ベンチプレスの挙上重量を向上させるために効果的な補助トレーニングを、ダンベル種目から厳選してご紹介します。バーベルでの補助種目は数多くありますが、やはりダンベルはその稼動範囲の広さが最大のメリットとなります。
ダンベルプレス
ベンチプレスの後の補助トレーニングとして。まずおすすめしたいのがダンベルプレスです。ベンチプレス強化におけるダンベルプレスのターゲットレンジは「大胸筋が最大伸展した位置での筋力」です。ベンチプレスで言えば、バーを胸につけたボトムポジションでの筋力を強化するのが目的となります。
このため、「重たい重量で鍛える」ことよりも「できる限りダンベルを下まで降ろせる」ことを優先した重量設定で行ってください。なお、1セットのレップ数はやや高レップ、10~12回程度が妥当でしょう。模範的な動画が下のものですので、ご参照ください。
こちらが、ダンベルプレスの模範的な動画で、しっかりと肩甲骨を寄せたまま、大胸筋主働で動作を行うことが大切です。
【本種目のやり方とコツ】
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、ダンベルを胸の上でグリップして構える
②肩甲骨を寄せたまま、ダンベルを押し上げる
③ダンベルを押し上げたら、肘をしっかりと伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
④ダンベルのウエイトに耐えながら、筋肉に負荷をかけながら元に戻る
リアラテラルライズ
リアラテラルライズは背筋群や三角筋後面といった「引く動作」に関わる筋肉のトレーニングなので、「押す動作」のベンチプレスには無関係のように感じられるかもしれませんが、ベンチプレスの動作のなかで、腕を伸ばしたトップポジションからボトムポジションまでバーベルを下ろしていく動作の安定には、押す筋肉群の拮抗筋群である僧帽筋や三角筋後面の筋力が大きく関わります。
特に、これらの筋力が押す筋肉群に対して相対的に弱いと、腕部の垂直上下運動にブレが生じますのでしっかりと鍛えておきたいものです。そして、これらの筋肉群を効果的に鍛えることのできるダンベル種目がリアラテラルライズです。
こちらはスタンディングでのリアラテラルライズの動画です。最大のポイントは「肩甲骨を寄せ僧帽筋は収縮させたまま」または「肩甲骨を寄せずに」動作を行うことです。
【本種目のやり方とコツ】
①背すじを伸ばして前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを後ろに上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
ダンベルフライ
大胸筋の最大伸展ポジションを鍛えることのできるダンベル種目がダンベルフライです。
ベンチプレスの補助として行う場合は、腕を広げきった状態でキッチリとコントロールして動作を行うことが重要ですので、比較的軽めの重量設定でしっかりと大胸筋を伸展させてトレーニングすることを意識してください。
こちらがダンベルフライの模範的な動画ですので、ご参照ください。
【本種目のやり方とコツ】
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、肘を伸ばして胸の上でダンベルを構える
②肩甲骨を寄せたまま、肘を曲げずに腕を開き、ダンベルをできるだけ深く下ろす
③ダンベルを下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま同じ軌道で腕を閉じる
④腕を閉じたら、ダンベルを少し押し上げながら顎をやや引いて大胸筋を完全収縮させる
ベンチプレス世界ランカーの記事
下記の記事は、当サイトGLINTに客員執筆いただいている、パワーリフティング選手で世界ランカーでもある奥谷元哉選手によるベンチプレス専門記事です。
【ベンチプレス100kgを挙げるやり方】フォームとメニューの組み方を元全日本王者が解説
【戦歴】
2009年全日本パワーリフティング選手権大会75kg級大会優勝
2011年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級優勝
2011日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2011年世界パワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級2位
2012年アジアパワーリフティング選手権大会ベンチプレス種目別74kg級1位
2014日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2015年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位
2017年全日本パワーリフティング選手権大会74kg級3位
2018年全日本ベンチプレス選手権大会74kg級3位