137.5kg)
93kg級(147.5kg)
105kg級(155kg)
120kg級(160kg)
120kg超級(165kg)

どのレベルを「すごい」とするかには、明確な決まりはありませんが、やはりすごいと言うからには、せめて全国区のレベルである必要があるのは一般的な指標です。

公式競技としてのベンチプレス全日本大会の出場標準記録は、少なくとも最軽量級ですら、ベンチプレス107.5kg以上を挙げなくては、全国大会に出ることができないことをあらわしています。

競技界の漠然とした目安ではありますが、全国大会に出場してやっと一人前であり、武道界で言えばやっと黒帯という感覚です。

もちろん、これは体重によりますが、軽量級でベンチプレス100kgだと茶帯(武道の1~2級)、中量級、重量級だとまだまだ修行中といった感じに扱われるのが普通です。

筆者のジムにおいても、ベンチプレス100kgは初心者卒業の壁という認識で、そこから中級者としてのトレーニングがスタートします。

トップ競技者のコメント

ベンチプレスはバーベル筋トレBIG3のうちの一つであり、基本的な筋力をつけるために重視されている種目です。一方で、ベンチプレスの動作自体は非常に特殊なものになります。なぜなら、台に仰向けになりバーベルを押す動作というのは他のスポーツ競技では見られない動きだからです。そのため、ベンチプレスを強くするためのやり方で、もっとも重要になってくるのがベンチプレスの動作自体に適応するということになります。初心者がずっと初心者(男性で100kg未満のベンチプレス挙上重量)であり続けるのは、この動作適応に対する意識があまりないためです。

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ベンチプレス100kgの人口割合1%?

そもそもベンチプレスをしたことがある成人男性は何%か

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ネット記事などで散見される情報として、「ベンチプレス100kgを挙げるのは人口の1%」というものがありますが、これは間違いではありませんが、少々過大な表現かなと感じています。

まず、人口の半分は女性ですので、そもそも50%はなくなります(一部トップアスリート女性は100kgを挙げますが)。

そして、子供や高齢者を差し引くと、そもそも比較対象の男性の比率はさらに半分近くになり、基礎体力としてベンチプレス100kgに臨める人口は全体の25%程度になります。

さらに、残りの25%の男性のなかにフリーウエイトのバーベルベンチプレスをやったことがある人がどれくらいいるでしょう?

おそらく、10%前後ではないでしょうか。

こうなると、ベンチプレス100kgに現実的に挑戦する成人男性はすでに全人口の2.5%程度であり、ジムに通ってバーベルベンチプレスのトレーニングを行っていれば2~3人に1人はベンチプレス100kgを挙げることになります。

実際、トレーニングジムでは2~3人に1人はベンチプレス100kgを挙げるように感じますので、結論として「ベンチプレス100kgは全人口の1%」は間違いではありませんが、言葉のロジックではないでしょうか。

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ベンチプレス100kgの見た目の体型は?

ちょっとゴツいかなというレベル

ここまで解説してきたように、ベンチプレス100kgというのは、トレーニングジムでは「初心者卒業」というレベルですので、外見的にはそれほどゴツくもマッチョでもありません。

胸囲で言えば100cmくらいですので、服をきていると少しゴツく感じる程度で、人から「鍛えてますか?」と聞かれるほどの外見ではないと言えるでしょう。

ベンチプレス100kgの壁を超えるためのギア

このように、ベンチプレス100kgはトレーニングを継続してれば「いつかは挙上できる重量」ではありますが、初心者の方にとっての最初の壁が100kgであることもまた事実です。

ベンチプレス100kgの壁を超えるためには、トレーニングルーティーンやメニュープログラムを適切に組み上げていくことが重要ですが、「あと数kgで超えられる」というレベルに来ている場合に有効なのが、ベンチプレススリングショットです。

上の写真のように、サポーターを装着して100kg以上のベンチプレスを行うことで、筋肉に100kg以上の重量を体験させ、「マッスルメモリー(筋肉の記憶)」に重量を覚えさせるのです。

これにより、あと数kgを超えることが可能とされています。

当サイト運営ショップでは、北米で高いシェアを誇るLARA★STAR製の高品質ベンチプレススリングショットを取り扱っており、とても多くのベンチプレス初心者の方にご利用いただいています。

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北米に大きなシェアを持つ世界的トレーニング器具メーカー「LARA★STAR」のベンチプレスサポーターです。本製品のサポート力を使い、自力だけでは挙げられない重量を挙上体験することにより、筋肉が重量を記憶し(マッスルメモリー)、より早い発達を促すことができます。本製品を装着した状態で、100〜140kgのベンチプレスを挙

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ベンチプレス100kgを超えるテクニック

パワーリフティングのフォームに切り替える

ほとんどの方が、ベンチプレスはトレーニング種目の一つとして出会います(最初からパワーリフティングを始める人は少ない)。

そして、トレーニングとして正しいベンチプレスのフォームとされているのが、前腕を床と垂直に保つ、すなわち握り・手首・肘を一直線かつ垂直に維持したまま行うやり方です。

もちろん、このやり方が大胸筋に負荷を加えるためには効率的なのですが、高重量を上げるためには全く逆の発想で「なるべく筋肉に負荷がかからない挙げ方をする」必要があります。

こちらの画像と解説は、ベンチプレスのマスターズ世界王者によるものです。

筋肉に負荷がかからない=できるだけ楽に挙げるためには、写真のように「斜めに下ろして斜めに挙げる」のが人間の肩関節と大胸筋の構造上もっとも効率的なのです。

そして、このためには「手首を曲げて構える」というクラシカルなベンチプレスではありえないフォームをとります。そこで必要となるのが手首を支える屈強なリストラップなのです。

実際のところ、一般的に販売されている「手首保護用」とうたわれたリストラップでは全く強度不足で、この斜め上げフォームのために作られた専用のリストラップが必要です。

トップ競技者のコメント

何も考えずにベンチプレスの姿勢をとってバーを握ると、手首は自然に傾きます。そして、手首が自然に傾くので、何も考えずにベンチプレスをすると自然に斜めの軌道を描くようになります。手首を立てろという指導をよく見かけますが、これは肩周囲の関節への負担が増大しますのであまりおすすめできません。手首が傾いたら手首を痛めるという意見がありますが、そのためにリストラップというギアがあります。手首はリストラップで保護できますが、肩は保護できるギアがありません。リストラップにバーの重量をあずけるぐらいの感覚でベンチプレスを行う方がよりスムースにバーを動かすことができます。

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競技用リストラップの強度試験

写真は左端がベンチプレス専用リストラップ(世界パワーリフティング協会IPF公認品)、真ん中と右端が普及品で、これらの強度差をウエイト下垂実験により実証したものです。

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高重量ベンチ専用リストラップ

また、こちらは高重量ベンチプレス専用に設計されたリストラップと普及品を同様に強度比較した写真です。

このように、ベンチプレスをパワーリフティングのフォームで挙げるためには、どうしても専用のリストラップが必要になります。

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リストラップの比較考察記事

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ベンチプレス100kgの意外と多い障壁

初心者がベンチプレス100kgを超えるまでの意外な障壁として多いのが「肩の痛み」です。

これは、フォーム・グリップ・挙上軌道のいずれかが不適切であることから引き起こされ、ひとたびこの状態に陥ると、なかなか自己流では前進できなくなります。

下記の記事では、ベンチプレス世界王者とジムトレーナーによる共著で、基本フォーム・八の字グリップ・斜め挙げ軌道に関して詳しく解説しています。

ベンチプレスで肩が痛い原因と対処方法|適切なフォーム・グリップ・挙上軌道・ギアなどを解説

ベンチプレスを胸まで下ろす必然性

トレーニングの上級者やトレーナーは「ベンチプレスは胸まで下ろすように」言いますが、実際、フォームができていない初心者にはもちろん、「大胸筋に効かせられれば良いトレーニー」にとっては、これは必要ありません。

むしろ、肩への負担などデメリットもありますので、ベンチプレスを胸まで下ろすかは、何の目的でベンチプレスをしているのかで「個人の判断」になります。

ベンチプレスを深く下ろしたときに負荷がかかる(効く)部位は大胸筋外側ですが、これらは肩関節に負担の少ない他の種目(フライ系種目)で効かせれば問題ありません。

ですので、このような目的でベンチプレスを行うのであれば、上の写真程度の下ろし方でも問題ないと言えるでしょう。

※競技ベンチプレスを目指すのであれば、当然ですが胸まで下ろして一瞬停止する必要があります。

ベンチプレスを深く下ろしすぎないために便利なグッズが、こちらのようなベンチプレスブロックで、当サイトが取り扱っているLARA★STAR製のものは4種類の取り付けスリットを選ぶことで、それぞれボトムから18cm・16cm・12cm・7cmの高さでバーベルを止めることができます。

LARA★STARベンチプレスブロック | アームレスリング器具・パワーリフティング用品・マズレンコ製作所日本正規輸入代理店
北米に大きなシェアを持つ世界的トレーニング器具メーカー「LARA★STAR」のベンチプレスブロックです。スポーツ用品ブランドとして高い評価のあるメーカー正規品ですので、普及品とは根本的に構造・強度・耐久性が異なります。肩が痛くて深くバーベルを下ろせない時や、あえてハーフで高重量ベンチプレスを行う時の補助器具です。シャフ...

肩甲骨を寄せるギア

ベンチプレスで大切なフォームのポイントの一つに「肩甲骨を寄せた姿勢を保つ」ことがありますが、これは肩関節が前方へ突出することを防ぎ、①大胸筋へ負荷を集中させる、②肩への余計な負担を防ぐ、という2つの意味があります。

肩甲骨を寄せた姿勢をとることが苦手な方は、スパインサポーターなど専用のトレーニンググッズを使用するのも一つの方法です。

LARA★STARスパインサポーター|肩甲骨を寄せた姿勢をつくるグッズ
トレーニングにおいてよく言われるのが「肩甲骨を寄せたフォームで行う」ことで、特にプレス系種目では必須の姿勢です。 これは、「負荷を三角筋に逃がさず大胸筋や上腕三頭筋に集中させる」ことと「肩関節が前に出ることを防ぐ(怪我の予防)」という二つ...

ベンチプレス100kg以上のトレーニングに必要な器具類

ベンチプレス100kg以上の中級者以降のトレーニングに必須となってくるのが、高耐荷重のベンチプレス台・パワーラック類です。

ベンチプレスも120kg・130kg・140kg・150kgとなってくると、普及品の強度レベルですと完全に強度不足です。

また、ベンチプレス100kgを超えたあたりからパワーリフティングやベンチプレスの競技大会への出場も視野に入ってくるでしょう。

この場合、試合で使用されるIPF(世界パワーリフティング協会)公認の器具類(ベンチプレス台やバーベルセット)で普段からトレーニング・練習をする必要がでてきます。

そのような方には、やはりIPF公認メーカーであるONI鬼ラック類・オリンピックシャフトセットの使用を推奨します。

IPF公認器具類の詳細は下記の記事に記載していますので、是非ご参照ください。

本格派の筋トレにおすすめの鬼パワーラック・ハーフラック・バーベルセット(オリンピックシャフト)

ベンチプレス世界ランカーの記事

下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング選手で世界ランカーでもある奥谷元哉選手によるベンチプレス専門記事です。

ブリップ・ブリッジ・挙上軌道・肩甲骨の寄せ方のほか、具体的なベンチプレス専用のメニュープラグラムまで非常に詳細かつ専門的な内容です。ぜひ、ご参照ください。

【ベンチプレス100kgを挙げるやり方】フォームとメニューの組み方を元全日本王者が解説

【戦歴】

2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級大会優勝

2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝

2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位

2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位

2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位

2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位

2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位

2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位

2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位

2022年世界マスターズベンチプレス選手権大会M1・74kg級優勝

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