肩周りをすっきりと細くするための三角筋の鍛え方を、自宅での筋トレ(自重・チューブ・ダンベル)から厳選して解説します。
三角筋は小さな筋肉で、トレーニングではつい後回しにされがちですが、肩周りの見た目の印象やフォルムに大きな影響を与える部位ですので、しっかりと引き締めていきましょう。
また、当サイトではミスボディフィットネス国内トップ選手のMIKIKO様・ボディービルトップ選手のYoko Joe M様にも客員執筆をしていただいておりますので、本記事にもマシンの使い方など要所の解説には、両執筆者の記事より引用を行っています。
【客員執筆者:MIKIKO様】
戦績:H26オールジャパンミスボディフィットネス 163cm以下級 第3位など
【客員執筆者:Yoko Joe M様】
戦績:2014年日本クラス別女子46kg以下級三位など
※筋トレと食事に関するネット情報はさまざまですが、当サイトでは下記の公的機関の情報に基づいて記載しています。
▼筋トレと食事についての情報
三角筋の構造と作用
体幹と上腕をつなぐ重要な筋肉
三角筋は肩関節の上腕側に位置し、体幹と上腕を接合する非常に重要な筋肉で、腕の動きの基本となる作用を持っています。
前部・中部・後部から構成される
三角筋は前部・中部・後部から構成され、全てが同時に動くと腕を上方へ押し上げる作用があります。また、個別には下記のような作用を持っています。
三角筋前部:腕を前に上げる
三角筋中部:腕を横に上げる
三角筋後部:腕を後ろに上げる
ムキムキにならない負荷と回数の設定
20回以上の反復で持久筋を鍛えていく
一般的な女性が筋トレと聞くと連想するのが、ボディービルディングの女性選手の身体だと思いますが、ダイエット筋トレをしてもこのようなムキムキの身体にはなりません。
それは、鍛える筋肉の対象が違うからで、ボディービルでは筋肥大する短瞬発筋を鍛えるのに対し、ダイエット筋トレでは、バストアップやヒップアップの部分はほどよく筋肥大する長瞬発筋を、引き締める場所は筋肥大しない持久筋を鍛えていきます。
なお、それぞれの筋肉の種類と鍛え方は以下の通りです。
短瞬発筋:高重量高負荷で10回前後の反復回数で鍛える
長瞬発筋:中重量中負荷で15回前後の反復回数で鍛える
持久筋:低重量低負荷で20回以上の反復回数で鍛える
結論として、女性の肩・三角筋の引き締め筋トレでは、20回以上の反復動作で限界がくるような負荷設定で鍛えていきます。
二の腕引き締め筋トレの種類と器具
自重トレーニング→チューブ筋トレ→ダンベル筋トレ
自重トレーニング
自宅筋トレのベースとなるのが、器具を必要としない自重トレーニングです。ただし、筋肉を個別に鍛えられる単関節種目がありませんので、自重トレーニングのあとにチューブやダンベルで二の腕の筋肉を個別に仕上げる必要があります。
なお、腕立て伏せ系のトレーニングでは、可動範囲が広がり効果が倍増するプッシュアップバーの使用がおすすめです。
チューブトレーニング
チューブトレーニングは個別に筋肉を鍛えられる単関節種目が豊富なので、自重トレーニングのあとの「追い込み筋トレ」に最適な方法です。
チューブトレーニングは単品で買い揃えると割高になりますので、セットで入手するのがリーズナブルでおすすめです。
ダンベル筋トレ
ダンベル筋トレは負荷調整がじざいにでき、複合関節種目~単関節種目までトレーニング種目が豊富な、自宅筋トレの中心となるトレーニング方法になります。
二の腕トレーニングでは、自重トレーニング→チューブトレーニングの後に「仕上げ筋トレ」として行うことをおすすめします。
なお、ダンベルはアーミーダンベルが、転がらず錆びず、女性におすすめです。
三角筋全体の自宅筋トレ
自重トレーニング
パイクプッシュアップ
パイクプッシュアップは、三角筋全体に効果の高い自重トレーニングです。三角筋の各部位がまんべんなく作用する方向=腕を真上に押し上げる軌道になるよう、斜め後ろ方向に身体を押し上げてください。
また、肘が体幹より背面側になると肩関節に負担がかかりますので注意してください。
◆パイクプッシュアップのやり方と動作ポイント
①うつ伏せになり、片幅よりやや広く手幅をとって手を床につき、背すじを伸ばし、腰を大きく曲げ、甲骨を寄せて構える
②手の真上に肘がくる位置を保ち、肩甲骨を寄せたまま、斜め前方に身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま息を吐きながら身体を斜め後方に押し上げる
◆ワンポイントアドバイス
三角筋に負荷のかかる、腕を上方に押し出す軌道になるように、身体を斜め前に下ろすことが大切です。
チューブトレーニング
チューブショルダープレス
チューブショルダープレスは三角筋全体に効果の高いトレーニング方法です。腕を押し上げる時だけでなく、下ろす時もチューブの張力に逆らいながらゆっくりと動作することで、三角筋後部にも効果があります。
◆チューブショルダープレスのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし、肩の高さでチューブをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
チューブアップライトローイング
プレス系の三角筋トレーニングには、筋力の強くない女性にはやや難易度が高いため、三角筋中部には比較的動作の簡単なアップライトローイングがおすすめです。
肩甲骨を寄せると負荷が背筋に逃げてしまいますので、上体を真っ直ぐに保ったまま動作してください。
また、肘を前に張り出すと三角筋前部に、横に張り出すと中部に、後ろに引き気味にすると後部に効果があります。
◆チューブアップライトローのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし、腕を伸ばした位置でグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、拳を真上に引き上げていく
③拳を肩の高さまで引き上げたら、張力に耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
ダンベルトレーニング
ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスは三角筋全体に効果の高いトレーニング方法です。腕を押し上げる時だけでなく、下ろす時もダンベルの重さに逆らいながらゆっくりと動作することで、三角筋後部にも効果があります。
また、反動を使わないようにすることが大切で、それを避けるためには椅子などに座って行うシーテッドスタイルもおすすめです。
◆ダンベルショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、肩の高さでダンベルをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
ダンベルアップライトローイング
ダンベルを使ってもアップライトローイングを行うことが可能です。
動作ポイントはチューブの場合と同様で反動を使ったり、上半身を後傾させないことが重要です。また、肘の位置により効果のある部位が異なってきます。
◆ダンベルアップライトローのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、ダンベルを真上に引き上げていく
③ダンベルを肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
三角筋前部の自宅筋トレ
チューブトレーニング
チューブフロントレイズ
チューブフロントレイズは三角筋前部に負荷を集中できるトレーニング方法です。上半身を反らせたり反動を使うと、負荷が背筋に逃げてしまいますので注意してください。
◆チューブフロントレイズのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし、腕を伸ばした位置でグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずに拳を前に上げていく
③拳を肩の高さまで上げたら、張力に耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
ダンベルトレーニング
ダンベルフロントレイズ
ダンベルフロントレイズは三角筋前部を集中的に鍛えられるダンベル筋トレです。上半身を反らせたり、反動を使ったりせずに動作してください。
また、反動を使わないためには、左右の腕を交互に上げるオルタネイトスタイルもおすすめです。
◆ダンベルフロントレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを前に上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
三角筋中部の自宅筋トレ
チューブトレーニング
チューブサイドレイズ
チューブサイドレイズは三角筋中部に集中的な負荷がかかるチューブ筋トレです。
肩甲骨を寄せてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
◆チューブサイドレイズのやり方と動作ポイント
①下から張力がかかるようにチューブをセットし、腕を伸ばした位置でグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずに拳を横に上げていく
③拳を肩の高さまで上げたら、張力に耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
ダンベルトレーニング
ダンベルサイドレイズ
ダンベルサイドレイズは三角筋中部を集中的に鍛えられるトレーニング方法です。下ろす時にもダンベルの負荷に耐えながらゆっくりと動作することで効果が倍増します。
◆ダンベルサイドレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを横に上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
三角筋後部の自宅筋トレ
チューブトレーニング
チューブリバースフライ
チューブリバースフライは三角筋のなかでも後部に効果の高い方法で、女性の猫背改善や美姿勢作りに重要なトレーニングです。肩甲骨を寄せすぎると背中に負荷が逃げますので注意してください。
◆リバースチューブフライのやり方と動作ポイント
①前から張力がかかるようにチューブをセットし、肘を伸ばして拳を胸の前で構える
②肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せながら腕を開いていく
③腕を開いたら、肩甲骨を寄せきり、顎をやや上げて背筋群を完全収縮させる
④張力に耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨をしっかりと寄せないと負荷が逃げてしまうので注してください。
ダンベルトレーニング
ダンベルリアラテラルレイズ
ダンベルリアラテラルレイズは三角筋後部を集中的に鍛えるのに適した種目です。肩甲骨を寄せすぎないように注意して動作を行ってください。
◆ダンベルリアラテラルレイズのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばして前傾姿勢を作り、腕を伸ばした位置でダンベルをグリップして構える
②上半身を反らせないように気をつけ、肘を伸ばしたまま、肩甲骨を寄せずにダンベルを後ろに上げていく
③ダンベルを肩の高さまで上げたら、ウエイトに耐えながら同じ軌道で元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまうので注意してください。
ジムでのトレーニングメニュー紹介
マシンショルダープレス
マシンショルダープレスは比較的動作の簡単なトレーニングで、マシンの軌道通りに腕を押し上げるだけで肩まわりに効果があります。
ただし、肘が体幹よりも背面側(後ろ)にくるフォームで行うと肩関節に強い負担がかかりますので注意してください。
◆マシンショルダープレスのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばしてシートに座り、バーをグリップして構える
②背中が丸くならないように視線を上に向け、腕を上に押し出していく
③腕を押し出したら、腕をしっかりと伸ばし三角筋を完全収縮させる
④ウエイトに耐えながら、筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
三角筋は背筋や大胸筋に隣接しているため、肩甲骨を動かしてしまうと負荷がそれらの体幹表層筋に逃げてしまいますので、セット中は肩甲骨を動かさないことが大切です。
ケーブルアップライトロー
ケーブルアップライトローの模範的な動画がこちらです。ケーブルアップライトローは動作のあいだ常に均一な負荷がかかり続けるのでとても効率的に三角筋を鍛えることができます。
なお、肘をやや前にすると三角筋前部に、やや後ろにすると三角筋後部に効果が高まります。
◆ケーブルアップライトローのやり方と動作ポイント
①背すじを伸ばし、腕を伸ばした位置でケーブルアタッチメントをグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように気をつけて、拳を真上に引き上げていく
③拳を肩の高さまで引き上げたら、ウエイトに耐えながら筋肉に効かせつつ元に戻る
◆ワンポイントアドバイス
肩甲骨を寄せる動作をしてしまうと背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
筋肉の名称と作用
身体を鍛えていく上で、まず理解したいのが全身の主な筋肉の名称と作用です。それぞれの筋肉の役割を知ることで、効率のよいトレーニングを行うことが可能になります。
身体を鍛えたら食事にも気を使う
筋トレの効果を高める食事や栄養の知識がなければ、いくらトレーニングだけを頑張っても大きな効果は得られません。下記の記事では、三大栄養素に関する基礎知識から、筋トレ目的別の食事メニューの基本理論、具体的な食品食材、実際の筋肥大期と減量期の食事レシピを解説・ご紹介しています。
▼筋トレの効果を高める食事