ダイエットで何か運動を、と考えたとき候補に上がる双璧が「筋トレ」と「有酸素運動」です。はたして、どちらがダイエットに効果的なのか、比較考察します。
ダイエットにおける筋トレと有酸素運動の比較
ダイエット目的の運動として、よく筋トレと比較されるのが有酸素運動ですが、どちらのカロリー消費が激しいのでしょう。
実は、筋トレと有酸素運動の単位時間あたりで消費される運動エネルギーは、ほぼ等しいと言われています。予想外に筋トレの運動消費カロリーが高いのは、筋トレは無酸素運動で、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンを直接消費するからなのです。
さらに、有酸素運動は運動が終わればカロリー消費は発生しませんが、筋トレの場合は筋組織が破壊されるため、その修復(筋肉痛からの超回復)にかなり大きな代謝エネルギーが使われます。そして、それは超回復するまでの数日間続くため、運動をしていなくてもカロリー消費が高い状態が続きます。
つまり、運動時にしかカロリー消費が発生しない有酸素運動、非運動時(就寝中含め)もカロリー消費が発生し続ける無酸素運動(筋トレ)と言いかえる事ができます。
このため、ダイエットにおいては筋トレの方が有酸素運動よりも有効と考えられています。また、副次効果として、筋トレを続けると筋密度が向上し、基礎代謝の高い「太りにくく痩せやすい体質」になりますので、リバウンドに対する対策としても、やはり筋トレのほうが有酸素運動よりも優れていると言えるでしょう。
筋トレに有酸素運動の効果を加える呼吸法
サーキット形式でトレーニングを進める
ダイエットには筋トレだけでも十分と言えますが、せっかく運動をするのだから、筋トレを一工夫して有酸素運動の要素も追加するとさらに効果的です。
そのために有効なメソッドが、短いインターバルで全身を順番にローテーションしながら筋トレしていくサーキットトレーニングです。
腹式呼吸を行うためのテクニック
サーキットトレーニングのような強度の高い運動が苦手な方には、通常の筋トレに腹式呼吸を導入して有酸素運動効果も得ていくのもおすすめです。
腹式呼吸を行うと、胸式呼吸よりも換気率が上がり、有酸素運動としての効果が向上します。
筋トレの呼吸法は、筋肉が収縮する(力を入れる)時に息を吐き、筋肉が弛緩する時に息を吸うのが基本になりますが、この呼吸を腹式呼吸にするためにはどうすればよいのでしょう?
実は、答えは簡単です。「鼻から息を吸い、口から息を吐く」だけで、意識しなくても腹式呼吸になります。
ためしに、口呼吸と鼻呼吸をやってみて比べてみてください。口で息を吸うと、胸を使った浅く早い「胸式呼吸」になり、鼻で息を吸うと、腹を使った深くゆっくりとした「腹式呼吸」になるはずです。