腕立て伏せができない、という筋トレ初心者や女性の方にも取り組みやすい低強度バリエーションをご紹介します。
腕立て伏せが効果のある筋肉部位
大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
三角筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
上腕三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
腕立て伏せ系のトレーニングは、胸の筋肉・大胸筋を中心として、肩の筋肉・三角筋、腕の筋肉・上腕三頭筋など「上半身の押す筋肉群」に効果があります。
腕立て伏せの正しいフォーム
腕立て伏せは、まず肩幅よりやや広い手幅をとり、背筋を真っ直ぐにして構えます。お腹を突き出したり、腰が曲がったフォームになると大胸筋に負荷がしっかりと加わりませんので注意してください。
また、手首の真上に肘がくるように動作を行い、前腕の骨で体重を支えるようにすることがコツです。また、これによって手首関節に過剰な負荷がかかることも防ぐことができます。
このほかに、肩甲骨をしっかりと寄せたまま動作を行うことも重要で、肩甲骨がしっかりと寄っていないと、肩関節に開き負荷がかかり痛めてしまう原因になりますので気をつけてください。
このような注意点に気をつけても、やはり腕立て伏せができない、という方は基本的な筋力が不足していると思いますので、以下にご紹介するような低強度バリエーションから始め、徐々に筋力をつけていってください。
強度が低い初心者向けの腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せは、筋力に自信のない男性初心者や女性でも簡単にできて、大胸筋を鍛えることのできる種類です。なお、膝つき腕立て伏せの構えをするときに、手を肩よりやや前(頭側)に置くことにより、肩関節の負担を軽減し、大胸筋に効率的に効かせることが可能になります。
また、背すじを真っ直ぐに保持し、手が肘の真下にくるように意識して行ってください。
◆膝つき腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を台につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、膝を床について構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
はじめは無理に深く身体を下ろさず、筋力がついてきたら徐々に床まで身体を下ろすようにしてください。
インクラインプッシュアップ(斜め腕立て伏せ)
インクラインプッシュアップは、筋力的に自信のない筋トレ初心者の人でも行いやすい腕立て伏せのバリエーションです。
インクラインプッシュアップは大胸筋を中心として、肩の筋肉・三角筋や腕の筋肉・上腕三頭筋にも効果があります。
また、身体を押し上げる軌道が体幹に対して斜め下方向になるため、通常の腕立て伏せに比べると大胸筋のなかでも下部に効果があります。
本種目は、背すじを真っ直ぐにすることを意識して行ってください。また、手をつく台の高さを高くすることで、より負荷を軽くすることができます。
インクラインプッシュアップは、なぜかセット終盤で苦しくなると顎を上げる方が多いのですが、大胸筋と首の連動性から、かならず顎を引いて大胸筋を完全収縮させるようにしてください。
◆インクラインプッシュアップのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を台につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、足を台の上に乗せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
筋力に合わせて負荷を増減させるためには、台を高くすると低強度に、台を低くすると高強度になります。
バランスボール腕立て伏せ
バランスに手をついて腕立て伏せを行うバランスボール腕立て伏せは、バランスボールの反発力が腕立て伏せ動作の補助として働くので、腕立て伏せが苦手な筋トレ初心者や女性に最適なバランスボール筋トレ種目です。
背すじを真っ直ぐに保つことに気をつけ、バランスボールの反発力を上手く利用してテンポよく行いましょう。
また、バランスボール腕立て伏せを行ううちに、筋力がついてきたら、バランスボールの反発力を徐々に使わないように、反動を抑えるように動作をしていってください。
◆バランスボール腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、手をバランスボールの両端につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
バランスボールの反発力を使うと筋力の補助になるほか、一回一回揺れを止めるようにすると体幹インナーマッスルも鍛えられます。
腕立て伏せの回数設定
適切な1セットの負荷回数設定は以下の通りです。
○筋肥大トレーニング:6~10回
○通常トレーニング:15回前後
○ダイエット筋トレ:20回以上
腕立て伏せの記事一覧
腕立て伏せの50種大全
腕立て伏せの種類とコツ
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腕立て伏せの女性種目
腕立て伏せの呼吸方法
腕立て伏せの回数設定
腕立て伏せの実施頻度
腕立て伏せの肘の位置
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事