【女性がジムで綺麗に身体作りをする方法】二の腕・お腹・下半身の筋トレメニューを女子ボディービルダーが解説

この記事は全日本3位以上・日本代表の各競技選手のみが執筆した専門記事です。

身体作りに取り組もうとトレーニングジムに入会すると、ジムには筋トレ用のマシンと有酸素運動用のマシンとがあり、どの器具をどのように使い、どのように組み合わせていいのか悩んでしまいますよね。

そこで、今回は筋トレと有酸素運動を上手に組み合わせて、効率的に綺麗に身体作りをする方法を、国内トップレベルの実績を持つ女子ボディービルダーのYoko Joe M様(日本クラス別三位)に、EPOC(運動後過剰酸素消費量)の観点からも解説・執筆いただきました。

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筋トレと有酸素運動のどっちが有利?

単純に比較すると筋トレのほうが身体作りには有利

身体作りには有酸素運動と筋トレのどちらが適しているのでしょう?

30分間筋トレをした場合(インターバルをとりながら)とウォーキングをした場合の標準的な消費カロリーは次の通りです。

○筋トレ:100~200kcal
○ウォーキング:80~150kcal

消費カロリーに幅があるのは、筋トレはどこまで追い込むかで変化し、ウォーキングは歩く速さによって変化するからですが、いずれにせよ筋トレのほうが消費カロリーが高いことがわかります。

重要なのは消費カロリーではなく代謝向上と体質改善

身体作り筋トレにおいて重要なのは消費カロリーと言う小さなエネルギー消費ではありません。

有酸素運動は運動をしたときにカロリーを消費して終わりですが、筋トレをすると、筋肉痛になり、それを回復させるために新陳代謝が飛躍的に向上します。また、筋トレをして筋密度が向上することで、安静時を含めた消費エネルギーの水準が高い身体になります。このことこそが、「身体作りには筋トレが最適」と言われる理由なのです。

【ここからYoko Joe M様執筆】

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筋トレと有酸素運動のどっちが大事?どっちが先?

筋トレ優先だが有酸素を組み合わせるとさらに効果がある

筋トレと有酸素運動のどっちが大事か、どっちを先にすべきでしょうか?

筋トレをしっかりがんばって、筋肉量が増えれば基礎代謝量があがって、自然とやせるカラダに変わります。

体脂肪が多い状態で筋力トレーニングを中心に運動を始めると、身体の外見的な変化として、筋量の増加が先に目立つケースもあります。その結果、全体のシルエットとしては、想定していたイメージと異なる印象になることもあります。

全体のバランスを整えながら身体づくりを進めたい場合は、時間をかけて筋力トレーニングと有酸素運動の両方を組み合わせ、運動量と消費量のバランスを取りつつ継続していくことが重要になります。

大会が無い時期のボディビルダーは、あまり有酸素運動はせず、筋トレをメインに運動のスケジュールを組む方が多いです。不要に体重が増えてきた、代謝が落ちてきた感じがする時だけ有酸素運動をやります。筆者もオフシーズン中はほとんど有酸素はせず、大会シーズン中もなるべく控えて、筋トレをメインに体脂肪を落とすようにしています。これは、なるべく筋肉量をへらさず、でも体脂肪のみを落として、大会で評価が高い、筋肉量があってメリハリがある、アウトラインがキレイな、見た目なキレイなカラダを作るためです。

でも、いつまでも体重が落ちなくなったら、みな有酸素運動を始めるし、コーチもも選手に有酸素運動をするよう指示します。

筋トレは骨組みつくり、有酸素運動は土台つくり

筋トレと有酸素運動は車の両輪のようなもの

メリハリのあるカラダ、美しい形のカラダは筋トレがつくります。有酸素運動ばかりをやり込むと、遅筋ばかりが育って、ガリガリのマラソンランナーのようなカラダになりがちです。

しかしながら、筋トレをしっかりやり込むには、重いウエイトを持てるだけの心肺能力も必要で、その土台作りは有酸素運動が担います。
重たい重量で休み時間(インターバール)を短めに筋トレを行うと、より筋肉量が増える筋トレ効果が期待できますが、先に有酸素的にへたばりやすいのです。

しっかり筋トレをするには、強い心肺能力が必要になります。優先度は筋トレが大事ですが、有酸素運動で土台作りも重要です。

筋トレを先に行う場合のメリット

筋トレを有酸素運動より先に行うのは、多くのボディビルダーが昔から行ってるやり方です。栄養も行き渡っていてカラダが元気な状態で先に筋トレをすると、よりハードにトレーニングができて、筋疲労ができ、筋肉を増やせるからです。しめで有酸素でさらにエネルギーを使い切って、体脂肪を燃やそういう考え方です。先に有酸素運動を行ってしまうと、筋トレに必要なグリコーゲン(エネルギー源)を使い切ってしまうし、筋トレに必要な集中力も無くなってしまうので、多くのボディビルダーは筋トレ→有酸素運動の順序を選びます。

有酸素運動を先に行う場合のメリット

逆に、先に有酸素運動を行い、あとで筋トレを行った方が効率が良いという考え方もあります。筋トレの方がEPOC(運動後過剰酸素消費量)が効果があるので、先に筋トレを行い、あとで有酸素運動をするとせっかくのEPOCの効果がかぶってしまうからです。

EPOC(運動後過剰酸素消費量)とは運動直後にエネルギー消費効率が高くなる状態で、筋疲労がメインの筋トレ方が効果が期待できます。しっかり筋トレができたらEPOCは24時間以上は続くそうです。その後にわざわざ有酸素運動をしたら損だという考え方です。

どっちを先にしたらいいの?

では、どっちを先にやればいいのでしょうか?どちらもそれなりにメリットがあるし、特に、先に筋トレをし後に有酸素運動をするのは伝統的に好まれている順番です。

筆者のやり方は、有酸素運動が必要になったら、朝一番に有酸素運動をやって、夜に筋トレです。朝一番にカラダが元気な時に有酸素運動で心拍数を上げます。夜、仕事で気持ちは疲れていても、カラダは元気な状態で筋トレでリフレッシュしてます。

筋力トレーニングと有酸素運動は、同じ時間帯にまとめて行うだけでなく、時間帯や実施日を分けて取り入れる方法もあります。このように分けて行うことで、それぞれの運動の特性が干渉しにくくなり、運動量の管理もしやすくなります。

また、EPOC(運動後過剰酸素消費量)と呼ばれる反応は、一定時間続くことが知られており、運動の組み合わせ方によっては、その状態が持続する時間に差が出ることもあります。

1日1回しか運動はできない、それも週数回しかジムに通えない場合はどうするのか?
その場合、有酸素運動をジムのエアロビックスクラスで行い、その後にマシントレーニングを行えば大丈夫です。

ジムのエアロビックスクラスなら長くても50分程度で、しっかり心拍数を上げられます。その後でマシンベースの筋トレならば、集中力がかけて怪我をすることも防げます。

心拍数が上がった状態で更に追い込みがかけられるので、やせる効果のEPOCの持続と、基礎代謝向上の筋力増強も期待できます。

または、ある日はエアロビだけの日、ある日は筋トレだけの日にして、なるべくEPOC効果を持続させれば、初心者トレーニーならキレイに痩せていきます。

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二の腕に適したトレーニングマシン

腕の裏側(上腕三頭筋)をターゲットにする

二の腕作りに効果的なのは、実は上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。

上腕三頭筋をしっかり鍛えると、二の腕のたぷんたぷんが引き締まって、夏にタンクトップやフレンチスリーブのシャツを着てもカッコよい感じになります。

オーバーヘッドケーブルプルオーバー

上腕三頭筋のトレーニングで有名なのはダンベルをつかったキックバックですが、ケーブルを使ったオーバヘッドプルオーバーの方が簡単にできます。初心者でも二の腕のたぷんたぷんにストレッチ感(しっかり伸びた感じ)を実感できて、フォームや重さ選びに悩むことも少ないです。

適切なのは15~20回を3~5セット、インターバルは1~3分以内です。

10回できそうな重さを、頑張って20回まで続けましょう。インターバルは短めにして、たぷんたぷん部分にしっかりストレッチ感と、筋トレの焼け付いた感じ、バーンがでてくるまで頑張りましょう。

重たいものにこだわるより、しっかりストレッチできてバーンが感じられることが重要です。そのためにも回数は多め、インターバルは短めにしてください。

背中に適したトレーニングマシン

背中にはラットプルダウン

背中に一番効くトレーニングは実は懸垂です。懸垂はなかなかハードルが高いので、いろいろなラットプルダウンマシンを試して、背中作り・背中強化をしながら、懸垂を次の目標にしましょう。

ケーブルワイドグリップラットプルダウン

一番基本のワイドグリッププルダウンで、肩甲骨全体をしっかり動かす感じを覚えましょう。バーの形は気にせず、自分の肩幅よりすこし広めにバーを握って、ひじが肘が脇の下につくぐらいまでしっかり下ろします。

重さにチャレンジするより、ひじをしっかり上げ下げして、肩甲骨の開く・閉じる感じを感じ取るようにしてください。

10回以上できる重さで10回3セットで始めて、肩甲骨操作になれたら徐々に重さを足してください。

固定バーのラットプルダウン

ケーブルにバーをつなぐタイプのラットプルダウンマシンでしっかり肩甲骨のストレッチをすませたら、次にバーが固定されているタイプのマシンで更に背中を鍛えましょう。

バーが固定されているタイプは肩甲骨の動かし方もマシンが操作してくれるので、重めの重量で肩甲骨の開く・閉じるの動作に合わせて、力をいれることにも集中してください。

ケーブルタイプでしっかりストレッチしたら、固定バータイプで操作はマシンにまかせて背中の筋力をつけるイメージです。ぎりぎり10回持てる重さで、10回3セットです。

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お腹痩せに適したトレーニングマシン

アブコースターを使うと効率的

お腹痩せには腹筋マシンが一番ですが、ジムでやるならアブコースターをつかうと腹直筋、腹斜筋の両方が簡単に鍛えられます。

腹筋は大事ですが、あきやすいトレーニングなので、ジムの色んな機器を毎日使い分けて変化をもたせるのが大事です。

アブコースター

大概のゴールジム店舗にはアブコースターは設置されてるようですが、意外に正しく使っている方は少ないです。脚をのせる台をまっすぐに設定すると腹直筋メインに、斜めに設定すると腹斜筋によく効きます。

どちらでも大切なポイントは、後ろにしっかり伸ばした後、前に戻す時に一番高い位置までコースターが上がったら「ポーズを入れる」ことです。

高い位置に上がって腹直筋か腹斜筋にしっかり収縮が感じられたタイミングで1-2-3と数えてポーズを必ずいれましょう。

一番収縮が感じられるポイントでポーズをいれると、そうそう回数ができないくらい腹筋に効いています。

20回5セットからで始めたいですが、まずは必ずトップポジションでポーズ、腹筋に強い収縮感を確かめてください。

初心者でも始めやすいマシントレーニングで、お尻にも効果的です。しっかりトップポジションでポーズをかけるテクニックがマスターできたら、下半身全体が変わっていくことが実感できるはずです。

ジムで下半身作りをするには

まずはお尻まわりのアクティベーション

下半身をしっかり鍛えると、スタイルが良くなるだけでなく、カラダの中で一番大きな筋肉なので基礎代謝量もグンとあがり、食べても食べても太らないカラダに早く変わることができます。

ただし、効果的に下半身作りをするには、筋肉をきたえるより、まず下半身周りの柔軟性をきたえるのが重要です。いくらお尻に効くエクササイズをやってもお尻周りの筋肉が固くなった状態では、効果は期待できません。

下半身作りは、柔軟なお尻周り、柔軟性ある股関節周りを作っていくところから始まるので、腸腰筋をしっかり伸ばすストレッチをかならずやってください。

これはアクティベーションと呼ばれるテクニックです。お尻周りの筋肉を目覚めさせるウォームアップと考えてください。

ジムのストレッチエリアで、写真のストレッチを右・左の両方を各3回30秒以上ポーズをとって、しっかり下半身の柔軟性を鍛えましょう。

下半身に適したジムトレーニングマシン

ケーブルヒップアブダクション

ジムお尻トレーニングの定番です。ケーブルを足首にアタッチして、軽めの重さで、勢いをつかわず、お尻をふったりせず、脚だけの動きで、太もも、お尻に刺激を加えます。

20~15回を5セットほどが理想ですが、まずは20回やりながらしっかり太もも・お尻に効いてることを感じながら始めてください。

必ず下半身周りを目覚めさせるアクティベーションを行ってから、下半身のエクササイズを始めましょう。お尻が長く眠ったままの方はアクティベーションだけでも、よく効きます。

有酸素運動マシンと使い方

ゆっくり有酸素にするか手早い有酸素にするか?

有酸素運動には2つ考え方があり、どちらをとるかで有酸素運動マシンを変える必要があります。

しっかり筋トレをした後で、心拍数を高い数値にあげたままに保つための有酸素運動なら、高負荷なトレーニングは無理なので、トレッドミルかバイクでゆっくりめの有酸素トレーニングにしましょう。

運動を過度に詰め込みすぎると、回復が追いつかず、身体にとって負担が大きくなることがあります。そのため、疲労の蓄積具合にも配慮しながら、無理のない強度で継続することが重要になります。

比較的ゆったりとしたペースでの有酸素運動を一定時間続けることで、呼吸循環系への刺激を安定して与えることができます。運動時間の目安としては、20分前後を基準に調整すると管理しやすくなります。

また、筋力トレーニングの前段階として心肺機能への刺激を高めたい場合には、HIIT(High Intensity Interval Training)を取り入れる方法もあります。トレッドミルでの走行や、階段昇降型マシンなどを使い、短時間で動作強度の高い運動を行うことで、過度な疲労を溜めすぎない範囲で運動量を確保しやすくなります。

HIITは、比較的高い強度の運動と短い休息を交互に繰り返すトレーニング方法です。一定時間の中で動作強度に変化をつけることで、運動量を確保しやすく、限られた時間の中でも心肺系への刺激を効率よく与えられる点が特徴とされています。

このトレーニング方法は、トレーニング経験者の間でも活用例が多く、時間効率を重視した運動構成のひとつとして取り入れられています。

運動に使える時間が限られている場合には、このような強度変化のあるトレーニングを組み合わせることで、短時間でも運動量を確保しやすくなります。

しかし、筆者は素早い走りや飛び歩く運動はあまり好きでないので、HIITはほとんど行いません。20分以上時間をかけたゆっくり有酸素運動で体脂肪を落としてます。

ゆっくり有酸素運動が好きか、手早く有酸素運動は済ませて素早い効果が欲しいか、好みで選んで良いと思います。

全マシン筋トレメニュー一覧

胸の筋肉の筋トレ

マシンチェストプレス
マシンチェストフライ
ケーブルフライ

肩の筋肉の筋トレ

マシンショルダープレス
ケーブルサイドレイズ

二の腕(後側)の筋トレ

ケーブルプレスダウン
ケーブルキックバック

背中の筋肉の筋トレ

ケーブルローイング
ケーブルラットプル
ケーブルリバースフライ
ハイパーバックエクステンション

二の腕(前側)の筋トレ

ケーブルカール

お腹の筋肉の筋トレ

マシンクランチ
ケーブルクランチ
トルソーマシンツイスト

太もも(前側)の筋トレ

マシンレッグプレス
レッグエクステンション

太もも(後側)の筋トレ

マシンレッグカール

【ここまでYoko Joe M様執筆】


【戦績】
・ボディビル
2013年東京オープン女子ボディビル優勝
2014年日本クラス別女子46kg以下級三位
2014年関東クラス別女子ボディビル50kg以下級優勝

▼執筆記事一覧

【客員執筆者】女子ビルダーYoko Joe M様・プロフィール
当サイトGLINTに客員執筆いただいている、女子ビルダーのYoko Joe M様のプロフィールです。 【筆者プロフィール】 Yoko Joe M 早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業 多々外資系IT企業を経験して、現在ベタベ...
本サイト「GLINT」は、2019年より筋力トレーニングと運動生理学および生物学に関する専門情報を継続して公開しています。競技経験に基づく実践的な知識と、博物館学芸員としての科学的根拠を重視した解説をもとに、正確で信頼できる情報の提供を目指しています。

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