下腹部を中心として「最強レベルの効果がある腹筋トレーニング」とも呼ばれるドラゴンフラッグは、かのブルース・リーが発案したとされる超高強度の自重トレーニングです。また、身体を支えるために上半身の筋肉も必要とされるためハイブリッド筋トレの側面も持ち合わせています。
そのやり方を、初心者・女性向けの床での簡易的な方法~上級者むけのベンチで行う本格的な方法まで、動画をまじえて解説します。
テコンドー主戦績
全日本選手権東日本地区大会3位
全日本選手権東日本地区大会優勝
全日本学生選手権準優勝
ドラゴンフラッグが効果のある筋肉部位
腹筋下部を中心に腸腰筋群や脊柱起立筋にも効果が高い
ドラゴンフラッグはまず主働筋となる腹筋群(腹直筋・内外腹斜筋・腹横筋)に非常に高い効果があり、ついで体幹と下半身をつなぐインナーマッスルの腸腰筋群(大腰筋・腸骨筋・小腰筋)にも高い効果があります。
特に腹筋下部に集中的な負荷がかかり、最強の下腹筋トレとも言われています。
また、これらの拮抗筋である長背筋群(最長筋・多裂筋・脊柱起立筋など)にも効果的です。
上腕二頭筋を中心に僧帽筋や広背筋にも効果的
さらに、上半身を引きつけて固定するために、僧帽筋・広背筋・上腕二頭筋などの上半身の引く筋肉群にも効果があります。特に上腕二頭筋にはかなりの負荷がかかります。
床で行う初心者・女性向きのドラゴンフラッグ
まずはこちらにチャレンジしてみよう
こちらの画像は、初心者向きの床で行うドラゴンフラッグ(厳密にはドラゴンフラッグではありませんが)のやり方です。
何かを掴んで上半身を保持し、腰を床につけて腰から先を上下させます。これだけでも、かなりの強い負荷で下腹を鍛えられますので、まずはここからスタートしましょう。
女性向きのドラゴンフラッグ風リバースクランチ
こちらは、女性向きのドラゴンフラッグ風リバースクランチの動画です。動画ではベンチで行っていますが、基本的にドラゴンフラッグは床で行ってもベンチで行っても強度は変わりません。
まずは足を折り曲げたまま腰から先を持ち上げ、そこから真上方向に足を伸ばしていきます。戻す時は、できるだけ足を伸ばしたまま下ろしていきますが、最後は膝を折り曲げてかまいません。
そして、腰を床につけ一息を入れてから同じ動作を反復していきます。
ベンチを使ったドラゴンフラッグ(上級者向き)のやり方
腕で上半身を保持し腰は浮かせたまま行う
ドラゴンフラッグにはいくつかバリエーションがありますが、こちらの動画のようなやり方がドラゴンフラッグの模範的な動作です。
腕でしっかりとベンチの縁を保持して上半身を支え、身体をまっすぐに保ったまま腰はつけずに肩甲骨から下を上下させます。
ベンチを使う利点としては、ベンチの端に肩をついて行うと、水平よりも下に下半身を下ろせ、さらに強度の高いドラゴンフラッグを行うことができる点です。
ドラゴンフラッグの予備種目
初心者向きドラゴンフラッグも無理な方はここからスタート
ドラゴンフラッグは、あまりテクニックはなく、純粋に体幹の筋力が要求されるトレーニング方法です。
できなくてもガッカリする必要はありません。実際、ジムトレーナーをしていて見ていると、できない人のほうがずっと多いくらいです。
でも、ドラゴンフラッグができない人でも、その予備種目から徐々に鍛えていけば、必ずできるようになります。
ドラゴンフラッグができない方は、次のような種目で基礎筋力を鍛えてください。
腹筋群と腸腰筋群を強化するレッグレイズ
ドラゴンフラッグの主働筋である腹筋群と腸腰筋群を一度に鍛えられるのがレッグレイズです。反動を使わずゆっくりとした動作で確実に効かせてください。
拮抗筋の長背筋群を強化するバックエクステンション
ドラゴンフラッグの主働筋に対する拮抗筋である長背筋の基礎筋力をつけるのに最適な種目がバックエクステンションです。こちらも反動を使わずに動作することを心がけてください。
HAYATE選手の実際のドラゴンフラッグ練習
こちらの動画は、筆者の息子で現在当サイトの客員監修者でもあるHAYATE選手(現東日本チャンピオン)が、テコンドーU17全日本選手権でメダルを2年連続奪取していた高校生時代の、当ジムでも実際の体幹トレーニング風景です。
重りをつけたレッグレイズ、重りを保持してのハイパーエクステンション、足を屈伸させての強度の低いドラゴンフラッグで基礎体力をつけている様子です。
継続努力と、自身を追い込む強い意志があれば、必ずドラゴンフラッグができるようになります。
実際、大学生になったHAYATE選手は、通常のドラゴンフラッグを難なくこなすようになっています。
戦績:JOC全日本ジュニア選手権準優勝・全日本学生選手権準優勝・東日本選手権優勝など
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