自重だけを使って背筋を鍛える方法を、僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋の部位別に解説します。背筋を鍛えられる自重トレーニングは懸垂系種目だけではなく、実は腕立て伏せでもやり方によっては背筋を鍛えることが可能です。
背筋の構造と作用
背筋群は大きく僧帽筋・広背筋・脊柱起立筋に分けられます。その位置と作用は以下の通りです。
僧帽筋:首の後ろに位置し、肩甲骨を引き寄せる作用があります。
広背筋:脇から腰にかけて位置する筋肉で、上腕を引き寄せる作用があります。
脊柱起立筋:脊柱沿いの筋肉の総称で、体幹を伸展させるとともに姿勢を維持する作用があります。
広背筋に効果的な自重トレーニング
定番のノーマル懸垂
広背筋を鍛える自重トレーニングの定番と言えるのがノーマル懸垂=プルアップです。
顎をバーより上に出すことにとらわれず、肩甲骨を寄せ胸をバーにつけにいくのが正しい懸垂のやり方です。
◆懸垂のやり方と動作ポイント
①肩幅よりも広い手幅でバーをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、腕を曲げて身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
机を使った斜め懸垂も効果的
また、懸垂が苦手な方はこの動画のように机を使った懸垂を行うことで、自宅でも簡単に広背筋を鍛えることができます。
◆斜め懸垂のやり方と動作ポイント
①肩幅よりも広い手幅でバー(机の縁)をグリップし、背すじを伸ばして構える
②肩甲骨を寄せながら、腰を曲げたりお腹を突き出したりせずに体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
広背筋に効果のある腕立て伏せ
懸垂だけでなく、腕立て伏せも手の幅や置き方を工夫することで広背筋を鍛えることが可能です。手を外向けに大きく広げて腕立て伏せをすることで広背筋に負荷を与えられます。
僧帽筋に効果的な自重トレーニング
パラレル懸垂が効果的
僧帽筋に負荷をかけるためには懸垂のグリップを平行にしたパラレルグリップが効果的です。胸を張り肩甲骨を寄せながら身体を持ち上げてください。
◆パラレル懸垂のやり方と動作ポイント
①手の平が向き合うようにバーをグリップして構える
②肩甲骨を寄せながら、腕を曲げて身体を引き上げていく
③身体を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり、やや顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④コントロールした速度で身体を下ろし、反動を使わずに再び身体を引き上げる
◆ワンポイントアドバイス
顎をバーより上に出すのではなく、バーに胸をつけにいく軌道で動作を行い、背筋群を完全収縮させることが重要です。
机を使った逆手斜め懸垂で僧帽筋を鍛える
自宅で簡単に僧帽筋を鍛えられるのが、机を使った逆手での斜め懸垂です。
脊柱起立筋に効果的な自重トレーニング
脊柱起立筋の基本筋トレのバックエクステンション
脊柱起立筋の自重トレーニングの基本となるのがバックエクステンションです。反動を使わずにゆっくりとした動作で効かせてください。
◆バックエクステンションのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、頭の後ろで手を組んで構える
②上半身を起こしていく
③上半身を起こしたら、顎を上げて脊柱起立筋をしっかりと収縮させる
④効かせながら元に戻る
⑤反動を使わずに、再び上半身を上げていく
◆ワンポイントアドバイス
反動を使わずに、いかに丁寧にゆっくりと効かせるかが重要で、速い動作で繰り返すと腰を痛めるリスクがありますので注意してください。
ブリッジ腕立て伏せも効果が高い
やや難易度は高いものの、ブリッジ腕立て伏せは脊柱起立筋を高強度で鍛えることのできる自重トレーニングです。是非、チャレンジしてみてください。
体幹トレーニングのアームレッグクロスレイズ
アームレッグクロスレイズは脊柱起立筋に効果的な体幹トレーニングです。対角線の手足を水平に上げ、そのまま数秒間停止する動作を繰り返します。