大胸筋の仕上げマシントレーニングとして最適なケーブルフライには、大胸筋上部・下部・内側の部位別に効果的なやり方が主に四種類あります。そのやり方とポイントを動画をまじえて解説します。
ケーブルフライが効果のある筋肉部位
大胸筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle
部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
三角筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止
読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
ケーブルフライは大胸筋に効果があり、そのやり方によって大胸筋上部・下部・内側と効果のある部位が変化します。また、二次的に三角筋にも効果があります。
大胸筋上部に効果的なローケーブルフライ
大胸筋上部に効果的なケーブルフライがローケーブルフライです。斜め上方向に腕を閉じていくことを意識して行ってください。
大胸筋下部に効果的なハイケーブルフライ
大胸筋下部に効果的なケーブルフライがハイケーブルフライです。斜め下方向に腕を閉じていくことを意識して行ってください。
大胸筋内側に効果的なミドルケーブルフライ
大胸筋内側に効果的なケーブルフライがミドルケーブルフライです。前方に腕を閉じていくことを意識して行ってください。
大胸筋内側を集中的に追い込むクロスオーバーケーブルフライ
シングルハンドで行うクロスオーバーケーブルフライは、両手で行う種目に比べ、拳が身体の中心線を超える反対側まで動作するので、より強く大胸筋内側を収縮させることが可能です。
ケーブルフライに共通のコツ
ケーブルフライに共通する最大のコツは「ただ閉じるだけでなくフィニッシュで腕を押し出す」ことです。これにより大胸筋が最大収縮します。
なお、大胸筋上部ならば斜め上方法に、大胸筋下部ならば斜め下方向に、大胸筋内側なら前方に押し出す軌道で行ってください。
◆ケーブルフライのやり方と動作ポイント
①肩甲骨を寄せ、肘を伸ばし、腕を開いた位置でアタッチメントをグリップして構える
②肘を伸ばしたまま、腕を閉じていく
③腕を閉じたら、両手を合わせてやや前に押し出すとともに、顎を引いて大胸筋内側を完全収縮させる
④同じ軌道で、筋肉にストレッチをかけながらゆっくりと元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
腕を閉じた後に、両手を前に押し出す動作を加えることで、大胸筋が完全収縮して効果が高まります。
ジムトレーナーとしての実際の指導ポイント
大胸筋を完全収縮させるためには、顎を引いて首をやや前屈させる必要があります。セット終盤で苦しくなっても、顎を上げず動作を行ってください。また、各ケーブルフライの最大のポイントは、腕を閉じるだけでなく、その後にいかに押し込み動作を入れるかです。
ケーブルフライの順番と回数設定
ケーブルフライ系種目は大胸筋の単関節種目なので、腕立て伏せ系やプレス系種目など複合関節種目の後に行ってください。
また、適切な1セットの負荷回数設定は以下の通りです。
○筋肥大トレーニング:6~10回
○通常トレーニング:15回前後
○ダイエット筋トレ:20回以上
フレキシブルな軌道でのケーブルトレーニング
ケーブルトレーニングの最大のメリットは、フレキブルな軌道で効かせたい筋肉部位にピンポイントで負荷を加えられることです。このためには、布・ロープ製のアタッチメントが有効です。
ケーブルアタッチメントの種類と特徴
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事
【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介
本当におすすめのリストラップとは?
ジムトレーナーが本音で解説
プレス系トレーニングの効率を高め、手首を保護するために必須ともいえるマストアイテムがリストラップですが、本当にたくさんのメーカー・種類がありすね。そして、検索ででてくる「おすすめリストラップ」は正直、全くおすすめではありません。なぜなら、多くの記事は素人またはそれに近いライターさんが書いているもので、リストラップの本質について書かれてはいません。もちろん、そのチョイスについてもしかりです。
下記の記事は、国内主要メーカーのリストラップ(IPF公認含む)を「ウエイト下垂実験」もふくめて本気で試用・考察したものです。筆者のトレーナーとしての意見、パワーリフティング元日本王者の理論など、「本物のリストラップについて本音で解説」しています。