
鶏肉の部位ごとのカロリー・栄養素をご紹介するとともに、筋トレの目的(バルクアップ・身体作り)別に最適な肉の種類を解説します。あわせて、具体的な鶏肉料理の作り方レシピもご紹介します。

鶏肉には主に、ささみ・むね肉・もも肉・せせり・手羽があり、このほかにホルモン系としてレバー・鶏ハツ・砂肝があります。
それでは、これらの部位を筋肥大バルクアップ筋トレ向き(高タンパク質で適度なカロリーを含む)、減量身体作り筋トレ向き(高タンパク質低カロリー)、筋トレに向かない部位(高カロリー)の3つに分類してご紹介します。
筋肥大バルクアップ筋トレ向きの鶏肉部位
※カロリー・栄養素表示は全て100gあたりです。
せせり肉

エネルギー:166kcal
タンパク質:20.9g (83.6kcal)
脂質:8.3g (74.7kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
首の部分の肉である「せせり」はほどよいカロリーを含んでおり、筋肥大バルクアップ向きの鶏肉部位です。
もも肉(皮なし)

エネルギー:116kcal
タンパク質:18.8g (75.2kcal)
脂質:3.9g (35.1kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
鶏もも肉は、やや筋肉合成カロリーが低めですが、非常に高タンパク質で、ご飯などの主食と一緒に食べるとバルクアップに理想的な栄養バランスになります。
いずれにせよ、皮はかならず除去してください。
鶏レバー

エネルギー:111kcal
タンパク質:18.9g (75.6kcal)
脂質:3.1g (27.9kcal)
炭水化物:0.6g (2.4kcal)
鶏レバーも適度な脂質を含んでおりバルクアップ向きの部位です。また、ビタミン・ミネラルが多いことも筋肥大に有利です。
手羽元
減量身体作り筋トレ向きの鶏肉部位
※カロリー・栄養素表示は全て100gあたりです。
ささみ

エネルギー:45kcal
タンパク質:9.89g (39.56kcal)
脂質:0.34g (3.06kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
ささみは高タンパク質低カロリーで、なおかつ胸肉より柔らかく食べやすいので、身体作り筋トレでは最高レベルの食材です。
むね肉(皮なし)

エネルギー:108kcal
タンパク質:22.3g (89.2kcal)
脂質:1.5g (13.5kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
鶏むね肉は、高タンパク質低カロリーな上、非常にリーズナブルなので、身体作り時のメイン食材とも言える鶏肉部位です。
砂肝

エネルギー:75kcal
タンパク質:14.64g (58.56kcal)
脂質:1.44g (12.96kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
砂肝もかなりの高タンパク質低カロリーで身体作り筋トレに最適な食材の一つと言えます。
筋トレに向かない鶏肉部位
※カロリー・栄養素表示は全て100gあたりです。
鶏皮

エネルギー:497kcal
タンパク質:9.5g (38kcal)
脂質:48.6g (437.4kcal)
炭水化物:0g (0kcal)
鶏皮は、低タンパク質超高カロリーですので筋トレ目的のいずれに関わらず食べることを避けたい鶏肉部位の筆頭です。
手羽先

手羽先は皮の占める割合が大きく、どうしてもハイカロリーになるので、鶏皮について食べるのを避けたほうがよい部位です。
鶏ハツ

エネルギー:207kcal
タンパク質:14.5g (58kcal)
脂質:15.5g:(139.5kcal)
炭水化物 0g:(0kcal)
鶏ハツもかなり脂質が多めですので、筋トレにおいては、あえて食べる必要性のない鶏肉部位です。
なお、数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参照しています。また、食品の栄養素(PFC)および食事全体の栄養(PFC)バランスに関しては食事バランスガイド(農林水産省)の情報を参照しています。
具体的な鶏肉調理例
筋肥大バルクアップ筋トレ向き料理
ここからは、実際に筆者が競技者として作ってきた筋肥大バルクアップ期の鶏肉料理をご紹介します。

【筋トレバルクアップ炒飯】鶏豚牛+大豆のコラボ|休日ランチに適した筋肥大昼食例
鶏もも肉(皮なし)の細切りをたっぷりと入れた炒飯にチキンステーキを乗せた、バルクアップ炒飯です。

【筋トレ後に最適な焼き鳥丼】鶏もも肉の焼き鳥風焦がし醤油の料理レシピ
仕上げにクッキングバーナーで炙って風味を高めた焼き鳥を、たくさんの野菜とともに丼にしました。

【筋トレ後のささみカツのレシピ】砕いた麩を衣にして植物タンパク質も追加
砕いた麩を衣に使い揚げ物にし、ささみの高タンパク質に植物タンパク質と筋肉合成カロリーも追加したささみ料理です。

【筋トレむきチキンステーキ唐揚げ】表面積を抑えて筋肥大黄金比率にする鶏肉レシピ
鶏もも肉の一枚なりをそのまま唐揚げにしました。表面積を押さえることでオーバーカロリーを防いでいます。また、衣に砕いた麩を使い、アミノ酸スコアも向上させました。

【筋トレむきチキンカツ】麩を衣にして植物タンパク質も追加した筋肥大バルクアップに最適な鶏肉レシピ
砕いた麩を衣に使い、アミノ酸スコアを大幅に向上させた、バルクアップ筋トレむきのチキンカツです。
減量身体作り筋トレ向き料理
ここからは、筆者が試合前の減量期に作って食べていた、身体作り筋トレむきの鶏肉料理をご紹介します。

【身体作り筋トレ向けささみ大豆料理】タコス風チキンビーンズのレシピ紹介
ささみと水煮大豆・枝豆を使い、ご飯を極力少なくした、高タンパク質低カロリーの炒飯です。

【筋トレ向き鶏五目きんぴら】食物繊維たっぷりで高タンパク質の減量レシピ
鶏むね肉に根菜類をあわせ、食物繊維で物理的な満腹感が得られる和食です。

【鶏ささみの赤身牛肉巻き】身体作り筋トレに最適な低カロリー肉料理
試合前の減量期は、もうササミが見たくもなくなりますが、高タンパク質低カロリーの赤身牛肉で巻くことで、美味しく食べることができます。

【筋トレ専用チキンナゲット】衣に麩を使い揚げずに焼いた鶏肉料理
鶏むね肉のミンチに砕いた麩をまぶし、揚げずに焼いたチキンナゲットです。減量期でも工夫しだいで揚げ物風料理を楽しめます。

【身体作り筋トレむきササミ唐揚げ風】衣に麩を使い揚げずに焼くレシピ
ササミに砕いた麩をまぶし、揚げずに焼いて仕上げた身体作り筋トレむきの唐揚げ風料理です。

【筋トレ用チキン南蛮】皮をはぎ衣を麩にして揚げずに焼くレシピ
こちらも、衣に砕いた麩を使い、揚げずに焼いたチキン南蛮です。タルタルソースのかわりに、カロリーの低い甘酢あんかけで仕上げました。
レシピ集はこちら


タンパク質の安定摂取

筋トレの成果を継続的に出していくためにはタンパク質の安定的な摂取が必要で、そのためには冷凍タンパク質食材をストックしておくことも有効です。下記は筆者が日本代表競技者として実際に常時ストックしていた冷凍の肉類・魚介類の一例です。
冷凍鶏肉(もも肉|国産鶏)

こちらが、筆者が定期的に購入している鶏もも肉で、安心で美味しい国産なので重宝しています。まとめ買いだとスーパーよりもリーズナブルな場合が少なくありません。
▼実際の購入先とレシピ例
さまざまな筋トレメソッド

筋トレ効果を高める各種のメソッド・トレーニング方法を詳細解説したものが下記の記事です。刺激を変えたい、さらに追い込みたいときなどに是非ご活用ください。
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身体を鍛えたら食事にも気を使う
タンパク質の安定摂取と冷凍食材

筋トレの成果を安定して積み上げるには、日々のタンパク質摂取を途切れさせないことが重要です。そのために、競技生活の中で私自身も実践してきたのが、良質な冷凍タンパク質食材のストックです。下記は、日本代表としての実体験にもとづき、常時ストックしていた肉類・魚介類の一例です。

筋トレの効果を高めるためには、トレーニングだけでなく食事や栄養に関する基礎知識が欠かせません。下記の記事では、三大栄養素の基本から、目的別の食事設計、具体的な食品例に加えて、筋肥大期と減量期における実践的な食事レシピまでを解説しています。
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