肩の筋肉・三角筋のバーベルを使った筋トレ方法を、三角筋前部・中部・後部の部位別に詳しく解説します。
三角筋の構造と作用
三角筋は前部・中部・後部の三つの部位に分けられ、三部位が共働して腕を上に押し上げる作用を持ちます。また、部位ごとの作用は以下の通りです。
三角筋前部:腕を前に上げる
三角筋中部:腕を横に上げる
三角筋後部:腕を後ろに上げる
三角筋全体に効果のあるショルダープレス
①スタンディングショルダープレス
三角筋全体に効果的でもっともスタンダードなバーベル筋トレ種目がスタンディングショルダープレスです。
メリットとして、セット終盤で挙上限界がきても膝の屈伸を使ってセルフ補助ができることがあげられます。
反面、それは反動を使ったトレーニングになりやすいというデメリットでもあります。
三角筋のトレーニング全般に言えることですが、三角筋は体幹の大きな筋肉=僧帽筋・広背筋・大胸筋などと隣接・接合しているため、反動を使うとほとんどの負荷が体幹の筋肉に逃げてしまい、三角筋への効果が低くなりますので注意が必要です。
また、三角筋後部=リアデルタは重力に耐えながら負荷がかかる(伸長性収縮)ときに鍛えられますので、バーベルを上げる時も下げる時もしっかりとコントロールした動作をすることが重要です。
◆バーベルショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、肩の高さでシャフトをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
②シーテッドショルダープレス
ベンチなどに座って行うシーテッドショルダープレスは、反動が使えないためスタンディングショルダープレスよりもストリクトに三角筋を鍛えることが可能です。
その分、重い重量が扱えなくなるため軽めの重量設定をすることが肝心です。
これも三角筋のトレーニング全般に言えることですが、三角筋は体積が小さな筋肉ですので無理な負荷をかけると怪我に直結します。また、小さな筋肉はセット終盤での筋疲労が加速度的に増加しますので、軽めの重量設定でじっくりと効かせるのが三角筋トレーニング共通のコツになります。
③ショルダープレスビハインドネック
三角筋のなかでも中部から後部にかけて多くの負荷がかかるやり方が、首の後ろにシャフトを下ろすショルダープレス・ビハインドネックです。
ただし、肩関節に負荷がかかるので、肩の柔軟性に自信がない方は避けたほうが無難です。
三角筋前部に効果のあるフロントレイズ
三角筋前部を集中的に鍛えるのがバーベルフロントレイズです。
反動を使い上半身を反らせると、ほとんどの負荷が僧帽筋に逃げてしまうので、確実にコントロールできる重量設定で、上半身を傾けず、なおかつ肩甲骨を寄せないように注意して行ってください。
◆バーベルフロントレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにバーベルを前に上げていく
③バーベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
三角筋中部に効果のあるアップライトロー
三角筋中部を集中的に鍛えることができるバーベル筋トレ種目がバーベルアップライトローです。
肘をやや前に出すと三角筋前部に、やや後ろに引くと三角筋後部に効かせることも可能になります。
◆バーベルアップライトローのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、バーベルを真上に引き上げていく
③バーベルを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
三角筋後部に効果のあるフェイスプル
三角筋後部を集中的に鍛えられるのがバーベルフェイスプルです。
腰を90度まげた状態でのトレーニングになるため、腰に不安のある方はバーベルをベンチの下に通し、ベンチにうつぶせになって行うことをおすすめします。
◆バーベルフェイスプルのやり方と動作ポイント
①前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でシャフトをグリップして構える
②肩甲骨を寄せないように気をつけてバーベルを引き上げていく
③バーベルを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
▼筋肉名称デジタル図鑑
【筋肉名称デジタル図鑑】各部位の名前・作用・筋トレ方法(鍛え方)
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事
【目的別筋トレ食事メニュー例】増量期・減量期の食品と具体的レシピを紹介