上腕三頭筋・上腕二頭筋のジムでのマシンを使った鍛え方・筋トレ方法を、長頭・短頭の部位別に動画をまじえて解説します。
上腕の筋トレマシンの種類
スミスマシン
スミスマシンは、ダンベルやバーベルなどのフリーウエイトトレーニングに近い感覚で筋トレができ、ウエイトのブレをマシンが支えてくれるのでフリーウエイトよりも高負荷高重量で鍛えられる、とても効率的なマシンです。
反面、ブレを支えるための体幹インナーマッスルが鍛えづらい特性があります。
ケーブルマシン
上腕二頭筋を鍛えるマシンのなかでも中心的なものが、こちらのようなケーブルマシンです。ターゲットにする部位に合わせて、ケーブルを上から引くポジションをとったり、下から引くポジションをとったりします。
ディップスマシン
大型のジムにはディップス専用マシンが設置されていることも少なくありません。ノーマル・ハンマーの各グリップに対応しています。
カールマシン
大型のジムにカール専用マシンが設置されていることも少なくありません。ノーマル・ハンマー・リバースの各グリップに対応しています。
上腕三頭筋の構造と作用
上腕三頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
上腕三頭筋は長頭と短頭(内側頭・外側頭)から構成されており、その作用は以下の通りです。
上腕三頭筋長頭:肘関節の伸展と上腕の内転
上腕三頭筋外側頭:肘関節の伸展
上腕三頭筋内側頭:外側頭の補助筋
上腕三頭筋の共働筋
肘筋
また、上腕伸筋群には肘筋と呼ばれる補助筋もあり、上腕三頭筋と共働しています。
上腕三頭筋全体のマシントレーニング
スミスマシンナローグリップベンチプレス
こちらが、スミスマシンナローベンチプレスの模範的な動画です。肘の開き方によって効果のある部位が変化し、それは以下の通りです。
○肘を開く:上腕三頭筋短頭
○肘を閉じる:上腕三頭筋長頭
また、シャフトを押し上げた後に左右の腕を閉じるイメージで大胸筋を収縮させると、大胸筋内側にも効果があります。
◆スミスマシンナローグリップベンチプレスのやり方と動作ポイント
①ベンチに仰向けになり、肩甲骨を寄せ、60~70cm前後の手幅でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せたまま、ある程度筋力でコントロールしてシャフトを胸の上に下ろす
③肩甲骨を寄せたまま、腕を押し出しバーベルを元の位置まで上げる
④しっかりと肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肘を外に張り出すと上腕三頭筋短頭に、肘を絞って行うと上腕三頭筋長頭に効果があります。
ディップマシン
こちらが、ディップスマシンプレスの模範的な動画です。体重を使って行うと高重量が扱えるので、つい高重量設定にしがちですが、体重を乗せると筋肉に対する負荷が半減してしまいます。
体重を使わずに筋力だけで動作ができる重量設定で、ストリクトに筋肉に効かせてください。
なお、グリップにより効果のある部位が変化し、それは以下の通りです。
ノーマルグリップ:上腕三頭筋短頭
ハンマーグリップ:上腕三頭筋長頭
◆ディップスマシンのやり方と動作ポイント
①シートに座りバーをグリップして構える
②体重を乗せないように気をつけてバーを押し下げる
③バーを押し下げたら、肘をしっかりと伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
体重を乗せて動作を行うと、高重量でトレーニングできますが上腕三頭筋への負荷は弱まりますので、しっかりとシートに腰をつけて腕の力だけで動作ができる重量設定で行ってください。
上腕三頭筋長頭のマシントレーニング
ケーブルローププレスダウン
Vバーアタッチメントやロープアタッチメントで行う、手を縦にグリップするケーブルプレスダウンは上腕三頭筋のなかでも内側に位置する長頭に効果があります。
特にローププレスダウンでは、フィニッシュポジションで手をやや回内(手の平を後ろに向ける方向)旋回しつつ外側に広げることで、上腕三頭筋長頭が完全収縮します。
◆ロープトライセプスプッシュダウンのやり方と動作ポイント
①マシンに正対し、ロープをグリップし、肘を腰の横で曲げて構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、ロープを押し下げていく
③ロープを押し下げたら、しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘を伸ばした位置で手の平を回内回旋(手の平が後ろを向く方向に回す)すると上腕三頭筋がさらに強く収縮して効果的です。
ケーブルキックバック
ケーブルトライセプスキックバックは、上腕三頭筋長頭を集中的に鍛えられるケーブルマシン種目です。肘を伸ばしながら、やや回内回旋(手の平が後ろを向く方向)すると、上腕三頭筋長頭が完全収縮して効果が倍増します。
◆ケーブルキックバックのやり方と動作ポイント
①ケーブルアタッチメントをグリップし、肘を腰の横で曲げて構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、肘を伸ばしていく
③しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと負荷が背筋群に逃げてしまいますので注意してください。
上腕三頭筋短頭のマシントレーニング
ケーブルプレスダウン
ストレートアタッチメントで行う、手を水平にグリップするケーブルプレスダウンは上腕三頭筋のなかでも外側に位置する短頭(内側頭・外側頭)に効果があります。
肩関節を動かすと、負荷が大胸筋や背筋に逃げてしまいますので、しっかりと肘を固定して行ってください。
◆ケーブルプレスダウンのやり方と動作ポイント
①マシンに正対し、バーをグリップし、肘を腰の横で曲げて構える
②肘の位置を動かさないように気をつけて、バーを押し下げていく
③バーを押し下げたら、しっかりと肘を伸ばして上腕三頭筋を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
前のめりになって動作を行うと、体重を乗せてウエイトを動かしているだけになるので、肘から先だけの動作で扱える重量設定で行ってください。
トライセプスエクステンションマシン
設置されている中規模ジムはあまり多くはありませんが、大規模ジムになると設置されているのがトライセプスエクステンションマシンです。
肘を90度以上曲げると、肘関節周辺の靭帯に負担がかかりますので注意してください。
上腕二頭筋の構造と作用
上腕二頭筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:じょうわんにとうきん
英語名称:biceps
部位詳細:長頭|短頭
起始:肩甲骨関節上結節|肩甲骨烏口突起先端
停止:橈骨粗面
上腕二頭筋は、内側に位置する短頭と外側に位置する長頭に分けられます。それぞれの作用は以下の通りです。
○上腕二頭筋長頭:肘を屈曲する作用があります。
○上腕二頭筋短頭:肘を屈曲し前腕を回外する作用があります。
上腕二頭筋の共働筋
上腕筋
上腕の筋トレで、つい見落とされがちなのが肘関節基部に位置する上腕筋です。上腕筋は体積は大きくありませんが、半羽状筋と呼ばれる収縮力の高い筋繊維構造をしているため、肘関節屈曲における筋力比は上腕二頭筋に匹敵するものがあります。
特に、手を体幹と平行に構える、ハンマーグリップでの肘関節屈曲において、上腕二頭筋長頭と共働し強く作用します。
腕橈骨筋(わんとうこつきん)
腕橈骨筋(わんとうこつきん)は、前腕筋群のなかで最大の筋肉で、肘関節屈曲動作において上腕二頭筋共働し、特にリバースグリップ時に強く作用します。
上腕二頭筋全体のマシントレーニング
ケーブルカール(ノーマルグリップ)
マシンを使った上腕二頭筋全体に効果的なトレーニングがケーブルカールです。ケーブルマシンは、フリーウエイトと違いどのようなポジションでも筋肉に負荷がかかり続けるので効率的です。
直線のストレートバーよりも角度のついたEZバーのほうが手首への負担が少なくおすすめです。
◆ケーブルカールのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして立ち、腕を伸ばした位置でケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肘の位置を動かさないように注意し、肘を曲げて拳を引き上げていく
③拳を引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肘の位置を動かすと僧帽筋に負荷が逃げやすくなりますので、しっかりと肘の位置を固定して行うことが大切です。
マシンカール(ノーマルグリップ)
マシンカールは肘を固定して行えるので、より集中的に上腕二頭筋全体を鍛えることができます。マシンで軌道が固定されているため、軌道のブレが関節への負担となりますので、本セットの前に軽めの重量で軌道確認動作を行うことをおすすめします。
上腕二頭筋短頭のマシントレーニング
ロープケーブルカール
上腕二頭筋短頭に効果の高いケーブルカールのバリエーションがロープを使ったものです。
ただ真っ直ぐ引くのではなく、肘を閉じ、肘を曲げたポジションで前腕を回外(手の平が上を向く方法)させることで、上腕二頭筋短頭が完全収縮します。
インクラインケーブルカール
やや特殊な方法ですが、肘を体幹より後ろに固定して行うインクラインケーブルカールは、上腕二頭筋短頭を完全収縮させることのできるバリエーションです。
重さよりも、確実に筋収縮させることを念頭において重量設定をしてください。
上腕二頭筋長頭+上腕筋のマシントレーニング
ハンマーケーブルカール
上腕二頭筋長と上腕筋に効果の高いケーブルカールのバリエーションが、こちらの動画のようなロープアタッチメントを使ったハンマーカールです。
上腕二頭筋短頭狙いのロープカールと違いは、やや肘を開くとともに拳を近づけて動作を行うことです。
ハンマーマシンカール
上腕二頭筋長および上腕筋を集中的に鍛えられるのが、ハンマーグリップで行うマシンカールです。
こちらも、ノーマルのマシンカール同様に事前の軌道確認をおすすめします。
上腕二頭筋長頭+腕橈骨筋のマシントレーニング
リバースケーブルカール
上腕二頭筋長頭と腕橈骨筋に対して効果的なケーブルカールが、こちらの動画のようなリバースグリップでの動作です。
リバースグリップ系のカール全般に言えることですが、高重量で行うことよりも、軽めの重量で、ゆっくりとした確実な動作で効かせるようにするほうが効果的です。
リバースマシンカール
上腕二頭筋長頭と腕橈骨筋を集中的に鍛えるのなら、リバースグリップでのマシンカールが最適です。この種目も、事前に軌道確認を行うことをおすすめします。
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事
【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介
筋トレ種目一覧(男性)
上腕三頭筋のトレーニング
チューブフレンチプレス
チューブキックバック
チューブプレスダウン
ダンベルトライセプスプレス
ダンベルフレンチプレス
ダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス
マシンディップス
スミスマシンナロープレス
ケーブルトライセプスプレスダウン
ローププレスダウン
ケーブルキックバック
上腕二頭筋のトレーニング
逆手懸垂
チューブカール
チューブハンマーカール
チューブコンセントレーションカール
チューブリバースカール
ダンベルカール
ダンベルハンマーカール
ダンベルサイドカール
ダンベルインクラインカール
ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルドラッグカール
ダンベルリバースカール