女性がジムで筋トレして下半身を綺麗に痩せるダイエットトレーニングと、そこからのヒップアップ方法について、ミスボディフィットネスで全日本トップクラスの実績を持つ選手であるMIKIKOさんに解説していただきます。
初心者もチャレンジしやすいマシントレーニングを中心に、本格的なバーベルトレーニング、そしてジムに行けない日の自宅筋トレまで、とても詳しく執筆してくださいました。
国内でもトップクラスの美しい下半身を持つ女性選手のトレーニングテクニックを、日々の筋トレに取り入れれば、非常に効果的・効率的にダイエット&ヒップアップが可能です。
※画像:MIKIKOさんご本人
下半身の筋肉の構造と作用
筋トレで鍛える下半身の主な筋肉名称と作用は次の通りです。
お尻の筋肉:臀筋群|脚を後ろに上げる作用があり、大臀筋、中臀筋、小臀筋の三層構造をしています。
太もも(前)の筋肉:大腿四頭筋|膝を伸ばす作用があり、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋に分けられます。
太もも(後ろ)の筋肉:ハムストリングス|膝を曲げる作用があり、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋から構成されます。
太もも(内)の筋肉:内転筋群|脚を閉じる作用があり、長内転筋、短内転筋、大内転筋、小内転筋から構成されます。
ふくらはぎの筋肉:下腿三頭筋|爪先を伸ばす作用があります。
ボリュームアップとシェイプアップの鍛え方の違い
目的に応じてターゲットにする筋繊維を変える
筋肉を形作る筋繊維には、大きく三種類があり、それは以下の通りです。
①遅筋(筋繊維TYPE1):持久的な収縮をする筋繊維で、鍛えると筋密度が上昇し引き締まる。
②速筋(筋繊維TYPE2a):持久力と瞬発力の中間の収縮をする筋繊維で、鍛えるとほどよく筋肥大する。
③速筋(筋繊維TYPE2b):瞬発的な収縮をする筋繊維で、鍛えると強く筋肥大する。
まず、③の速筋TYPE2bは女性ボディービルダーや瞬発系アスリートでない限り鍛えることはありません。また、この筋繊維をターゲットにしないかぎり、ムキムキになることもありません。
いわゆる引き締め・シェイプアップ筋トレを行う筋肉部位に対しては、①の遅筋TYPE1をターゲットにしてトレーニングしていきます。この場合の負荷設定は、20回以上の反復で限界がくる重量で行います。
バストアップなどのボリュームアップ筋トレを行う筋肉部位に対しては、②の速筋TYPE2aをターゲットにしてトレーニングを行ないます。この場合の負荷設定は15回前後の反復で限界がくる重量で行います。
【MIKIKO様執筆ここから】
下半身痩せダイエット系筋トレのポイント
絞るところは絞って出すところは出す
※画像:MIKIKOさんご本人
「メリハリある曲線美」を手に入れるために、私が日々のトレーニングで常に意識していること…特に下半身の筋トレを行う際に意識している事…それは「骨盤の傾き加減」です。
わかりにくい方は仁王立ちで両手を腰におき、ウェストではなく骨盤を左右から掴んでみてください。少し膝を緩めて、骨盤を前や後ろに倒すことができるか試してみましょう。
猫背がちな方は骨盤が後ろに倒れています。逆に反り腰の方は骨盤が前に倒れています。
正しい骨盤の位置に今すぐ直して下さいと言ってるのではありません。「今の自分の傾き加減を自覚した上で、自由に股関節を動かすことができるか?」ということが大切なポイントだと考えています。
女性の下半身マシン筋トレ
ターゲットの筋肉に神経を集中できるのがメリット
フリーウェイトトレーニングと違い、マシンを使う時は「バランスをとりながら動作を行う神経と労力」を使わなくて済みます。
その分ターゲットの部位に全神経を集中して、安全に行うことができます。ただ、外国製マシンの場合、どうしても体の小さな日本人女性には合わない(支点・力点がずれてる)場合がでてきます。
これは効きにくいばかりか、傷めてしまう原因にもなるので、パッドを利用するなど微調整してみて下さい。この調整の作業も「効かせられるているか?」という感性を育てる作業になります。
下半身全体のマシン筋トレ
まずはマシンレッグプレス
まずはレッグプレスです。座る、脚でプレートを押すというシンプルな動作なので筋トレビギナーの女性陣もとっつきやすいマシンだと思います。
シートに座ったら、まず骨盤の角度を意識してみて下さい。腰が丸まったまま(骨盤が後ろに倒れた状態)プレスする癖がついてしまうと、重量が重くなってくるにつれ、腰への負担が大きくなります。注意して下さい。
プレートを押す足の位置・背もたれの角度で効く箇所が変化します。いきなりメインセットに入らずに、まずはゆっくり動作して、効いてる箇所を確認してみましょう。
一番最初に「重さが乗ってるな、ここ使ってるな」と思った箇所に、そのセット間は効き続けます。
太もも前側・大腿四頭筋のマシン筋トレ
レッグエクステンションがおすすめ
太もも前側にはレッグエクステンションです。私は脚トレの一種目に持ってくることが多いです。
膝を曲げて伸ばすだけのように見えますが、足先を内股気味にするか外股気味にするかで、効く場所が違います。まず最初は真っ直ぐのまま、脚を伸ばしきる、力を込めて脚全体を硬直させる感覚を掴みましょう。
戻す時も力を抜き切らないように、スピードをコントロールしながら行ってみてください。
太もも後側・臀筋群&ハムストリングスのマシン筋トレ
プローンレッグカールがおすすめ
太もも後側におすすめなのはレッグカールですが、うつ伏せで行うプローンレッグカールを好んで行います。
シートの角度に股関節をぴったりとあわせてうつ伏せになります。膝下の部分の長さ調整も大切です。膝を曲げてかかとをなるべくお尻に近づけてくる動作の時に、しっかり力が入るように調整してみましょう。
そして戻し過ぎないこと。スタートポジション手前で切り返し、お尻・ハムストリングスがカチカチに硬くなるのを感じながら繰り返します。
太もも内側・内転筋群のマシン筋トレ
マシンアダクションがおすすめ
アダクターマシンは背もたれに背中を押し付け脚を閉じると内転筋のお尻側に、背中をつけずに前のめりになり脚を閉じると内転筋の前側によく効きます。
ふくらはぎ・下腿三頭筋のマシン筋トレ
レッグプレスマシンでのカーフレイズ
膝下の美しいメリハリラインを作るためには腓腹筋トレーニングです。ふくらはぎのピークが高い位置にあると、膝下が長く見えます。
レッグプレスマシンを使ったカーフレイズをおすすめします。
脚の位置はプレートから足裏半分がはみ出すところ(踵が出てる状態)に置き、膝は伸ばし固定した状態で足首だけを動かします。ふくらはぎがリンゴのように丸く収縮するのを感じながらプレス動作を繰り返します。
女性の下半身バーベル筋トレ
女性の下半身は意外とパワフル
上半身に比べ、下半身は男性との力の差は大きくありません。筋肉の大きさとパワーは比例します。自分が思っているよりもけっこう重いものが扱えるかもしれません。シャフトを握る事に慣れたら、少しずつプレートを増やして筋肉を育てましょう!
下半身全体のおすすめバーベル筋トレ
まずはやっぱりバーベルスクワット
※画像:MIKIKOさんご本人
まずはスクワットです。バーベルを担ぎ、しゃがみ、立ち上がるというシンプルな動きの中に、トレーニングから得られるたくさんの恩恵が詰まっています。
今回はお尻により効かせたいので、バーベルを担いだら股関節→膝の順番でゆっくりとしゃがんでいきます。(視線は正面を見たまま、床を見つめないように。)太腿が床と平行になるぐらいの深さまでしゃがんだら、足裏で床を押すイメージで立ち上がって見ましょう。
基本的に深くしゃがむと脚の根元、内転筋に効きます。バーベルを担ぐ位置、足幅、つま先の向き、しゃがむ深さ、スピード、回数など自分の目的に合わせてカスタマイズを楽しめる種目です。
太もも後側・臀筋群&ハムストリングスのバーベル筋トレ
スティッフレッグド デッドリフト
私はスティッフレッグド・デッドリフトを好んで行います。ただ、ある程度背中の筋力が発達していないと姿勢の保持が難しい種目でもあります。
バーベルを下げていく時に腕が先行して背中が丸まってしまうという方は、逆手でバーベルを握り背中の緊張を保ったまま、お尻を後方に突き出すというイメージで行ってください。バーベルは脚前面スレスレの軌道です。お尻とハムの境目が伸びているなと感じたら、恥骨を前面に突き出すイメージでバーベルを引き上げます。視線は正面です。
パワーグリップなどを使用すれば、ターゲットとなる筋肉の動きに神経を集中させやすくなります。
太もも内側・内転筋群のバーベル筋トレ
ブルガリアンスクワット
片脚ずつ行う種目です。片脚の甲、足首をベンチ台などに置き、内転筋のストレッチを感じながらできるだけ深くしゃがみ、床を押すように片脚でグッと立ち上がります。
前に置いた脚の膝がつま先より前に出ないように、視線は前を見据えたままです。この時にお尻の筋肉をギュッと硬くすることが大切です。
まずはウエイトなしで深くゆっくりしゃがむ練習をしてから、徐々にウエイトを増やしていきましょう。
ジムに行けない日の自宅筋トレ
ヒップリフト&ワイドスタンススクワット
ヒップリフト→ワイドスタンススクワットはどうでしょうか。
ますは限界までヒップリフト
仰向けになり両膝を立てたら、容赦なくお尻を締め突き上げます。股関節が平らになり、お尻のほっぺがカチカチになるのを感じて下さい。あえて回数は決めずにお「尻に効いている」と感じるまで行います。
物足らない方はシングルレッグで行います。限界を感じたら立ち上がり、ワイドスタンス自重スクワットに移りましょう。
仕上げのワイドスタンススクワット
常に脚の付け根、つま先、膝の向きが一直線上にあるように気をつけましょう。膝だけ内に絞ることのないように注意してください。手は胸の前で肘をあげクロス、もしくは前に伸ばします。
ここでしっかり胸をはり背中のアーチを作りましょう。
股関節からゆっくりしゃがみ、背中のアーチが崩れそうになる手前の深さまで下ろします。この時にお尻のストレッチを感じることが大切です。
【MIKIKO様執筆ここまで】
【戦績】
・H25ミス21健康美オーバーオール優勝
・H26 オールジャパンミスボディフィットネス 163cm以下級 第3位など
・H26 近畿クラシックベンチプレス 女子52kg級 第1位
・H28 京都府クラシックパワーリフティング 女子52kg級 第1位
・H29 女子関西フィージーク 優勝
・H29 日本グアム親善ボディビル・フィットネス選手権 ボディフィットネスオーバーオール優勝
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