胸の土台アップ&ダイエット筋トレの基本とも言える腕立て伏せについて動画付きで解説します。また、正しい呼吸方法と最適な回数設定や腕立て伏せができない女性でも簡単にできる負荷の低いやり方もご紹介します。
腕立て伏せの女性への効果
腕立て伏せは胸の筋肉・大胸筋に効果があり、バスアップ効果が大きく期待できます。また、二の腕の筋肉・上腕三頭筋にも効果があるため、腕の引きしめダイエット効果もあわせて期待できます。
腕立て伏せの動画とやり方
背すじを真っ直ぐに保つことがポイント
これらが、腕立て伏せで国際的に人気の高い動画です。
手は肩幅よりやや広く置き、背すじを真っ直ぐに保ったまま動作を行うのが正しいやり方です。まずは、ご参照ください。
【正しい動作とフォーム】
①うつ伏せになり、両手を肩幅より広く置き、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がある状態を維持したまま身体を下ろす
③肩甲骨を寄せたまま腕を押し出し身体を持ち上げ、顎を引いて大胸筋を完全収縮させる
腕立て伏せの正しいフォームの注意点
常に手首が肘の真下にくるように動作することで怪我を防ぐ
腕立て伏せのフォームで大切なことは、背すじを真っ直ぐに保つことのほかに、常に手首が肘の真下にくるように動作することです。
これにより、手首に対して斜め方向の負担がかかることが防げ、手首痛の原因を避けることができます。
手幅は肩幅よりやや広く
手幅は肩幅よりもやや広く置くのが、ノーマルな腕立て伏せの基本ですが、腕立て伏せにはさまざまなバリエーションがあり、やり方によって手幅や手を置く位置は変化します。
これに関しては、各腕立て伏せバリエーションの項目で解説します。
背すじを真っ直ぐに保つ
腕立て伏せを行うときは、常に背すじを真っ直ぐに保ちましょう。お腹を突き出したり、逆に腰を突き出したフォームになると、大胸筋への負荷が逃げてしまいます。
目的に合わせた腕立て伏せの回数設定
胸の土台アップなら1セット15回・ダイエットなら20回が最適
胸の土台アップ狙いの場合は15回の反復で、二の腕の引きしめを狙う場合は20回以上の反復で限界がくるようにスピードを調整して行ってください。
なお、この回数で刺激される筋繊維の種類は以下のようになります。
○瞬発筋TYPE2a(FO筋繊維):中重量中負荷で15回前後の反復回数で鍛えることでやや肥大する
○持久筋(SO筋繊維):低重量低負荷で20回以上の反復回数で鍛えることで引きしまる
腕立て伏せの正しい呼吸
力を入れる時に口から吐き力を抜く時に鼻から吸う
筋肉は息を吐く時に収縮(力が入る)し、息を吸う時に弛緩(力が抜ける)という特徴があります。ですので、腕立て伏せをする時は身体を押し上げながら息を吐き、下に戻ってから息を吸うのが正しい呼吸方法になります。
また、鼻から吸って口から吐くことで無意識に腹式呼吸になり、筋トレ効果だけでなく有酸素運動の効果もあわせて得ることができます。
腕立て伏せができない女性におすすめのバリエーション
腕立て伏せができない女性はかなり多いものです。そのような方は、負荷強度の低い腕立て伏せのバリエーションでトレーニングを行い、胸の土台アップやダイエットに素晴らしい効果のある腕立て伏せを是非実施してください。
以下に、負荷強度の低い順に、腕立て伏せができない女性向けのバリエーションをご紹介します。
①壁腕立て伏せ
もっとも強度の低い腕立て伏せが、こちらの動画のような壁(押し)腕立て伏せです。大胸筋や上腕三頭筋にしっかりと負荷がかかるのを感じられるように調整して行ってください。
②膝つき腕立て伏せ
腕立て伏せができない女性でも、ほとんどの方ができるのが、こちらの膝つき腕立て伏せです。膝をつく以外の基本的なフォームは通常の腕立て伏せと同じです。
◆膝つき腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を台につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、膝を床について構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
はじめは無理に深く身体を下ろさず、筋力がついてきたら徐々に床まで身体を下ろすようにしてください。
③斜め腕立て伏せ
壁腕立て伏せや膝つき腕立て伏せで十分に回数をこなせるようになったら行ってほしいのが、こちらの画像のような斜め腕立て伏せです。
手をつく台が高ければ負荷は弱まり、逆に低くなれば負荷が高まります。
台のかわりにバランスボールを使用すると、ボールの反発力が動作を補助してくれるのでおすすめです。
◆バランスボール腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、手をバランスボールの両端につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり、逆に腰を曲げたりしないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
バランスボールの反発力を使うと筋力の補助になるほか、一回一回揺れを止めるようにすると体幹インナーマッスルも鍛えられます。
④膝つきパイクプッシュアップ
膝つきパイクプッシュアップは、大胸筋上部に効果のあるパイクプッシュアップを女性むきに強度を落とした種目です。身体を押し上げる時に、斜め後方に押すのがポイントです。
⑤膝つきタイプライタープッシュアップ
左右に上半身を移動させる動作をくわえることで、大胸筋を幅広く刺激できるのがタイプライタープッシュアップですが、通常のやり方は強度的に女性や初心者には難しくなります。
そこで、膝をつくことで強度を落としたのが膝つきタイプライタープッシュアップです。
腕立て伏せの負荷を上げたい場合
足上げ腕立て伏せが胸の土台アップにも最適
女性のなかには通常の腕立て伏せでは強度が足らないと感じる方もいます。そのような方は、この動画のような足上げ腕立て伏せを行ってください。
腕を押す出す角度が、胸の土台アップに重要な大胸筋上部に効く軌道になるので、胸の土台アップ筋トレとして最適です。
なお、お腹を突き出したフォームになると、せっかくの軌道が通常の腕立て伏せと変わらなくなってしまいますので、どちらと言えば、やや腰を曲げ気味にするほうが効果的です。
◆デクラインプッシュアップのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せ、足を台の上に乗せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出さないように気をつけて身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし、顎をやや引いて大胸筋と上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
お腹を突き出すとせっかくの大胸筋上部に負荷がかかる軌道が、通常の腕立て伏せ同様になってしまうので、どちらかと言えば少し腰を曲げ気味にするフォームが効果的です。
大胸筋を縦方向に刺激するヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップは上半身の押す筋肉だけでなく、下半身や脊柱起立筋など全身に効果があり、女性のダイエットにも最適な腕立て伏せバリエーションです。
◆ヒンズープッシュアップのやり方と動作ポイント
①肩幅よりやや広く手幅をとり、大きく足を開いてうつ伏せになり、腰をやや高く上げて構える
②斜め前方に身体を下ろしていく
③身体を十分に下ろしたら、やや背中を反らせてすくい上げるように上半身を押し上げる
④腰を後方に上げながら元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
ヒンズープッシュアップは、できるだけ大きな前後・上下運動をするように意識することで、上半身だけでなく下半身にもしっかりと負荷がかかります。
爆発的負荷があるクラッププッシュアップ
クラッププッシュアップは上半身の押す筋肉に爆発的な負荷がかかる女性にとってはかなり高強度の腕立て伏せです。
二の腕引き締めに特化した腕立て伏せ
腕の外側に効果的なダイヤモンドプッシュアップ
腕の外側(上腕三頭筋短頭)に対して高い効果のある腕立て伏せのバリエーションが、親指と人差し指で菱形を作って行うダイヤモンドプッシュアップです。
なお、膝つきでも行うことが可能です。
◆ダイヤモンド腕立て伏せのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、親指と人差し指でダイヤモンド型を作って手を床につき、背すじを伸ばし、肩甲骨を寄せて構える
②肩甲骨を寄せたまま、お腹を突き出したり腰を曲げたりせずに身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を押し上げる
④肘を伸ばし上腕三頭筋を完全収縮させる
◆ワンポイントアドバイス
肘をあまり絞って行うと手首に負担がかかりますので、肘は外に張り出すようにしてください。
腕の内側に効果的なクローズプッシュアップ
二の腕の内側(上腕三頭筋長頭)に効果の高い腕立て伏せのバリエーションが、この動画のようなクローズグリッププッシュアップです。肘を体側から離さないように動作するのがポイントです。
この種目も膝つきで行うことができます。
腹筋にも効果のある腕立て伏せ
スパイダーマンプッシュアップ
通常の腕立て伏せに下半身の屈曲動作を組み込むことで、腹筋にも効果の高い腕立て伏せのバリエーションが、この画像のようなスパーダーマンプッシュアップです。
下半身にも効果のある腕立て伏せ
グラスホッパープッシュアップ
下半身の捻り動作を組み込むことで、腹斜筋(横腹)や下半身(内もも)にも効果的な腕立て伏せのバリエーションが、この動画のようなグラスホッパープッシュアップです。
背筋にも効果のある腕立て伏せ
T-プッシュアップ
通常の腕立て伏せ動作に、上半身を横に大きく反らせる動作を組み込むことで、背筋にも効果のある腕立て伏せのバリエーションがT-プッシュアップです。